帝都、再び


 あれから数ヶ月経ってマリアとナタリーも無事出産を終えた。

 どちらも女の子、母子共に健康だった。

 マリアの子は「ビアンカ」、ナタリーの子は「フローラ」と名付けた。


 うん、人気ゲームの五作目の花嫁候補と同じになってしまったが、偶然って怖いですねぇ。




「ネロよ、再度帝都に行ってくれんか? 魔術ギルドから指名依頼が入っている」

「帝都? チーナ帝国ですか、ギルマス?」

「そうだ。すまんが早速向かってくれ」


 なんだろう、なんかしたっけか?


 とりあえず向かうとするか。今回もローズ、サラをお供に連れて来た。この二人、戦闘においてはすごく楽になるからな。

 一度行ったから、ミストドアで移動出来る。当然、直接ではなく、手前に着いて少し歩く。


「ここが帝都ニャ?」

「初めて来たぜ、城壁も高いなぁ」


「Sランク冒険者のネロだ。魔術ギルドの要請で来た」

「あっ、ネロさん! 以前は本当にスミマセンでした」

 対応してくれたのは、以前牢屋に入れてくれた門番の人だった。


「ハハハ、もう牢屋入りはしないからな」

「勘弁して下さい、反省してますから」

 

「ネロ、ここの牢屋に入れられたニャ?」

「ギルドカードの偽造を疑われてな」

「なんだ、そりゃ?」

 いや、こっちが聞きたいよ。



 しばらく歩いて魔術ギルドに到着。受付の人に対応してもらう。待合室には色々な機械が置いてある。魔道具なんだろうな。


「なんか面白そうだな、どれどれ」

 触ってみたら、何やら光り出した。


「旦那、何してんだ! 光ってるぞ!」

「ニャー! ネロが壊したニャ!」


 いや、壊れてたら光らないだろ。わかんないけど。


「何をしてるんだ、君たちは」

 クリスさんはクールだった。



「で、頼みがあって来てもらったのだが‥‥‥大丈夫か?」

「すみません、騒がしくて‥‥‥、ローズ、サラ。二人とも話聞くか?」


「遠慮するニャ~」

「あちし達はその辺で待ってるよ」


「わかった。ここの冒険者ギルドの酒場ででも待っててくれ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る