第213話 敵の正体
「事の発端は2ヶ月ほど前。
ソフィー様とフィル様も在籍されている、オルガマギア魔法学園の入学試験です」
「オルガマギア魔法学園の入学試験?」
確かに2ヶ月くらい前にあったけど……あっ、もしかして!
「はい、改めまして私の名前はリアット・エドウィン」
「っ!」
「現在イストワール王国の王都を拠点に活動されている皆様ならご存知かもしれませんが……」
「リアっ!」
「お兄様、皆様は私を守るために、こうして来てくださっているのです。
そんな皆様に対して、名乗りもせず、こちらの事情も説明しないなんて道理に反します。
私にはそのような、恥ずかしい事はできません」
「っ……」
ふむ……リアットさんの口ぶりからするに、狙われてるのはサイラスじゃなくてリアットさんなのか。
なるほど、だからサイラスは私達に、自分達の事情を話したくなかったわけか。
何者かに命を狙われてるなんて噂が立ったら、それを面白おかしく脚色して吹聴する人が絶対に現れるだろうし。
貴族令嬢としてのリアットさんの名声に傷がつくことになる。
なるほど、なるほど! サイラスは双子の妹であるリアットさんを、大事にしているらしい。
うん、ちょっと感心して見直したわ!!
「すみません、話が途切れました。
それで既にご存知かもしれませんが……私の父、エドウィン侯爵は、イストワール王国にて魔法師団長の任についております」
「それは勿論、知っていますよ。
エドウィン侯爵の噂は僕達、冒険者の間でもよく耳にしますからね。
なんでも、相当な実力だとか」
「ありがとうございます。
それで、そんな父が現当主を務めている、エドウィン侯爵家はイストワール王国では一応魔法における名家とされているのです」
一応……というか、これまでだって何人も魔法師団長を排出してきた家柄中の名家じゃんか!
「それで私も魔法についての造詣を深めようと思い、オルガマギア魔法学園の門を叩いたのです」
ふむふむ、なるほど。
「それで、結果は?」
「なんとか合格する事ができたところまでは良かったのですが……」
「なんかなんてとんでもない!
リアット殿は素晴らしい実力を発揮なされて、見事に主席の座を勝ち取られました」
おぉ〜! オルガマギア魔法学園の入学試験で、主席になるなんて!!
今度、入学祝いのプレゼントを贈らないと!!
「ふふっ、そんな大したものではありません。
しかし、そこで少しばかり目立ってしまったために、目をつけられてしまったのです。
先程の襲撃者達も、恐らくはその者の手下だと思います」
「その者、とは?」
「これはまだはっきりと断定はできないのですが……彼らは恐らく、魔王配下の魔人。
リアット殿を狙っているのは、八魔王が
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