AIのべりすとにあのラブコメの第1話を書かせたら、なぜか幼馴染学園ラブコメが誕生しやがった!

山本正純

第1話

 道化師。おかしな言動や行為をすることによって周囲の人々を楽しませる存在。



 この街の中学校には道化師と呼ばれる生徒がいるらしい。


 その存在を知る者は同じ学校に通う一部の生徒しか知らない。SNSに道化師のことを投稿したら、必ず『そんな中学生がいるはずがない!』という趣旨のコメントが届く。


 あの日までは、俺も都市伝説だと思っていた。


「それじゃあ、これからは学校でもよろしくね」


 放課後。教室で帰り支度をしていると、隣の席から声をかけられた。


 隣に座っている女子生徒は、長い黒髪を揺らしながら微笑みを浮かべている。


 彼女は朝宮美桜――この学校のアイドル的存在であり


「ああ、こちらこそ…………」


 そして俺の幼馴染でもある。


「それで今日なんだけどさ、久しぶりに一緒に帰らない?」


「えっ? いやそれはちょっと…………」


「どうしてよ! 昔はよく二人で帰ってたじゃない!」


「そりゃ小さい頃はそうだったけど今は違うって言うか…………ほら、俺たちもう中二だし男女が一緒に帰るのはまずいだろ」


「そんなことないわよ。それに私とあなたなら兄妹みたいに見えるでしょうし問題はないと思うのだけど?」


「いやいやそういう問題じゃなくてだなぁ」「ふぅん、私の誘いを断るんだ…………へぇーそうなんだ」


 彼女の顔から笑みが消える。


「い、いや別にそういうわけじゃ…………わかったよ、一緒に帰るよ」


 俺は昔から美桜には逆らうことができない。


 中学に入ってからは彼女と一緒に登下校をすることはなくなっていたのだが、なぜか断ることができないのだ。


「わかればいいのよ。じゃあ早く行きましょう」


 美桜は再び笑顔になると鞄を持って立ち上がった。


「そうだな。あんまり待たせると悪いもんな」


 俺も立ち上がり荷物をまとめる。


「ねぇ、私たち付き合ってるって噂があるの知ってる?」


「はっ? なんだよ急に?」


 突然の言葉に驚く。


「私はいいのよ。どう思われても気にしないから。でもあなたは困るんじゃないかと思って」


「いや、べ、べつに…………大丈夫だよ」


 本当はものすごく動揺している。


 なぜならその噂は事実だからだ。


 中学生の頃、俺と美桜は同じクラスになったことがある。


 その時からずっと一緒で、周りからは付き合っていると思われていたようだ。


 もちろん幼馴染としてだが。


「まあいいわ。とにかく噂なんて気にしてもしょうがないことですものね」


 美桜は自分の席に戻りカバンを持つと再び俺の隣にやってきた。


「おい、なんでわざわざこっちに来るんだよ」


「だって、恋人同士なんだから手ぐらい繋ぐでしょう?」


「そ、そういうことは…………」


「はいはい。言い訳は聞きません。さっさと行くわよ」


「ちょ、待てって」


 こうして俺たちは手を繋いで帰ったのであった。


 ☆★☆ 帰宅後。自室のベッドの上に寝転がりながらスマホを眺めていた。


 そこには先ほど撮った写真が表示されている。


 隣では美桜が笑顔を浮かべており、それを見ているだけで幸せな気分になる。


「やっぱり可愛いな…………」


 思わず呟く。


 俺には彼女がいる――しかしそれは嘘なのだ。


「バレたらマズイよなぁ…………」


 美桜と付き合い始めたのは一ヶ月半前のことである。


 きっかけは今年の四月のことだった。


 当時、同じクラスの女子たちが恋バナをしていた。


 内容は誰が好きとか告白しようかなという感じの話である。


 正直言って興味はなかった。


 他人に興味がなかったからだ。


 だが、一つだけ気になったことがあった。


「ねぇねぇ、好きな人とかいないの?」


 クラスメイトの一人が話を振る。


「うん、私は特にいないな~」


 そう答えたのは朝宮美桜だった。


 彼女はクラスの中でも目立つ存在であり、容姿端麗で成績優秀、運動神経抜群と非の打ち所のない女の子だった。


 まさに誰もが憧れるような完璧な少女。それが朝宮美桜だった。


 ただ俺だけは知っていた。


 美桜には一切恋愛感情というものが存在しないということを。


 小学校低学年の頃だろうか、まだ


「好きだ」という言葉の意味がよく理解できていなかった頃のことだ。


 ある日、俺は彼女に言ったことがある。


「大きくなったら結婚してやる」と。


 子供らしい無邪気な言葉だった。


 もちろん本気で言っているわけではない。ただの冗談だった。


 それを聞いた彼女はこう返した。


「私も大きくなったら翔くんと結婚するー!」


 そう言って笑ったのだ。


 その笑顔を見た瞬間、胸の奥が熱くなるような感覚に陥ったことを覚えている。


 それからだった。美桜のことを異性として意識するようになったのは。


「はぁ…………」


 ため息をつく。


 こんな


「好きだ」なんて言うんじゃなかった。


 あの時の俺は何を考えていたのだろう? きっと何も考えていなかったのだと思う。


 好きだからこそ、自分以外の誰かのものになって欲しくない。


 そんな独占欲にも似た気持ち。


「バカだなぁ…………」


 自分の愚かさに呆れる


「ん?」


 そのとき、スマホが震えた。


 メッセージが届いたようだった。


 差出人は美桜からだった。


『今日は楽しかったわ。また明日学校で会いましょう』


 そんな内容だった。


「ああ、俺もだよ」


 自然と笑みがこぼれた。

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