§ 1ー4 黄昏時の殺戮
夕日に染まったその光景には目を疑う異様さが満ちていた。
それは神殿から少し離れた岩陰にふいに現れた。
黒い2本の角が生えた牛の頭部を持つ、下半身に薄汚れた布を巻いた2mはあろう
嘘だ! あんなものが存在するわけがない!
より一層の悲鳴が上がり、数人は立ち上がりあてどなく走り逃げていく。だが、それは一部で、多くの者はその場で震えて
恐怖に全身を
そこからは、ただの殺戮(さつりく)ショーだった。ショートカットの女学生は、
その様子を直視していたため気づかなかった。違う方向からも悲鳴が聞こえる。いくつもの方角から叫び声があがる。奴は1体ではない。目視で確認できるだけでも7体はいる。どれだけの人を殺すつもりなんだ。
ふいに神殿の角から姿を現した8体目と目が合う。立って刀を持つおれが物珍しかったのだろう。ゆっくり、にやりと口元を
おれは刀を両手で持ち、反射的に構える。
何も分からず、理不尽に殺されることへ無意識に抵抗したのだろう。
全てを忘れて、自ら命を絶った蓮の目に光が微かに
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