第16話 彼女の笑顔
七海ちゃんが苦しんだり、恐怖にとらわれることがないように、下ネタを混ぜながら笑顔を見せてもらうようにしている。
女性が、知らない男に馬乗りになって、襲われるということは恐怖でしかない。
今でも七海ちゃんは俺と学校にいく以外は怖いと言って外出はできない。
他に外出できるのは、お母さんと買い物を行くときだそうだ。
人が襲われた恐怖というのは、他人には理解できることはない。
理解できていない奴ほど、簡単にできているように振舞って聞き出そうとする。
それも自分の欲望のために。
興味本位という言葉は使いようによっては良い意味でとらえられるけど、本当は欲望を満たすことだけしか考えてない。
でも俺は、実際に七海ちゃんが襲われている現場にいた。
七海ちゃんに馬乗りになっている男を見つけて、すごい速さで走ることができて、飛び掛かったから、男と一緒に転がりながら、七海ちゃんから引き離した。
ほんとうに俺は飛んでいる感覚で男に飛び掛かった。
男と俺は転がり、男は俺の勢いが強すぎて、慌てたと思う。
そして殴り合った。
もし俺と男が立って対峙することになれば、所持していたというナイフを出していただろう。
そうしたら刺されていた可能性もある。
俺か、七海ちゃんが。
すぐに七海ちゃんのお父さんが、俺をつけて駆けつけてくれたことが幸いした。
その理由は、男の方が俺より、強かったからだ。
俺は弱い
最近は、やっと俺も鍛えだした。
そして勉強も頑張りだした。
その理由は、七海ちゃんと一緒にいたいから。
七海ちゃんを守りたいから。
今、俺たち2人は、週末に海にいき、初デートを済ませて、学校にいく途中だ。
人が少ない時は、手をつないで登校しているが、多くなると、どうしても、手を放してしまう。
まぁ高校生だから、冷やかしもあるけど、七海ちゃんは可愛い系に美人だし、スタイルも良く、バストも大きいから人気がある。
いつも交際の手紙をもらうことも多いので、害虫よけの意味もあり、俺が、いつもそばにいる。
七海ちゃんは中学生の女の子にも人気があり、お姉さまって呼んでいいですか?とか言われることもある。
高校の上級生の女の子からも手紙をもらうこともある。
七海ちゃんは、知らない人が見たら、お姉ちゃんタイプ、姉貴タイプなんだよね。
でも、実際には、そうではないんだけど。
俺が、知っている七海ちゃんは、髪が長くて腰のあたりまであって、優しいし、美人だし、可愛いし、透き通るような声をしている。
もちろん手紙をもらっても、その場で断っているし、一番、厄介なのが下駄箱に手紙を入れてくる奴だ。
だから最近、靴を入れるときに、七海ちゃんは、紙を置くようにしている。
付き合っている人がいますので、ごめんなさい。と書いてある。
そうすると手紙の数が減ったそうだ。
俺たちは学校でも2人でいることが多いので、公認みたいに思われている。
ほとんど、暇があれば、俺は七海ちゃんを探しているし、七海ちゃんも俺のことを見つけてくれる。
居場所が、わからなければラインが、すぐにくる。
今日が学校が早く終わったので、七海ちゃんの家に寄っている。
七海ちゃんが着替えに2階にあがったあと、おばちゃんから、北海道に転向になった時の話をしてくれた。
主人の仕事の都合で、期限限定で転向したそうだけど、しばらく七海ちゃんが情緒不安になったそうだ。
その時の理由は、大好きな俺と会えないからだと。
そして高校に入学の機会に、こちらに帰ってきて、すぐに、俺の家に行ったそうだ。
でも、俺と会えることはなく、家だけ確認して帰って来たと。
それを数回、繰り返したそうだが、会えるチャンスがなく、泣くこともあったそうだ。
呼び鈴を押すのが、できなかったと言っていったそうだ。
そんな時、部活で、会うことができたもんだから、帰ってきたときは、それは、もう、すごく嬉しそうに話してくれたそうだ。
おばちゃんも、娘が嬉しそうに話すことを聞いて、自分の事のように喜んだそうだ。
そんなに好きなら悠人君と結婚したら、と言ったそうだが、でも、悠くん、付き合っている人がいるかもと言って悲しい顔をしたそうだ。
うつ向いてしまう娘に「あなたなら大丈夫だから」と言ったら涙を流したそうだ。
冗談交じりに、「そんな時は、あなたの胸で悩殺しなさい」とまで言ったそうだ。
それを聞いて俺は、まだまだ七海ちゃんのために、努力しないといけないと思った。
そこに七海ちゃんが着替えて降りてきた。
七海ちゃん「お母さんと、何を話していたの?」
お母さん「悠くん内緒の話をしていたのよ、おほほ」
七海ちゃん「なんだか、意味深ね」
お母さん「そうよ、七海から、悠くんを取ろうかと思って、こんな良い男の子いないわ」
七海ちゃん「だめよ、お母さん。悠くんは私のものだからね」
そして七海ちゃんは、座っている俺を抱きしめた。
俺の顔の七海ちゃんの胸が当たって、俺の方が顔が赤くなる。
七海ちゃんの胸、柔らかくて暖かくて、気持ちが良くて、いい匂いもする
本当に心安らぐ……
その時間が長かったため、俺が青い顔をした
「七海、悠くん、死にそうになっているわよ」
七海ちゃんが俺から離れて、「悠くん、大丈夫??」
「…ちょっと死にそうになっていた」
「うわーごめんね、悠くん」
「七海ちゃんの胸の感触が最高で、あまりに至福の感触だったので、天国にいく所でした」
「なによ、そういう意味なの? もう心配して損した」
そして3人で笑いあった。
そして2階にある七海ちゃんの部屋にきた。
今日は七海ちゃんに勉強を教えてもらうのが目的だ。
七海ちゃんは学校でトップクラスの成績なので、勉強を教えてもらう。
七海ちゃんは制服から、上はTシャツ、下はヒラヒラのミニスカートをはいている。
二人で、ベットの前にあるテーブルに座ってノートと教科書を広げていく。
俺も成績を上げるために、一生懸命、勉強したけど、わからない所は七海ちゃんに聞いて、理解していく。
自分で考えてわからない所をきくことにする。
しばらくは、会話がない状態が続く
…
………
……………
七海ちゃん、ここ教えて、
あっ、これはね、この公式を当てはめるんだよ。
あっそうか。
……………
そのとき、俺の消しゴムが、テーブルの下に転がった。
俺は、転がった消しゴムを探すために、テーブルの下をのぞき込む。
当然だが、そこには七海ちゃんの足があった。
今は七海ちゃんも足を崩して女の子座りをしている。
そうすると足と足の間に目が行った。
そうなのだ、今日はミニスカートを履いているので、見えるものがある。
消しゴムを見つけて取りながら、「え~と、七海ちゃん、見えるものがあるんですが」と俺が言うと
「ん~何が見えるの?」とノートから目を離さず答える。
「見えるのは、七海ちゃんの白いパンツです」
そこで俺が、テーブルにの下を覗いていることに気が付いて、すぐに手で隠されてしまった。
俺が顔を上げると、七海ちゃんは顔を真っ赤にしていた。
「イヤーちょうど消しゴムが落ちたもので…、下をのぞいたら見えちゃった」
「もう、悠くんのエッチ……… そんなもの見ていないで、ほらほら、勉強しないと」
「俺にとっては、そんなものじゃないよ、七海ちゃん、俺、ほんとうは、学校で会うまで七海ちゃんのことを忘れていた。ごめん」
「……そ、う、なんだ…」七海ちゃんの顔が暗くなってしまった。
「でも、俺、今は七海ちゃんのことを考えてない日なんてないんだ…」
「……」七海ちゃんが顔を上げた
「いつも七海ちゃんが、なにをしているか、気になっているんだ」
「……」七海ちゃんの顔が明るくなる
「俺と別れたあと、七海ちゃんが勉強しているのか、食事しているのか、お風呂に入っているのか、寝ている時は、どんな寝相で寝ているのか、パジャマは、どんなものか着ているのか、下着は、ヒモパンツなのか、とても気になるんだ」
「…少し余計なものが、混じっているけど…」七海ちゃんの顔は、笑っている。
「今は、こんなに好きな七海ちゃんが、ここにいる、なんて素晴らしいことなんだと思う」
「だから、こんな俺だけど、将来、けっ……」
俺は、それ以上言うことができなかった。
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