第十五話 トクさん…新体制?!
実は一年経って僕は親衛隊の総長になった。(総長って……ヤンキーかよ)キンちゃんにいきなり引っ張られて急遽親衛隊として駆り出されてヲタ芸を初めて踊ったが、その時の思い切りの良さを買われた。
総長となったが、その言われ方があまり好きじゃなかったから、トクさんと呼んでもらうことに。(普通だよな)
あまり乗り気ではなかったが、目立つし美玲ちゃんに覚えてもらうにも手っ取り早いし、何せ一生懸命踊れば美玲ちゃんに喜んでもらえる。
そしてなんならと、親衛隊ルールを作った。
一、マナーを守る
一、匂い対策万全に、だからと言って匂いのきつい柔軟剤や香水の匂いはきついのはダメ。
一、清潔感大事。風呂かシャワーに毎日入れ。髭は生やすならおしゃれに整える。できなのなら剃れ!
一、他イベントのときは出番まではできるだけ後ろに行く
一、女子供、(親子)身長の低い人、車椅子など優先的に
一、何か運営で不満があったら親衛隊で話し合い、まとめて、運営に直訴しにいく。
他にもあるが、あれやこれや考えてたら色々気になるところはある。人数も増えてきたしまぁいいだろう。
運営やプロデューサーにも顔が割れてて、キンちゃんと一緒にいろいろ意見を言いに行く。
他のファングループもいるようだが、マナーが悪いところもあるからなぁ。
運営がルールをしっかり作ってくれれば助かるんだが、それが甘かったから葉月ちゃんはストーカーに悩み辞めてしまった。
ストーカー事件が起きた後からメンバーへのプレゼントの規制や、ファンレターもメンバーは返事を書いてたものの、それも禁止になった。くそ、ストーカー野郎。
でもファンも増えてきたし、負担を減らすためでもあるのかな。あくまでも大野ちゃん以外は事務所に入ってない。そろそろ入れればいいものの。まだバイトもやりつつ活動しているからな。
そのかわりSNSでのコンテンツが増え、(残念ながら個人SNSはストーカー野郎のせいで無し)しっかり監視もあり、違法なファンには懲罰が与えられるし。ここ数ヶ月で色々変わったなーと思っている。
いつものように腹筋、腕立て伏せ……週末のライブに向けてさらに強化だ!
そうそう、地元のケーブルテレビにてレギュラー番組、まるっと地域チャンネルが始まった。今日は美玲ちゃんアシスタント担当曜日だけど、なぜか大野ちゃん、由美香さんが出るから……何故だろうか。
腹筋しながら見るのも失礼だが、毎日のノルマをクリアしたいから……しょうがない。
『地域まるっとチャンネル! 始まりましたー!』
明るく元気な美玲ちゃん。俺は君の笑顔を楽しみに仕事も筋トレも頑張ってるんだ。フッ、フッ!
彼女を見るだけで筋肉が倍増するぞ……腹筋する時には顔の位置に美玲ちゃんの写真を置いてモチベーションアップだ! 気持ち悪いとか言うな!
『今日、私、大野からお知らせがあります……』
大野ちゃんもここ一年でリーダーらしさがグッと上がったな……二人脱退し、メンバーの入れ替わりや育成など、このグループを支えるためによくぞ頑張ってくれた!
『私、清流ガールズを、辞めます!』
「はぁあああああー?!」
腕立てをやめてテレビにしがみつく。大野ちゃんまでっ?! スタジオも驚きの声、慌ててSNS見るとみんな同じ反応だ。
どう言うことだ、美玲ちゃんも困ってる顔をしてるぞ!!! 嘘だろっ。
『私はプロデューサー業に回り、清流ガールズを支えていきます』
おいおいおい! 清流ガールズが二人になっちまうぞ? 可愛いキャラの美玲とお姉様キャラの由美香さん、姉御的存在大野ちゃんでいいバランスだったのに……。
美玲ちゃんたち、泣いてるじゃないか。おいおいー。泣いてる姿もかわいい……。可愛い。
『で、二人だけでなくて……実はもう一人ちゃんと用意してきました! 新メンバー……あれ? 新メンバーの……ハナちゃん。ほら、ほらー出てきてーっ』
ん、新メンバー? また前みたいにすぐやめるだろうなぁ。
『み、みなさん……はじめまして……ハナです。23歳ですっ!!!』
『年齢は聞いてないよ、このグループの中でも最年長だねぇ』
『は、はい!!!!!!』
23歳っ?! えーと、大野ちゃんとあまり歳、変わらない……? 美玲ちゃん、由美香さんよりも年上?
涙流す美玲ちゃんたちの間に、縮こまった新人が……。少しふっくらしてるが?
『大野ちゃんのファンで……清流ガールズのライブに何度も通っていました。一年近く研究生としてレッスンしてきまして、今日いきなりデビューです、がんばりますっ!』
緊張しすぎだな、大丈夫かよ。キョドキョドしとるし。おいおいおいー。
てかファンからメンバー加入かよ。研究生だった? んー、いたか? こんな子。まぁどうでもいい。
美玲ちゃんがさらに可愛く見える。ああ、美玲ちゃん……。かわいいよ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます