AIのべりすと怪文書集
NkY
仔犬が溢れる電車
わたしが電車に乗ろうとすると、電車の中から溢れんばかりの仔犬がこちらを覗いてるのが見えました。
「どうしたんでしょうね」
そう言うと、駅員さんはちょっと笑って、こう言いました。
「たぶん、お母さんを待ってるんですよ」
そして次の日、また同じ時間に電車に乗ると、駅員さんが仔犬になっていました。
「……これは何でしょう?」
わたしは駅員さんの胸元を見ながら訊きます。すると駅員さんは、照れくさそうな顔をして答えてくれました。
「実は私も昨日から、急に犬になってしまったんです。昨日の夕方からずっとここで待ってて、やっと飼い主の方が来たと思ったら、いつの間にか犬になってしまいました……」
あぁ……。
駅のホームで一人寂しく待っている姿を思い浮かべたら、なんだか可哀想になりました。わたしはその駅員さんを励まそうとしました。
「あのー、大丈夫ですよ!きっとすぐに戻りますよ!」
しかし駅員さんは首を横に振ります。
「それは有り得ません。私はずっと、この駅で働き続けて来ましたけど、こんなことは初めてですし、それに今日一日分の給料が無いままですから」
………………。……え?
駅員さんの言葉に驚きながらも、わたしはこの奇妙な現象に興味が出て来て、質問することにしました。
「じゃあもし明日になっても戻らなかったら、その後どうするんですか?」
「とりあえず実家に帰るつもりです」
……なるほど。
それで帰り際まで仔犬たちがいたのかと思いながら、ふと気になった事がありました。
「それなら今朝ここに来る前、駅前のペットショップで売れ残っちゃった子たちはこの電車に殺到したんですかねぇ」
「さぁ、そこまでは分かりかねますが……。でもその可能性はあると思いますよ?」
……なるほどなぁ。
そんなことを話している間に次の駅に到着してしまいました。そこで扉が閉まり始め、それと同時に駅員さんの姿も見えなくなってしまいました。
扉が完全に閉まった時、私は重大な事実に気付きました。……あれっ!?……これってつまり、この電車は動物を運ぶためのものなのか!! なんて恐ろしい乗り物なんだろうと思っていると、車掌室の方から声が聞こえてきました。
「すみませ~ん!忘れ物したので開けてもらえますか~!!」
わたしはその声の主に向かって何となく爆弾を投げつけました。
「おやめなさいッ!!!」
ドカーン!!! すると向こう側で爆発が起こり、ドアが開かれました。……結局、先程の駅員さんは家に帰れたんでしょうか。いやそもそも家に帰れたとして、飼い犬に戻ったという保証も無いのですよね。
色々考えさせられつつ、爆発オチって怖ぇ~と思いながら、わたしは次の駅で降りることにしました。
次の日になると、昨日まで人間だった人たちはみんな動物に戻っていました。犬だけでなく猫やうさぎといった小動物の人もいたようなので、やはりみんなどこかの家に飼われているようでした。
もちろんわたしも犬になっていましたが、特に気にすることなく爆弾を投げつけました。
「おやめなさいッ!!」
ドガーン!!! こうして世の中は平和になりました。めでたしめでたし。
完
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