凱旋


 アマゾネスの村で大歓声が上がる。

 泣き出す人もいた。

 無理もない。今日は村が双頭竜から解放されたのだから‥‥‥。


「ネロ殿、本当にありがとう! こんなに嬉しい事はないぞ!」

「まぁ、悪さしてるモンスターは討伐した方がいいよね」


 祝いの席は準備万端出来上がっていた。

 昨日のうちから準備しておいたのかも。


「村を挙げてのお祝いだ。さぁ、舞台に立って挨拶をしてくれ」

「やめてくれ。マジでそう言うの要らないから」


 なんでモンスター倒してきたのに、罰ゲーム受けなきゃいけないんだよ。



「報酬の件も後で打ち合わせしよう」

「ドラゴン素材が手に入ったから、別にいらないよ」


 猫二人はめちゃくちゃ飲み食いしまくってる。

「ネロ、この肉美味いニャー」

「この酒も美味いよ、旦那!」


 お前らは順応力高すぎなんだよ!

 まったく‥‥‥



「ネロ様、褒美としてアマゾネスの族長を持ち帰るのかや?」

 何の話をしてんだ! 

 持ち帰るかあ!



「アタシはそれでも良いよ‥‥‥」

 顔を赤くして背けて、モジモジしながら‥‥‥


 キュンッ!!!! 


 いやいや、ないから。

 確かにギャップが凄かったけど、ないからね⁉︎



 言われてみると、アマゾネス達の視線が討伐前と違う気がする‥‥‥。

 何というか獲物を狙う様な。

 長居は禁物だな。


 三人にこっそり伝えて、ジャンヌにだけは断って帰ろう。


「な‥‥‥、ネロ殿。アタシらは恩を全然返せてない! せめて一晩‥‥‥」

とそこまで言って、ジャンヌは真っ赤になってしまった。

 きっとそういう事なんだろうな。


 いや、美人だし何もなければ「ハイっ喜んで!」ってところだけど‥‥‥。

 これ以上増えても困るし‥‥‥。


「旦那、良いんじゃないか?」

「シャル達も黙認してるニャ。コレも人助けニャ」

「順番でいうと妾の方が先なんじゃが‥‥‥、一晩だけというのなら譲っても良いかの」


「ネロ殿ぉ~‥‥‥」

「わかった、それじゃそういう事で良いんだな?」


「あ、アタシそういうの初めてだから‥‥‥手加減してくれよ‥‥‥」

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