魔王のこ
バブみ道日丿宮組
お題:刹那の魔王 制限時間:15分
魔王のこ
「魔王様、魔王様。本当に優しいのは誰だと思います。私ですか、このこですか。またまた見知らぬ配下ですか」
「うーん。君ら姉妹じゃないか? 一番近くにいるからのぅ」
「どちらかと聞いてるんです。刹那の速さで答えてください!」
「いうて、わしでもどっちかわからんのじゃが」
「リボンの色で判断してください!」
「若干嘘ついてた。大丈夫。わかってるのじゃ。好きな体位も、気持ちよく感じる位置も異なってるしのう。わかっとるわかっとる」
「そんなところに違いが!? ではなくて!」
「なんじゃ? 大事なことだと思うんじゃが」
「確かにえっちするときに、気持ちいいところをせめてくれるのはとてもいいです。いつも絶頂させて頂いております。ですが、今回はそういうことではなく、優しい方を選んでほしいのです」
「優しさは数値で表せないんじゃが。君ら双子はやることに違いはないからのう」
「しようと思ったときには、やってたりしますからね。逆もしかりです」
「なら、いいんじゃないかの。二人が優しい女性ということでここは……」
「今回はダメです! だって、このこ喋らないじゃないですか!」
「そうよな。妹はほとんど口を挟まない。だいたいいつも姉がわんわん吠えておる」
「そうでしょ! そうなんです! だからこそ、もっと自分が出てくるように選んでほしいのです」
「妹を選べば、そら妹は喜ぶであろう。だからといって、そういう目的で一番をあげるのは違う気がするのじゃ。それに姉を選んだとしても、妹は悔しさを感じぬと思うのだ」
「そうでしょうか?」
「ほれ見ろ。頷いてるではないか」
「うーん……そうなんですかね。愛があれば変わると思ってたんですが」
「愛にも叶わぬことはあるさ。それよりもお腹の子を大事にするのが良い。もう3ヶ月。お腹も少し大きくなった」
「魔王様のこですよ」
「わかっとる。いうてもわしにとっては20人目の子どもじゃけんのう」
「妹と同じ日に発覚したときは嬉しかったですが……」
「双子から産まれる子どもがどんなふうになるのか楽しみではある。元気なこであれば、もっとよい」
「はい」
「ほれ、幸せそうにしとるんじゃから、優しいの一番とか考えることはない」
「……わかりました」
「今日も優しくしてやるからの」
「た、楽しみです!」
魔王のこ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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