聖女の1人として転生したのですが、保有スキルがループってどういう事ですか
ただのうさぎ
聖女召喚
「おぉ。聖女様が二人も!」
湧き上がる人々と、上がる拍手の音に
まだ、ついて行けずにいた。
「私が、聖女?」
嬉しそうに笑う隣の女性
この子の転落事故に巻き込まれ、私は死んだ。
大方、屋上で同僚とでも揉めていたのだろう。
それで小春が
下の歩道を歩いていた私の上に降ってきた。
恐らく二人共死んでいる。
「聖女様方、どうぞこちらへ」
丸い水晶の様な物を渡され
手をかざす様に言われた。
手をかざすと、水晶の中に数字が映し出された。
「999って…」
そう言うと、国王らしき人物は驚いた顔をした。
「それは魔力量じゃ。隣の聖女様は少ないようじゃが…」
手首にも同じ数字が書いてある。
小春の方を見ると、私の事を睨み付けていた。
「なんで私がアンタより下なのよ」
それは私が知りたいよ。
小春は、こういう人物だった。
今まですっかり忘れていたが
思い出した。
自分が一番可愛いと思っていて
一番優れていると思っている。
何に関しても、恐らくはそう思っているのだろう。
「国王陛下、聖女様はお一人の筈では?」
そう言って、白銀の髪の人が言った。
国王様はヒゲをイジりながら
考え込んでしまったが
小春の行動は早かった。
白銀の髪の人を捕まえ、話し始めた。
「多分、私だと思います!」
私は、そんな小春を横目に
黒のローブを来た人達に連れられ
綺麗な部屋に入った。
「もう少し細かい能力を測りたいのですが
よろしいでしょうか」
私を連れて来た人達はローブを取った。
凄いイケメン達ばかり。
「では、この羊皮紙に血を」
小さいナイフを渡され、先を小指にプスリと刺した。
紙に血を垂らすと、血が紙を走った。
「読み上げて頂けますか?」
血文字は日本語で書かれていて
こちらの世界の人達には読めないようだった。
ステータス
酒井奏
称号 聖女 神の愛し子
スキル ループ 鑑定 自動回復
魔力量 999
「紙には、そう書いてあります」
小指の血をタオルで拭き、そう伝えると
ガッと手を掴まれた。
「聖女様、なのですね?」
ルーク・ロビンと名乗った彼は
私の事を見つめた。
「た、多分」
ローブを着ている三人は、ルークさんと一緒に
部屋の外へ出て行ってしまった。
「ループって、どういう事なんだろう」
まだ、この世界に来たばかり。
小春と一緒にいた白銀の髪の人の事が少し心配で
部屋を出て外を覗いてみた。
小春はまだ絡んでいるようで
周りの人達が呆れた顔をしていた。
「小春、ちょっと来て」
通された客室に、小春を連れて入った。
さっきの人
小春が、本当にごめんなさい。
申し訳無さにペコペコ頭を下げながら
ドアを閉めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます