第241話 第2王女と説明
「帝都の……崩壊?」
ハルカの言葉を繰り返すかのようにエリアスが呟く。たったの5文字の言葉でも込められた物はとてつもなく大きいのだ。
「そうです、エリアス。私達王国の辺境フェレンス……その近くにある封龍の森さらにその先にあるのが帝国です。そこがディザスターの攻撃によって崩壊した」
「国が崩壊って、相当不味いんじゃ?」
ミラの顔が青ざめる。
「ええ、世界史の教科書にも載るレベルですね」
「そりゃ不味いって!」
ハルカのわかりやすい例えにミラも状況が飲み込めた。
「帝国が崩壊したのも先程のことの様ですので、我々も急いで対策を考えなければなりません」
「特にフェレンス辺りの防衛が必要だろうね」
ハルカの言葉にネーヴァンが続く。フェレンスが1番帝国に近い場所だ。王国に被害が及ぶとするとそこからだろう。
「帝国が崩壊したのがさっきって、情報速すぎない?」
ルティアは気になったことを質問する。
「それは、私が話すわ」
ある人物が部屋に入ってくる。ハルカやカラミィ、ネーヴァンが頭を下げたことで身分が高い人物であることは明白だ。
「どうして、ここに!」
ルティアが驚きの声を上げる。
目の前に現れた人物は、金髪の目がキリッとした人でルティアに良く似ている。
「元気そうでなりよりです、ルティア」
「ミディア姉様!」
現れたのは、第2王女ミディア・ファン・アルセンティアだった。
「ルティアのお姉さん!」
「はぁ〜、そっくりね!」
エリアスとミラが興味深そうに見る。
「いつも妹がお世話になってます。オテンバなこの子をこれからもよろしくね!」
優しい微笑みで挨拶する。
「もう、お姉様!それよりも、どうして王都にいるの?帝国にいたはずでしょ?」
「ええ、確かに数時間前までは、帝国にいました。だけど、あれが……災厄が現れて……」
ルティアの質問に答えるが表情が深刻になる。
「ディザスターに攻撃され、なんとか逃げ延びたってことだよ。本人としては辛いだろうけどね」
言葉に詰まったミディアに変わりネーヴァンが言う。
「ありがとうございます、聖女様。ある人が転移で私を帝都からここまで跳ばしたんです。バレルラ様がその人に私を跳ばす様に頼んだみたいで……」
「バレルラ様は、帝国の第1皇子でミディア様が嫁がれた方です」
とハルカが説明を入れる。
「お姉様を逃したのね……」
「そうよ、そして……私の話をお父様達が信じてくださって今の状態になっているの」
窓の外では、兵士達が忙しなく動いている様に見える。
「ちょっと良いですかー?」
ミラが挙手して聞く。
「どうしました?」
「そのルティアのお姉さんを王都まで転移で跳ばした人って誰かなぁって興味を持って!よっぽどの魔法使いじゃないかなと……」
賢者見習いとして魔法に関して興味を持ったミラが聞く。
「慌ててましたけど、名前は聞きましたね。確か、レミ!レミって言ってました。黒髪の綺麗な方ですよ!怪我をしてましたけど、どうかご無事でいて欲しいです」
その瞬間にエリアスやルティア、ミラは衝撃が走ったかの様な表情をするのだった。
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