ナタリーの気持ち


「やっぱりまた増えたんですね‥‥‥」

 ナタリーの声が低い‥‥‥。

 怖い‥‥‥。

 もちろん今は正座だ。


「で、今回はアマゾネス? また珍しい種族の方を‥‥‥」

「スミマセン‥‥‥」


「いや、良いんですよ。ネロくんの強さならもっといてもおかしくない、むしろ少なめだと思うので‥‥‥。頭ではわかってるのよ? でもね~」


「本当にごめん、ナタリー」

立ち上がり、壁の方を向いているナタリーを後ろから抱きしめる。


「ちゃんとナタリーも大事にするから‥‥‥」

「もう‥‥‥、ずるいです‥‥‥」


 ナタリーは平民なので、あまり複数妻のいるケースに慣れていないそうだ。平民でもいる事はいるが、少数派だからな。


「もう、わかりました! 出来るだけ事前に教えてね!」

「ありがとう、ナタリー。身体は大丈夫?」


「私はつわりもないし、比較的動いてるから‥‥‥。最近は動くのよ? 触ってみる?」

「そうか、良かった。どれ‥‥‥」


「おぉ、蹴ってる。元気そうだな」

「私なんて健康しか取り柄が無いから‥‥‥」


「そんな事無いよ。美人受付嬢って有名だったじゃないか」

「そんなの随分昔の話よ。シャルちゃん、マリアちゃんみたいに身分も無いし、あんなに綺麗でも無いわ」


 身分コンプレックスってやつなのかな?個性で言えば、確かにナタリーが一番普通だ。

 というか、他が個性的すぎる。

 王女、貴族令嬢、猫獣人が二人、水竜、妖狐、エルフにアマゾネスと多すぎないか?



「そんな事無いよ。俺がナタリーにどれだけ癒されていると思っているんだい?」

「‥‥‥‥‥‥ありがとう、ネロくん」


 そのまま見つめあってキスをした。



「キスだけで大丈夫‥‥‥?」

「‥‥‥ん?」


「いや、みんな妊娠しちゃって‥‥‥、ネロくんのアッチの方は大丈夫かなって‥‥‥」


 ナタリーは真っ赤になってしまった。

でもやはりナタリーは優しいな。


「あ、ほら。安定期に入ったから優しくするなら大丈夫かなって‥‥‥。でもローズちゃん、サラちゃん居るから大丈夫よね、ハハハ‥‥‥」


「わかった、優しくするよ。こっちにおいで‥‥‥」

 きっと今日のナタリーはこういう気分なのだろう。

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