第2話  彼女の事ばかり

俺は次の日には、目覚まし時計が鳴る前に目が覚ますことができた。


いつもは目覚まし時計が鳴っても、ダラダラして、すぐには布団から出られない


のに、今日は、どうしてか、わからないけど目覚まし時計が鳴る前に目を開けることができた。


今までとは違って、俺自身も驚くくらい、すっごく珍しいことだ。


これほど、朝から、ぱっと目が開いたのは久しぶりだ。

俺は、すぐに布団から出て、制服を着た。


そして朝食を食べに下に降りていった。


俺が母親から、声がかかることなく、何も言われないで起きてきたので、みんなびっくりしていた。


「ど、どうしたの、今日は何も言ってないのに起きてきて」


「たまには、こんな日もあるよ」


そして妹が食べ終わるよりも早く、俺は食べ終えて家を出てきた。


今日の俺はなんだか、いつもと違う。


昨日、学校の前で彼女が出てきた道路の角で、友達を待つふりをして彼女が待つことにした。


少し早めに出てきたので、まだ生徒は少ない。


先生が車で通りかかって、俺に声をかけた。


「どうしたんだ、こんなに早くから」


「あ、先生おはようございます、友達と待ち合わせしてるんで…」


「そうか、学校に遅れるなよ」


「はい、分りました」


先生は車で去っていった。


徐々に生徒が多くなってきたが、まだ彼女は来ない。


今日は休みなのかなと思っていると、彼女が来た。


俺は時計を見て彼女が来る時間を確認した。


多分だけど、毎日同じ時間に来ると思う。


彼女が通り過ぎていったので、俺も彼女のあとを追った。


しかし好きな子ができたくらいで、俺がこんなに変わるなんて、自分でもびっくりしている。


すごいんだなと自分でも感心する。


彼女のあとを俺は、歩いている。


あまり近づかないように歩幅を合わせて。


今日も彼女は、颯爽と歩く。


その時間が俺にとっての幸せな時間だ。


そんな彼女を見ながら歩いていると、もう学校に着いてしまった。


今日は合同授業がないので、彼女に会うことはできない。


しかし彼女でもない人を待っているなんて、ストーカーしているみたいだ。


しばらく彼女のことを考えないようにしよう。


あっ、そういえばタケシが天文部の部活に出るように言っていたが、考えないためにも、一度だけ天文部に出席しようと思った。


「おい、タケシ、今日、部活に出てみるよ」


「おっ、珍しいじゃん」


「今日は一緒に行こうぜ」


「わかった、じゃあ今から行こうぜ」


そしてタケシと2人で部活に向かう。


しばらく廊下を歩いて天文部と書いてあるプレートが下がっている。


その扉を開けると、数人の生徒がいて、部長らしき女子生徒に、タケシは、紹介してくれた。


ほぼ全員が女性で、タケシと俺だけが男性と言う事だ。


そしてあともう1人女性がいると言うこと。


俺は、天文部と言う事は初めてなので、何をしたらいいかわからなかったので部長から本を渡された。


「まずは、この本を読んで星に詳しくなってくれる」部長に言われたので、しばらくは本を読んでいた。


自分でも改めて思うくらい星座の知識は全然なくて、星と星をつなげて、いろいろな名前があることを初めて知った。


「へー、きりん座なんてあるんだ」つい口に出してしまった。


そこに部室のドアをあけて、入ってきた女生徒がいた。


俺は本から目を離して、その女生徒を見ると、なんと、あの彼女だった。


「……!」

彼女は、俺に気が付いたみたいで、俺の方に真っすぐに歩いてきた。


なんだ…??


「君、名前は?」と彼女が言ってきたので、俺は「羽沢悠人です」と俺は聞かれたので、しどろもどろしながら答えた。


すると彼女が少し微笑んだ。


彼女が「あなた、私のこと覚えてない?」


「……」俺と彼女があったことがあるのか?


俺の方をじーっと見ている。


なんだ???


