第17章 任務開始編

第300話 時間のようですね

「ふぅ〜……」


 眼前に広がる、太陽の光を受けて光り輝く美しい海を眺めながら、用意されていた椅子に座って息を吐く。


「あはは、お疲れ様」


「むぅ」


 フィルめ!


「他人事だと思って……」


「ふふふっ、まぁソフィーは可愛いいから仕方ないわ」


「ルミエ様まで……」


「そうそう! だってぇ〜、ソフィーちゃんは本当に可愛いもん!!」


「うんうん! もうずっと抱きしめてたいほどだもんね!」


「ちょ、ちょっと……!」


「2人とも気持ちはわかりますが、あまりソフィーさんを困らせてはダメですよ?」


「うぅ……」


 フラン先輩にオラシオさん、それにイヴさんまで……もう恥ずかしいからやめてぇっ!!


「ははっ、まぁ仕方ないさ。

 ソフィーちゃんは俺達のアイドル、お姫様的な存在だからな」


「っ! 貴様っ!!」


「うわぁ、イェーガーのおっさんってロリコンだったのか……」


「……変態、ソフィーから、離れろ」


「違うわっ!!

 俺はただソフィーちゃんのことを娘のようにだな」


 もはや殺意がこもっている視線を向けてるエレンお兄様は……まぁいつも通りだから、いいとして。

 ロイさんにロリコンといわれ、ラピストさんに変態と罵られて蔑むような視線を向けられてるイェーガーさん……


 ロイさんは揶揄ってるだけだけど、ラピストさんは本気で軽蔑してるような視線を向けて睨んでるし。

 うん、さすがにちょっとイェーガーさんが可哀想だわ。

 後で慰めてあげよう。


「ったく、何を騒いでるんだお前らは……」


 えっ! なんかシャドウさんが私達の方を呆れたような目で見てるけど……もしかしてそのお前らの中に私は含まれていませんよね!?


「はっはっは! まぁまぁ、ロイくんもラピストくんそのくらいにしておいてあげなさい。

 私だってソフィーの事は孫のように思っているんだぞ?」


 アルマさん……


「フラン、貴女もよ。

 そんな目でイェーガーさんを見ないの」


「むぅ……わかった。

 けど! イェーガーおじさん、ソフィーちゃんに手を出そうとしたら絶対に許さないからね!」


「そうだそうだ!

 おじさんの奥さんにも言いつけてやるんだから!!」


「ぐはっ……」


 辛辣なフラン先輩とオラシオさんの言葉が、イェーガーさんのメンタルにクリティカルヒット!

 イェーガーさんの心に100のダメージ!!


「お、俺ってそんなに飢えてるように見える?

 そんなに不審者に見えてるのか……?」


「あ、あはは、まぁそう気を落とさずに」


「そうそう! 俺も初めて嬢ちゃんに会ったとき、変態呼ばわりされたからな」


「師匠、俺はまだその事を許したわけじゃありませんよ?」


「は、はははは! とにかくだ、気にする事はねぇぞ!!」


 苦笑いを浮かべたミルバレッドさんに肩を叩かれて、ガルスさんには背中を叩かれて励まされてるけど……イェーガーさんの姿を見てると、なんか罪悪感がすごいんですけど!!



 ────っ!!



「っと、時間のようですね」


 今までも活気と喧騒に包まれていたけど……周囲に集まった人々から。

 ここ四大国が一角、商業と流通の中心地にして商人の聖地と称されるアクムス王国が首都、王都フェニルの人々から一際大きな歓声が巻き起こった。

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