転生先は村人でした

膝からレンコン

プロローグ

ピッ…ピッ…ピッ…機械の音が聞こえてくる。


俺―――碓氷遊馬は小さい頃から心臓病を患っていて、病弱だからずっと入院してた。


手術を受ければ治るが、費用が馬鹿にならないらしい。


だから親は俺を見放し、出来のいい弟である駿太を溺愛するようになった。


最初はとてもとても悔しかったけど、仕方ないと諦めていた。


けれど俺には大切な幼馴染み、姫宮紗月がいるから楽しかった。


ピッ………ピッ………ピッ………段々と機械の音の間隔が長くなってきた。


あれ?胸が…痛い…。


あぁ、いよいよなんだな…。覚悟していたけどやっぱり怖いな。


バァン!


「遊馬!行かないで!おいて行かないで!お願い!」


「ちょっと!落ち着いて下さい。」


この声…紗月。


「泣くな…よ。えが…おで見送…くれ…よ」


ピッ………………ピッ………………


「うッ……遊馬ぁ…」


もし次の人生があったなら…。


ピーーーーーーー


その日俺は息を引き取った。

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