第16話 戦闘終了と新たなユニークスキル

『マスター!起きてください……マスター』


「はっ……」


 ナビゲーターさんの声でレンは目を覚ました。自分がどうして地面に寝ているのかわからなかったがすぐに思い出した。


「そうだ、ゴブリンキングは?」


 レンはすぐさま戦えるように起き上がった。無茶とは思いつつも拳を構える。


『マスターの最後の一撃で撃破しました。お疲れ様です!』


 正直死ぬかと思ったゴブリンキングとの戦いを無事乗り越えることができたようだ。


 ゴブリンアーチャーの件もありまだ気を抜くことはできないと思い警戒を続ける。


「索敵には、何も引っかからないな……今度こそ大丈夫か」


『本日はこのまま帰ることをおすすめします』


 確かにその通りだと思う。魔石などを回収し、レンは、フラフラと歩きながら帰るのだった。




 帰り道は特に魔物などに出会うことはなく、無事帰り着くことができた。扉を閉めた瞬間、身体から力が抜けて座り込む。


「疲れたぁ……ほんと、死ぬかと思ったな。まさか、剣も無事だとは思わなかった」


 ゴブリンキングにトドメを刺した武器は、確かに途中で壊れたはずだ。だが、それは刃こぼれなく地面に転がっていたのです。


『解析はできませんが自動修復が付いていると思われます』


 ナビゲーターさんの解答がくる。


「自動で直るとかすごい武器だよな……」


 正直この小屋に置いてあった武器は性能が良すぎる。人前に出た時に、かなり目立つことになるだろう。


「それにこの棍棒も良い性能のはずだ。持ってるだけでステータスが強化されてるみたいだ」


 何でゴブリンキングがこんな良い武器を持っていたのかわからないが倒したし自分の物だから良いかと思う。


「それにしても戦闘中は気にならなかったけど、結構返り血とか自分の血で汚れてるな……」


 たまたま部屋にあった鏡に自分が映っており、酷い格好だと思った。


「よくよく匂い嗅いでみると魔物の血って結構ひどい臭いがするな……はやくお風呂に入ろう」


『マスター、臭いです』


「え!ガーン!?」


 ナビゲーターさんに言われてショックを受ける。なんで匂いが嗅げるんだ。


『嘘です。ですが、入浴をお勧めします』


「お……、焦らせるなぁ。心臓が止まりかけた」


 ナビゲーターさんのジョークの様だ。ナビゲーターさんはスキルだけどジョークとか言うのだな……


 そしてMPがほぼ切れかかっているレンはその後のんびりと風呂に入り、ベッドでぐっすり眠るのだった。






「ファァァァ、結構寝た気がするなぁ……」


 現在の時間は全くわからないが、目が覚めたレンは活動を開始するのだった。


「とりあえずステータスを確認しておこうか」


 レン・オリガミ(人間)Lv43

  HP2500/2500

  MP4650/4650

  ATK560

  DEF430

 〈スキル〉

  異世界言語

  マップ

  中級鑑定

  経験値増加

  中級全魔法

  ナビゲーター

  身体強化

  腕力上昇

  脚力上昇

  攻防強化

  斬撃強化

  打撃強化

  狙撃強化

  命中上昇

  使用魔力削減

  魔法効果上昇

  思考強化

  索敵

  即死回避

  状態異常耐性

  隠密

  強奪

 〈ユニークスキル〉

  インストール

  アンインストール

  ロック

 〈称号〉

  転移者

  スレイヤー(スライム、ゴブリン)

  逃走者



『一定のレベルに達したためユニークスキル、ロックを解放します』


 とアナウンスが聞こえた。


 ステータスを見てレンはいくつかの変化に気づいた。


 まず数値が上がったことはもちろんだが、魔法が中級全魔法になっている。鑑定も中級だ。


『Lv30を突破したためインストールが可能になりました。初級のものも使用可能です』


 ナビゲーターさんが解説してくれる。上位互換になったようだ。


 魔法の効果が上がるのはとてもありがたい!


『耐毒以外にも耐性スキルをインストールし、状態異常耐性に統合を行いました』


 確かに耐性スキルは大切だと思った。正直毒をくらった時は焦ったものだ。


「ナビゲーターさん、ロックって何かわかる?」


 レンは新たなユニークスキルについて聞いてみた。


『現在解析を行っていますが、現状でわかるのは相手からの鑑定を阻止するというものです』


 なるほどスマホのロックのようなものか…


 プライベート(ステータス)は大切だ。


 ステータスも確認したので再び外に出る部屋の探索を再開しようかなと考えるレンだった。

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