第114話 あの……誰ですか?
「っと、丁度時間のようね」
「ん?」
時間って……
『予選第2組の出場者は転移陣へ移動してください。
繰り返します、予選第2組の出場者は転移陣へ移動してください』
おぉ〜これのことか! 本当に丁度アナウンスがっ!!
ふむふむ、なるほど〜そういうことね! さすがはマリア先生、私も見習わなきゃ。
「よし! じゃあ、行ってきます!!」
「ソフィーちゃん! 頑張ってっ!!」
「応援してるからっ!!」
「ソフィーちゃんの力を見せつけてやれ!!」
「まぁ、ソフィーなら大丈夫だろうけど頑張って」
フィルだけなんかちょっと温度感が低いけど……みんなの声援を受けていざ行かんっ!!
「「「「「「「「「──!!!」」」」」」」」」
「う〜む」
やっぱりすごい歓声だわ!
「こほん、ようこそ皆さん。
私は審判を務めるラミネ、皆さんルールは承知しているとは思いますが、ここでもう一度説明しますね」
この新人戦では予選でも決勝トーナメントでも学園で用意した一定以上のダメージが蓄積されたり、戦闘不能になるような攻撃を受けると破壊される保護結界を纏って戦う。
当然その結界の上から自分自身で新たに結界を展開するのは自由だけど、この結界が破壊されたり、出場者の魔力が尽きたりした場合は保護結界のセーフティーが発動して場外に設置されてる救護室に強制転移させられて敗退することになる。
「また、その他で何か危険があると判断した場合は私をはじめとした教師陣が介入するか救護室に転移させます。
当然この場合も敗退となります。
ここまでで何か質問は? ……では、これより予選第2組を開始します!」
「むっ!」
開始の合図と共にラミネさんが転移した瞬間、身体の周りに結界が!
へぇ〜、これが試合用の保護結界!
転移魔法陣だったり、この結界だったりと、本当にオルガマギア魔法学園はすごい!!
仮にこの結界の技術が戦場で使われたら……まぁ、運用するには莫大な魔力が必要になるんだろうし、この結界を使いこなせるくらいの実力者がいるなら有象無象の軍勢に頼るよりも単騎で戦った方が効率的だろうけど。
さすがは世界に名高いオルガマギア魔法学園!!
「むふふっ!」
それに、この結界のおかげで出場する生徒達は大怪我を負ったりすることはまずないわけだし、全力で戦える!
私には用事があるのだ! 他の人達には悪いけど、速攻で終わらせてやるわっ!!
まぁ、ここで目立っちゃったら私が今話題の魔王ナルダバートを倒したAランク冒険者ソフィーだってことが露見する可能性は大いにある。
なにせ仮面をつけてるし、名前もソフィアだし。
けど……外の身分制度とは隔離させているオルガマギア魔法学園では生徒は入学時に、教師は採用時に学内で知り得た機密事項や個人情報は許可なく漏洩できないように契約魔法にサインしなければならない。
つまり! 仮にオルガマギア魔法学園の新入生ソフィアが冒険者ソフィーだってことがバレちゃっても観客には仮面をつけている私の素顔も素性もバレることはない!!
「キミ達には申し訳ないが……あの御方がご覧になられている以上、この大会で無様を晒すわけにはいかない。
最初から全力でいかせてもらうよ?」
ん? あの御方?
「とは言え、学友でもあるキミ達に怪我をさせるのは不本意なんだ、だから素直に降参してくれないか?
キミ達も僕の事は……僕の実力は知っているだろう?」
「「「「「ッ!!」」」」」
ちょっとキザっぽい仕草の金の髪に金色の瞳をした男の人がちょっと魔力を仄めかして他の出場者達が息を呑む。
うん……カッコつけてるところ申し訳ないんだけど……
「あの……誰ですか?」
「なっ!?」
「「「「「えっ?」」」」」
えっ? も、もしかして、私なにかまずいこといっちゃったっ!?
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