第122話 なにやってるの!?
「むふっ!」
私の勝利を告げるアナウンスと、観客達の歓声を背に……
「「「「「「ソフィーちゃんっ!!」」」」」」
あっ! みんなだ!!
「えへへ!」
観客席の一角で私の応援をしてくれてた、残念ながら予選落ちしてしまったクラスメイトに手を振って!
今度こそフィルやミラさん達が待ってる、Sクラスの控え室代わりの訓練場に転移!!
「っと!」
ふむ、試合が終わったあとは事前に設置されてる魔法陣に乗れば自動的に転移してくれる。
やっぱり楽だわ〜!
魔法陣っていえば魔法の効果を増加させたり、魔法の補助をするようなものだってイメージだったけど……
転移魔法だけに限らず、魔法陣にすることで魔法の効果を一時的なものではなく持続するものとして維持することもできる!
色々と便利だし、新人戦が終わったら魔法だけじゃなくて魔法陣についても学ぼうかな?
「ソフィーちゃん! おめでとうっ!!」
「おめでとう、ソフィー」
ミラさん! フィルっ!
「おめでとうございます!」
「流石は俺達のソフィーちゃん!!」
「凄かったよ!」
「おめでとう!」
「ふっふっふ〜ん!」
そうでしょう、そうでしょう!
なにせ、学園の保護結界を凍りつかせたのは前代未聞らしいし! まぁ、そのせいでメイさんに怪我を負わせちゃったわけだけど……みんな、もっと私を褒め称えてもいいんですよ?
「まぁ、ソフィーならあのくらいはできて当然だろうけどね」
「むっ」
フィルめ、余計なことを……まぁ、その通りなんだけども。
まさか、あの程度で保護結界が凍りついて機能しなくなるなんて思ってなかったし。
『それでは! 決勝トーナメント第二試合!!
Sクラス、ヨーグ選手 VS Aクラス、ハリス選手……試合開始ぃっ!!』
「あっ、第二試合が始まった」
「みたいだね」
「ヨーグさん……大丈夫かな?」
「心配しなくても大丈夫よ!
ああ見えてヨーグ君は今年の新入生の中で第十席、新入生十傑の1人なんだから」
「それはそうですけど……」
確かに今年のSクラスはすごい! らしい。
この決勝トーナメントに出場しているSクラスの生徒は24人。
予選32組中、実に24の組でSクラスの生徒が勝利を収めてるわけだし。
予選落ちしちゃったのも、同じSクラスの生徒に負けてのことであって、他のクラスの人に負けたわけじゃない。
つまり! 同じSクラス同士で被っちゃった人以外はSクラスの生徒全員が予選を突破したということ!!
入学初日のオリエンテーションでマリア先生がいってたように、SクラスでもFクラスでも新入生の間にそこまで大きな差はない。
だから例年の新人戦はSクラスの生徒が他クラスの生徒に予選で敗北することも普通にある。
よって、今年のように予選でSクラスの生徒が組み込まれてる全ての組でSクラスの生徒が決勝トーナメント進出を決めたことは前代未聞の偉業!! って、朝起きてファナに熱弁されたし。
でも! 心配なものは心配なのだから仕方ないっ!!
「むぅ〜」
どうして、この控え室代わりの訓練場には観戦用のモニターがないんだ!!
いやまぁ、理由はわかるけども! 教室には設置されてるのに……! ん? あれ、ちょっと待って……
「フィル、もしかして……」
この場所には、試合を控えている選手が自分の試合に集中できるようにって理由で試合を見れるモニターは設置されていない。
にも関わらず、みんなは私の試合がどんなのだったのか知ってる感じだった……
「うん、全員教室に戻ってソフィーの試合を観てたよ」
「えぇっ! じゃ、じゃあもしかしてヨーグさんも?」
「もちろん」
「っ!」
うそでしょ……次に自分の試合が控えてるのにヨーグさんなにやってるの!?
急いで確認しな……
「あっ、大丈夫だったみたい」
『勝者!! Sクラス、ヨーグ選手っ!!』
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