エリクサー


「ネロよ、良いのか?」

「私の作ったものにはなりますが、お試しいただけたら、と」


「だ‥‥‥誰かおらぬか!? 至急この薬を試すぞ、霊薬じゃ!!」


 王妃様の寝室へ来た。シャルもいた。コレからエリクサーを試すみたいだ。

 シャルに説明した、驚いてはいたが王妃様のほうを振り返って


「お母様、コチラは水神の作った霊薬です。お試し下さい」

「余が飲ませよう」


 陛下が瓶から薬匙に移すと、王妃様が少しだけ飲んだ、すると身体が輝きだし、少し顔艶が良くなった。


「急いでもいけません、ゆっくり飲ませてください」


 ゆっくり時間をかけて飲ませて、終わったようだ。


「アナタがネロくん? シャルからよく聞いているわ。ありがとう、アナタの薬は効くのね。身体が入れ替わったみたいに楽だわ」

「王妃陛下、薬が効いたなら何よりです」


 泣きながらシャルが抱きついてきた。

「ネロ‥‥‥ありがとう‥‥‥」

「シャル、お義母さん良くなってよかったね」



「ネロよ、本当にありがとう、この恩にどう報いれば良いかわからぬ」

「陛下、薬が効いて良かったです、俺の作った薬を信じてくれてありがとうございました」



 エリクサーが作れるというのはものすごい事だ、なんせMPが全回復するのだ。実質無限のMPがあるのと同じことだ。

 ただ売ったり配ったりは極力控えよう。ファンタジーの定番、最高の回復薬エリクサーが作れると知られたらマズイだろうし。

 捕まってエリクサーをひたすら作らされる、場合によっては家族を人質に取られたりするかもしれない。そんな人生は嫌だ。

 試しにもう一個作ろうとしたら、出来なかった。一日、もしくは何日かのクールタイムが必要なのかも知れない。




 数日経ってシャルが我が家に戻ってきた、王妃様はすっかり元気になったそうだ。本当に良かった。


 Aランクになったので次の目標はSランクだ、ダンジョン制覇とかすれば良いのかな?最高ランクだから簡単には上がれないんだろうな。


 ダンジョン制覇するとなれば、俺以外の装備が少し心許ないかなぁ?

 ドラゴン素材も有るしオーダーメイドしてもいいかもな。そうすると一流以上の鍛治師を探さなきゃならないな。

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