第250話 救助と不気味な魔物

 オークやゴブリンと戦っている人物は、白いフードを被っており顔が見えなかったが長い髪から女性であるだろうとエリアス達は思った。


「怪我をして押されていますね。それに隻腕のようです」


 ハルカが剣を抜いて女性を囲っている近くのゴブリンを切り伏せる。


「すぐに助けます!ライトニング」


 エリアスが言いながら、魔法を発動して魔物達にぶつける。魔物達は、あっさりと倒れ……ることはなかった。


「注意してください!不気味なオーラがゴブリンやオークから放出されてます!」


 ナビゲーターがすぐさま戦うエリアスやハルカに声をかける。


「なんでしょうか、これは。禍々しくて嫌な気分になりますね」


「普通のゴブリンの比じゃない力……一体」


 エリアスとハルカは、魔物と戦っていた女性を挟んで立つ。



「どうにか払ってみましょう!浄化!」


 ナビゲーターが援護の魔法を使うと、禍々しいオーラが弱まったように見えた。


「今のうちに押しますよ、エリアス!ステータス外スキル!」


「はい、フェンリル、ライトニング!」


 2人が力を解放して、魔物達に斬りかかる。



 魔物達は、なす術なく地に伏すのだった。






「大丈夫ですか?」


「…………」


 ハルカが声をかけるが女性は黙ったままだ。


「魔物に襲われたショックが大きいのかな?」


 エリアスが呟く。魔物に襲われた一般人に良く見られる光景だ。



「仕方ありませんが、フェレンスに連れて戻りましょうか。ナビゲーター殿、転移で跳べますか?」


 と聞く。このまま放っておくわけにもいかないと考えたのだろう。


「ええ、出来ます。しかし、ここで一旦はっきりとさせた方が良いですね」


 ナビゲーターが発言する。


「どう言うことナビゲーターさん?」


 エリアスが疑問で頭を傾ける。



「話を聞くだけです。どうしてここにいるんですか?スティグマ魔法部隊筆頭、マグノリア!」


 とナビゲーターが言い、女性はヴァイオレットの瞳を揺らすのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る