魔王(ロリ)と勇者(三十路サイコレズ)
ネルシア
第1話 理想のパーティー(ワズ)
いない。
どこにもいない。
世界はこんなにも女の子、いや、獣も含めるから正確にはメスだけど。
理想のメスがいない。
「ねぇ、もう理想の女の子探すのやめてよ・・・。」
パーティーの1人が話しかけてくる。
最初は幼い女の子で可愛かったのに・・・。
今じゃ人間というせいで大きく育っちゃって・・・。
私のパーティの魔法担当。
とはいえ、私の魔力量も並ではない。
なのに何故か私を超えるために必死に努力をした結果、魔法に関しては私より上になっている。
「いやぁ、こいつにそんなこと言っても聞かねぇだろ。」
褐色短髪ロリだったのになぁ・・・。
いまじゃ近接戦闘担当で何故か私よりも強い。
いや、私も敵無しくらいには強いのだけれど。
「なんで大きくなっちゃったのかなぁ・・・。」
「ほれみろ、こんな気持ち悪いこと呟いてるぞ。」
「私たちじゃどうしようもないね・・・。」
新しいロリ、年を取らないロリ。
それを目指して冒険中だ。
魔王討伐はそのついでくらいにしか考えていない。
この2人ももう20代半ば。
街の人たちからしてみれば目を引く2人であることには違いない。
でも、私は違う。
もう30代。
でも国王の依頼はきちんとこなし、むしろ魔物や魔人や怪人が私たちのことを怖がる始末。
「んで、この先どうすんだよ?もう魔王しか残ってねぇぞ?」
「あらかた魔人とかは倒しちゃったもんね・・・。」
「はぁ・・・理想ロリはやっぱりどこにもいないのか・・・。」
あぁ、あの日々が懐かしい。
2人ともまだまだ幼くて肌もツルツルで子供特有のにおいと未成熟な体・・・。
デュフフフ・・・・。
「うわ・・・これはあれだな・・・思い出してやがる・・・。」
「また起こさなきゃね・・・。」
突然強烈な平手打ちをされ我に返る。
「いった!!!!加減してよ!?!?」
「あら、加減しなくても死なないからいいじゃない。」
「確かにな!!アッハハハハ!!!」
2人に笑われて少し癪に障る。
「ふんだ、もういいもん、魔王討伐行くよ。」
「これでやっと解放されるわね。」
「あぁ、そうだな。」
「何か言ったー?」
「「いや、なーんにも。」」
完璧なロリパーティーだったのになぁ・・・。
過去に思いを馳せながら魔王がいるはずのダンジョンへと入り込む。
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