第46話 二つ名と領主との面会について

 レン達は、ギルドにやって来ていた。フィレンが領主の事について詳しく説明したいということや、今回の報酬についての話もあるらしい。


「相変わらず賑わってるな……」


 ギルドでは、昼間だというのに酒を飲んでる人もいる。


 モンスターパレードの討伐に参加した人は、かなりの報酬が支払われたらしい。国からお金が出たらしく、贅沢をする人が増えているようだ。経済が回るので良いことだろう。


 防具の損傷などもあり、贅沢ができるのも一部の人になるだろうが……それでも楽しみにお金を使う人が多い。


「あ!レンさん、お待ちしておりました!」


 レンを発見し、アリーが声をかけてくる。


 歩いて行く途中で冒険者たちの声が聞こえる。



「お!破黒の英雄と断黒の刃だ。あの2人は黒龍との戦いでかなり活躍していたからな……」




「レンさんとエリアスに、二つ名がついたみたいですね。おめでとうございます」


 なんと俺たちの話をしていたらしい。


「なんか、凄い名前だ。恥ずかしいな……」


 レンは、少し顔を赤くして答えた。


「ええ!そうね……」


 エリアスも同じく赤い。


 エリアスは、元々フルプレートを着ていたため始めて姿を見た者が多く、かなり驚かれたらしい。だがエリアスは、可愛いためすぐに人気者になったように感じる。


「ギルド長の所に案内しますね」


 とアリーがギルド長室に案内してくれる。




 ギルド長室に入ると、フィレンが書類と格闘していた。モンスターパレードでボロボロになったとは思えないほどだ。


「いらっしゃい。レン、エリアス。少し待っててもらえるかしら?」


 と何やら忙しそうだ。


 待つ間、レン達はアリーが用意してくれたお茶とお菓子を食べて待った。



「ごめんなさい。ようやく仕事に区切りがついたわ」


 フィレンがやってきた。


「忙しいそうですね」


 とエリアスが尋ねる。


「ええ!今回の騒動だったりの報告もしないといけないのよ。スティグマが関わっていたから尚更ね」


 スティグマという単語を聞いてエリアスがピクッと耳を動かす。気になるようだ。


「レン達に来てもらったのは、領主が屋敷に招待したいとのことだったのよ。期日は、3日後よ。レンは、作法とかは大丈夫でしょうね?」


 とフィレンが説明する。スキルでどうにか出来るだろうと思われているかもしれない。


「あの、エリアスは連れて行って良いでしょうか?」


 さすがに1人で行くのは精神的にきつい。


「ええ!大丈夫よ。ちなみに私も招待されているから」


「それなら安心です」


「あと報酬については、アリーが渡してくれるから、受付で受け取ってちょうだい」


「わかりました!」



「2人は今回の活躍でCランクに上げることにしたわ。もっと上にあげたいんだけどBからは試験があるから」


 とランクアップが伝えられた。


「Bに上がるためにはどうしたら良いのですか?」


 ランクは実力の証明にもなる。積極的に上げたいと思った。


「王都の方で試験が受けれるから、2人の推薦を書こうか?」


 とフィレンが提案してくる。


「エリアスどうする?」


 俺1人で進めて良いものではないとエリアスに相談する。


「うん!お願いしよう」


 と即答した。


「じゃあ2人の推薦状を用意しておくわ」


 レンとエリアスは、お礼を告げて退出した。


「こんなに速くランクが上がるとは思わないかったな」


 とレンは呟く。もっと年単位の時間をかけるものだと思っていた。


「私の方が驚いてるよ。レンのおかげだよ!」


 とエリアスが言う。




 受付に行き報酬を受け取る。エリアスいわく、他の冒険者とは比べものにならないらしい。


「ランクアップおめでとうございます。2人のカードを更新させていただきますね」


 とアリーが言ったため提出する。


「はい!こちらが更新したカードになります」


 色が変わったカードが返ってくる。


「ありがとう!」


 と言って受け取った。


「適当に依頼でも受けるか?」


 エリアスに聞いてみる。


「レンは身体は大丈夫?無理しないようなのだったら良いけど」


 とエリアスが答える。


「エリアスは、優しいな!楽なのを選ぼうか」


 と返しながら頭を撫でるとエリアスは、顔が真っ赤だ。

 エリアスの体調の方が心配だと思う鈍感なレンだった。


 スライムの討伐を受けることにした。


 街から出たレン達は、スライムを倒しつつステータスを確認することにした。


 レンは自分のステータスを確認してみる。


「ステータス!」


 レン・オリガミ(人間)Lv61

HP5350/5350

MP7890/7890

ATK980

DEF745

〈スキル〉

異世界言語

 マップ

 上級鑑定

 経験値増加

 上級全魔法

 身体強化

 腕力上昇

 脚力上昇

 攻防強化

 斬撃強化

 打撃強化

 狙撃強化

 命中上昇

 使用魔力削減

 魔法効果上昇

 思考強化

 索敵

 即死回避

 状態異常耐性

 隠密

 強奪

 威圧

 付与

 採集技能

 ポーカーフェイス

 交渉術

 精神強化

 千里眼

 二刀流剣術

 状態異常攻撃

 ドレイン

 限界突破

 回復速度向上

〈ユニークスキル〉

インストール

 アンインストール

 ロック

 フィルタリング

 ハッキング

〈称号〉

転移者

 スレイヤー(スライム、ゴブリン、ドラゴン)

 逃走者

 破黒の英雄

 加護を授けし者



「おお!色々と成長しているな!魔法も上級になってるし」


 黒龍との戦いがレンにかなりの経験値を与えたようで、かなりの成長を感じられる。


 この世界のレベルの限界は100らしいので、もう半分を超えてしまった。


 だが、経験値量と考えると、まだまだ先は長いとレンは感じるのだった。

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