第8話
今日は生配信で質問コーナーをやろうと思う。
この間アカウントは作ってもらったからね。既に待機勢がたくさんいる、嬉しい限りだ。
「こんばんは、蓮でーす。今日は質問に答えたり雑談したり、ゆるーくやっていこうと思いまーす。ちなみに先に言っておくと、下ネタとかその辺の質問全然オッケーなんで、好きに聞いてくださーい。住所以外は答えるよー!」
コメント欄が驚きの声で溢れる。普通少しでも男の気分を損ねる発言をすると、警察に捕まってしまうのがこの世界であった。
「うわっ、コメントの速さがすごすぎて読めんぞ。あっ『今1人ですか?』。いやー、実は今部屋に彼女がいるんだよね」
コメント「「「彼女!!??」」」
「れーたん。こーこ。」
麗奈を自分のもとへ呼ぶ。顔は映らないように配慮した。名前を呼ばなかったのは、麗奈のプライバシーに配慮してだ。
麗奈は俺の肩に頭をのせる。俺は頭を撫でた。
コメントは「羨ましすぎる」との声で溢れている。
「『胸とお尻はどっちが好きですか』んー、やっぱまだ俺若いしこっちかなー」
麗奈の胸を揉んでみせた。麗奈が顔を真っ赤にした。コメントでも「私のも揉んでくれ」と書かれている。麗奈がいきなりやったから少し拗ねたようでぷくーっとしてしまった。
「れーたん、ごめんね。これで許して」
麗奈にキスをした。もはやコメント欄には何も書かれていなかった。全員鼻血を出してぶっ倒れたからである。
楽しかったな。生配信またやろっかな。
今日は対談の日、場所はテレビ局のスタジオだ。着いた段階でスタートのようで、アナウンサーの方と向かい合う形で椅子に座る。
「はじめまして、西条蓮と申します。本日はよろしくお願いします」
「はじめまして、帝都テレビアナウンサーの〇〇と申します。西条さん、本日はお時間いただきありがとうございます」
「いえ。このような機会をいただき非常に嬉しいです。それと蓮と呼んでいただいて
結構です」
「わかりました。それではそう呼ばせていただきます。早速最初の質問に参りたいと思うのですが、蓮さんは非常に女性にも優しいという点でも話題です。なぜわたしたちに優しくしていただけるのでしょうか」
「うーん。この世界の大半のコミュニティは女性で構成されているわけじゃないですか、そこには先輩後輩の礼儀とかはもちろん存在して、友達、親友と呼ばれる人を大切にするのも当たり前だと思うんです。男が珍しすぎるからみんな忘れがちだと思うんですけど、僕は偉いんでもなんでもなくて、たまたま男なんですよ。僕のことを褒めてくださる声はもちろん嬉しいですけど、褒められることでいい気にならないような人間になりたいですね」
「そうだったんですね。ちなみに蓮さんが普段から行われている奉仕活動というのは、どうしてやろうと思われたのですか?」
「僕、ありがたいことにたくさんお付き合いしている方がいて、みんな大好きなんです。彼女たちといる時間っていうのは本当にかけがえのないもので、でも世の中にはその機会が与えられない女性がたくさんいるとあるとき気づいて、自分に何かそんな人を笑顔にできることがないかなと考えた結果が今になりますね」
「蓮さんに愛される方たちが非常に羨ましいですね」
「ありがとうございます。彼女たちを絶対に幸せにしたいと思っています」
対談は無事に終わった。いい感じじゃないだろうか!
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