♡胸の谷間でメロン記念日♡

x頭金x

第1話

 メロン記念日はいつだったか。今日にしよう。だから和美は果物屋へ向かった。


 外へ出ると秋風が気持ちいい。駅前のパチンコ屋の“のぼり“が嬉しそうにはためいている。出てくる客の悲壮な表情に「こんなに気持ちがいい秋の日です。負けたことぐらいなんでしょう!また来てくださいね」そんなことを言うから“のぼり“は全て秋山祐三に裂かれ、踏み躙られ、燃やされた。パチンコ屋のすぐ近くに空き地があるのだ。和美は後を追った。


「たすけて…たすけて…」


 サステナブルから程遠い地方の過疎地には、誰も手なんて差し伸べない。勿論和美も手を差し伸べない。


「情報革命によりこれから田舎ブームが来ます!」


 なんて市長が沫飛ばしながら叫んでたが、あれもどうせ誰かに言わされてるだけ。サステナブルサステナブル言っときゃいいみたいな風潮に踊らされてるだけなのだ。持続可能なことなんてこの街には何一つとしてない。擦られて減っていく。ただ消費されていくだけの街。後には何も残りゃしない。“のぼり“を燃やしている秋山祐三も、和美も同じ穴の狢。誰かに搾り取られて、残り滓を慰め合って生きていくしかないのだ。


「そうでしょう?」


「そうだなぁ」


 私達は街路樹の間でキスをした。


 帰りにメロンを買って帰った。和美の安アパートに入るやいなや、2人は激しく求めあった。何度も何度も、体を重ね合った。持続可能なことなんてこの世に何一つとしてない。あるのは擦り減っていくだけの“お互いの肉体“だけだ。


 祐三はたばこに火をつける。同時にメロンを和美の胸の上でスイカの様に食べた。汁が滴り落ち、胸の谷間に汁の海ができる。そこで2人で泳ぐのだ。

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