遺跡ダンジョン


「ネロ、本気で言ってるニャ?」

「? 何がだ? 遺跡ダンジョン行く事か?」


「そうだぜ、旦那。あのダンジョン知らねーのか?」

「え? そんな変わったダンジョンなのか?」


「遺跡ダンジョンは、別名『魔術師殺し』ニャ」


 ⁉︎ 何だ、それ? 魔術師殺し?


「どういう事だ? 魔法が使えないのか?」


「最初は使えるらしいんだが、階を増す毎に魔力の負担が増えていくらしいぜ。ミスリルゴーレムのいる階まで魔力が保った奴なんか居ねーさ。だいたい途中の階で魔術師は帰っちまうよ」


 ふむ、という事は要するにMPがたくさん有れば問題ないのか? 

 行ってみて確かめてみよう。


「うん、どちらにせよミスリルは必要だ。ついて来てくれないか?」

「行くニャ、でもネロが心配ニャ」

「あちしも行くぜ、ダメなら引き返せばいいしな」



「ありがとう、二人とも」

と言って尻尾をもふもふする。


「「ニャア~」」



 ダンジョンに二、三日出かけると言って出てきた。

 シャルが「ワタシも連れてけー!」と騒いでいた。どうしても騒ぐのでキスして口を塞いでやったら、黙った。


「待っててくれるか? 悪いようにはしないから」

「‥‥‥(コクン)」


「私も騒いだらキスしてくれる?」

「キスするから黙ってて、マリア」


「私も良いですか?」

「はい、ナタリー。待っててね」

「はい。私、待つのは慣れてますから」


 とりあえず三人に順にキスして出てきた。


「うちらは後でいいニャ」

「あちし達もちゃんとしてくれよな」

「はいはい」



 遺跡ダンジョンに到着。確かに入る前から魔力を吸われている気がする。成る程、これは特殊だな。

 普通の戦士タイプの冒険者もこれにより、MPが減って身体強化が使えなくなるんだろうな。魔術師なら尚更だろう。

 ここならマジックポーションがバカ売れしそうだな、エリクサーまでは流石に出せないが。


 とりあえず二人にもマジックポーションを数本渡しておく、必要に応じて身体強化も使ってもらおう。


 どれ、じゃあ入ってみるか。

好奇心から試してみたいことがある。

ダンジョンの許容量を超えて魔力を吸わせたらどうなるのかなー?

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