トレーニング


 このところは同じ事を繰り返している。以前は朝起きて井戸で水汲みをしていたが俺の魔法ですぐに水瓶を満タンに出来る。今はウォーターボール10個くらいだな。


 水汲みが終われば朝食だ、ママンのご飯は美味しい。残さず食べる、前世のご飯が恋しい時もあるが現在のところは仕方ない。


 朝食が終わって晴れならば狩りの時間だ。ママンの弁当を持ってダッシュ。ソロ狩りもピーター兄さんの口添えがありママンの許可が出た。

 ゲオルグは割と放任主義だ、他人に迷惑をかけなければ自由にして良いと言われている。


 平原のモンスター狩りは飽きてきたので今は森がブームだ。以前検討していたミストサーチに鑑定を取り込む事に成功したので察知したらいきなり敵のステータスや弱点まで把握出来るようになっている。

 ただ大抵の場合ウォーターバレットかレーザーで眉間、首、心臓に当てて瞬殺だ。水の触手、名付けて「水の手」で魔石やドロップ品を拾い上げる。


 そして最近は無詠唱で魔法が使えるようになっている。正直言って精神的には50歳の俺が魔法名をいちいち叫ぶのはきつかったのだ。ソロの場合は無詠唱の方が狩りの効率も良くなるし。

 

 だいたいMP①が二割付近で狩りを切り上げる。いつも昼を少し過ぎたくらいになる。


 今度は街に戻って魔道具屋に行く。魔石を売って金にする、こんなに毎日持ってきて大丈夫なのか聞いたらかなりの儲けになっているらしくツンデレ主人のフレッドはかなり態度が軟化している、口調は相変わらず丁寧ではないが。まぁ俺外見は12歳だしな。


「おう、ボウズ。今日も買取か?」

「うん、よろしく大将」

 いつも通り挨拶して魔石を出す。以前は極小が多かったのが今は小が一番多い。森の中はフォレストウルフやフォレストディアーが出てくる。基本的に身体の大きいモンスターの方が強いし魔石もデカイ。


「今日もよく稼いだな。ホレ」

「あんがと、大将」

 今日のアガリは4600Cだ。半日で約46000円と考えたら前世の収入を遥かに超える。

 素晴らしやエウロパ!!

 ありがとう水神様!!


 夕方近くなったら夕飯の準備を手伝う。ママンにアガリの半分を渡す。狩りに行ってアガリが出たら半分家に入れるルールだ、全部渡そうとしたのだが半分で残りは自分のために使うようゲオルグに言われてしまった。

 12歳がそんな大金を持っていても良いのかわからないが学校に行くようになるとお金もかかるし小遣いとかも考えたらこれでいいのかもしれないな。当主の判断なのでそのまま流されるとしよう。


 夕飯を食べたらお勉強だ。明るいうちに勉強した方が光熱費やらでいいのかもしれないが狩りによるトレーニングの方が重要なのでこうしている。雨の日は日中勉強しているしな。

 水神様がインストールしてくれたので読み書きは大丈夫だ。試験科目は読み書き、算術、魔法理論、体育という感じらしい。

 読み書きは文章が書ければ読めれば、算術は四則計算が出来れば免除になり、魔法理論と体育がその分増えるらしい。 なので俺はもっぱら魔法理論ばっかり自習している。わからないところは首席のピーター兄に聞けば丁寧に教えてくれる。

 

 自習時間が終われば魔力訓練をしてお休みなさいだ。ポーションを作る作る。MP①が減ってきたらMP②で「身体強化」を使いまくる。すると魔力切れで倒れるように眠れる、というわけだ。最近は魔力切れで怠さを感じることもないし翌朝にはスッキリ起きられる、魔力も増えるしいい事尽くめだ。


 こんな感じで毎日を過ごして王都学院の試験が近づいてきたのでステータスを確認してみた。

 

 ネロ•ヴァッサー 12歳

HP 370/370

MP① 15885/15885

MP② 1015/1015

腕力  7

器用  15

素早さ 22

体力  12

魔力  28

魅力  19


水魔法LV5

水神の祝福


ヤベェ、やり過ぎたか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る