第10話 ナビゲーターとゴブリン対策
レンは、先程のゴブリンのことを考えながら
「1対1なら勝てるのに」
と呟いた。ただの負け惜しみでしかないがそう言いたくなる。
どの世界においても数の力というものはとても強力だ。魔物相手に「汚いぞ!」と言っても正々堂々と戦ってくれるはずがない。
どうしたものかと思いながら自分のステータスを見つめると、MPに目が向く。
「そういえば、レベルアップでMPが1000を超えたな!ナビゲーターをインストール出来るぞ」
そう、一度MPが少ないために諦めたナビゲーターだ。このスキルがあれば戦闘をかなり優位に進めることができるかもしれない。
「《インストール》!」
さっそくナビゲーターをインストールする。
少しの時間をおいて完了する。
インストールしたナビゲーターをさっそく使用する。
「ナビゲーター、ゴブリンとの戦闘に役立つスキルを出してくれ」
アドバイスをもらうのが得策だと考える。
『ユニークスキル《インストール》との接続を行います。よろしいですか?マスター』
女性の声だ。さらにナビゲータースキルは、レンのことをマスターと呼んだ。
(マスターって呼ばれたよ!なかなか恥ずかしいな)
と思いつつ
「許可する!」
と堂々と答える。
『ゴブリンとの戦闘に役立つスキルを表示します』
〈スキル〉
身体強化(MP65)
腕力上昇(MP65)
脚力上昇(MP65)
攻防強化(MP65)
斬撃強化(MP65)
打撃強化(MP65)
狙撃強化(MP65)
命中上昇(MP65)
使用魔力削減(MP70)
魔法効果上昇(MP65)
思考強化(MP75)
索敵(MP75)
即死回避(MP80)
……
ズラズラーっとスキルが表示されていく。
「斬撃のスキルもあるな……魔法だけじゃなく、剣とかも使えと。でも、剣を使った経験がないから上手く出来るものだろうか……」
レンの高校では、体育で剣道を行うことがあった。その時に、竹刀を使うくらいしか剣を持った経験がない。付け焼刃にもならないだろう。
「正直不安だな」
『微力ながらマスターのサポートをさせていただきます』
とナビゲーターが言った。なかなか頼りになりそうだ。ありがたい。
「俺のMPが尽きない程度に少しずつインストールを頼む!」
『承知しました。マスター』
ナビゲーターをインストールしたばかりでMPもそんなにないため休むことにする。
「MPを回復するポーションとかあれば良いんだけどな……案外探せばすぐに見つかるかもだけど後で良いか」
そういえば温泉があったなと思い出し向かうことにする。
「扉の外に別の空間があって……魔物がいてすっかり温泉のことを忘れてたな」
温泉に浸かりながら身体を伸ばし、やっぱりお風呂は良いものだと思いながらリラックスする。
そして久しぶりのベッドで眠りゴブリンとの遭遇の疲れを癒すのだった。
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