生きるため「濡れたアスファルト」

生焼け海鵜

第1話

 ケーキは脆い。また、人間同様に。

 しかし、人間の脆さに、「美味しさ」なんて存在しない。


 ケーキは美味しい。だから、守られる。大切に扱われる。

 でも人間は? 


「生きるため」には自身を自分で守らなくてはいけないと言う。

 つまり、脆い体を脆い心で守らなくてはならない。


「代わりなんていくらでも居る」そんな言葉も有る。


 この世に、金属の歯車なんて存在しない。

 ただ、粘土の歯車が入れ代わり廻っている。


 さて、今回話しますは、とある少女の話。

 金子幸羽。名はそう言います。

 左腕を失くした少女は、何を思い、何を話すのでしょうか。


 さて、時間になりました。

 システム「ナビゲーター」より「濡れたアスファルト」始まります。


 どうか、お楽しみください。

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