「いえ……」


「私はね、愛澤七海」と答えてくれた。


彼女は、「ねぇ、君、隣のクラスだよね」


「はい、合同授業で愛澤さんのことを知っています」と言わなくても言いことを言ってしまった。


彼女は、ふふ、と笑われてしまった。


彼女が笑う笑顔を見ていると、俺の顔も緩んでくる。


そんな彼女、俺の彼女になってくれたらなぁ


「ねぇ悠くんって呼んでいい?、私のことも七海でいいから」


理想だと思っている彼女から名前で呼んでもらえるなんて、どう答えたらいいかわからず「ハイ」としか言えなかった。


「あの、七海さんは、星のことに詳しいんですか?」と俺が聞いたら、「うん、昔からね」


「ところで、悠くん、ちょっと聞きたいんだけど」

「はい、何でも」


「ちょっとその前に、もう少し緊張しないで、しゃべってよ」と彼女に言われてしまった。


「ごめん、あんまり女の子としゃべったことないんだ」


「ふ〜ん、そうなんだ」


俺はできるだけ普通に喋ることを努力して「聞きたいことってなに?」


「えーっと、ねー以前、私この辺に住んでいたんだ」


「えっそうなの」


「実はその時、よく遊んでいた男の子がいたんだよね」


俺は、胸が高鳴った。


「確か、その男の子も悠くんて言うんだよ、小さかったから漢字は知らないけど」


俺はやっぱりかと思った。


「もしかして、ななみちゃん?」俺はとぼけるようにして言った。


「あー、やっぱりか〜、久しぶりだね、悠くん」


「えっ、でも七海ちゃんは……、もっと色黒で……」


「それが…、私なの…」顔を赤くしながら答えてくれる。


俺は半信半疑だったけど…


「本当に久しぶり、ななみちゃん…」


「あ~まだ、思い出してないでしょ、悠くん」


「うん、まだ… だって七海ちゃん、昔とあまりに違いすぎるよ」


「そう……、自分じゃ、変わりないと思うけど」


「そういえば、家は前と同じ家に住んでいるの?」


「うん、そうだよ。変わっていないよ」


「そういえば妹のひなちゃんと、琴音お姉ちゃんも元気?」


「もちろん、家にいるよ、陽菜は中学生で、姉ちゃんは大学生だよ」


「あ〜、懐かしいなぁ」


「ねぇ、今度の休みに家に行ってもいい?」


「うん、もちろんだよ、妹もお姉ちゃんも喜ぶよ」


「昔はよく悠くんの家に行って、4人で遊んだね」


「そうだね、懐かしいなぁ」


「ほんとに懐かしいね」


「でも、七海ちゃん、以前と随分、変わって美人になったから、すぐにわかるかな?」


「なに、言ってんの悠くん、やだ、もうからかわないでよ」


そこで部長が、天文部の会議を始めますと言ったので、残念ながら話が終わってしまったが。


部活が終わったあと、ななみちゃんと途中まで一緒に帰ることになった。


2人で学校の校門から出て歩いていると

「あ〜でも悠くんと会えるなんて久しぶりだなぁ」


昔を懐かしむような顔をしている。


「ななみちゃんこそ、本当に可愛くなったね」


「そんな恥ずかしいこと言わないでよ」


「いやー、ほんとだよ」


「昔、一緒に遊んだ頃は、おてんばさんだったね」

「それは昔の話だから、もうやめて」


本当に昔は木に登ったり、川で魚釣りをしたり、いろいろなことをして遊んだ。


俺も昔が懐かしい。



ちょうど別れ際のところで、ガードレールに腰掛けて男が1人待っている。


七海ちゃんは、その男の顔を見て、嫌そうな顔をした。


俺たちがその男に近くなると、男は「おい、ななみ」と言った。


ななみちゃんの知り合いか?


そうしたら急に男が、七海ちゃんの手を引っ張って強引に連れて行こうとした。


「やめてよ」と七海ちゃんは言ったが、聞く耳を持っていない感じだ。


幼なじみが手を引っ張られているので俺は気になって、「嫌がってるじゃないか」と俺は勇気を振り絞った。


しかし男は「お前には関係ない」


と言って尚も手を引っ張ろうとした。


そこで俺は「やめろよ」と言って引っ張ろうとした手を振り解いた。


それに逆上した男が、俺を殴ってきた。


急に俺に殴りかかってきた男に俺は対処ができずに、道路に倒れた。


そこに人が集まってきた。


男は逃げていた。


ななみちゃんは倒れた俺を起こしてくれた。


「ごめんなさい、大丈夫」


「そうだよ、こんなの」と俺は強がった。


本当は痛かったけど。


「本当にごめんなさいね、顔にアザができているわ」と言ってハンカチを出して顔に当ててくれた。


俺はななみちゃんの匂いがするハンカチと思いながら、アザができているところに当てた。


「本当にごめんなさい、以前あの人に交際を申し込まれたんだけど、断ったんだけど、しつこくて」


「そうなんだ」


彼女はなんだか、もじもじしながら「今度、相談にも乗ってくれる?」と聞いてきたので、もちろんだよと言っておいた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


お読みくださりありがとうございます。


ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。


大変、励みになっています。


誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。

また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。



これから、どんどん面白くなりますのでよろしくお願いします

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