母達の‥‥‥



「やっぱりね、そうじゃ無いかと思ったわ。フフフ、しかし傑作ね。アナタ達この存在に気付いてなかったとはね‥‥‥」

 父様の事を伝えたらシャル母様に言われた。


「だって気がついた時からずっと有ったし‥‥‥」

「私もあるのが普通なのかと思ってました。考えたら町の人はありませんものね。気がつくべきでした」

 ビアンカもフローラも俺と同様に有るのが当たり前で気付いていなかったようだ。


「でもなんで兄さんだけ会えたの?」

「ずるいですわ、お兄様!!」

 ビアンカもフローラも父様には会えなかったみたいだ。そんな事俺に言われてもな‥‥‥。


というか、お前たち、父様嫌ってなかったか?

「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」


「偉大な父親の功績を認めたくない反抗期みたいなものかしらね?」

「私たち、ずっと『お父様はすごいのよ!』って言ってたじゃない。詳しく説明はしてなかったかもしれないけど」


「まぁ、そのうち帰ってきて会えるわよ。ビアンカは槍聖、フローラは拳聖の加護をもらったんだから良いじゃない。私は槍王だったけどそれでもすごい加護だったのに‥‥‥」

「母様! 父様は浮気して出て行った訳では無かったのね?」


「そんなはず無いじゃない。あの人子煩悩なんだから‥‥‥、だから今もホラ、見てるんじゃない?」


 水球は覚えている限りずっと俺たちのそばにいた。トイレや風呂の時は外にいたけど。



「さぁ、みんな良い加護を貰ったからお祝いよ! 腕によりを掛けて作ったわ! あとは食べながら話しましょう」

「「「やったぁ!!」」」

 ナタリーさんのご飯は絶品だ。


「兄さん、父様は生きているんだね。僕も会いたかったなぁ‥‥‥」

「レオン、お前は父様に会ったことないからなぁ。もう少しで戻れるって言ってたぞ」


「そうかぁ、楽しみだなぁ‥‥‥」


 ジャンヌさんから質問が飛んでくる。

「それでハイド、ネロはどんな様子だった?」


「小さい頃に会った父様と変わりなかったですよ。異空間だから向こうは数日だって言ってましたし」


 カチャーーン!!


? 母様達がスプーンを取り落とした。


「なんてこと‥‥‥」

「ネロは年取って無いの?」

「私、最近小皺が出てきた気がして‥‥‥」

「アタイも産後にスタイルが‥‥‥」


「ウチらは平気だニャ」

「あちし達は獣人だからな」


「? なんで獣人は平気なんですか?」

「ウチら獣人は若く活動出来る時間が長いニャ」


「我らも大して変わりないかの?」

「妾も誤差の範囲じゃな。ヒューマンは大変じゃの」


「みんな大丈夫だよ、ボクの実を定期的に食べてるから全然老けて無いよ」


 その一言で母様達の目が光る!

「ユラちゃん、もっと出して! もっと無いの?」


「いやいや、食べ過ぎもダメだよ。普通に食べてれば老化が遅くなるから‥‥‥」


「「ユラちゃん、切らさないでね!!」」

「!!!! ハイ‥‥‥」

 母たちの圧が強い‥‥‥。

 ユラさんが圧倒されてる‥‥‥。


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