第2話 ファルマの王女達 Ep.第一王女
―AM5:00 ファルマウテラ王城 執務室
「次、それと今日の予定は?」
「はい。午前中はフリーでございます。
正午から
ペンは止まることなくサラサラと紙の束の上を優雅に滑っていく。
執務をしているのは第一王女・アーシャ。
肩にかかる黒髪のくせ毛を後ろに避けながら
次々に書類をさばいていく。
「ありがとう。この書類の山がおわったら、
午後の仕事もそれぞれ最低限の準備だけよろしく頼みます。残りは私がしますので」
静かな執務室のなか、二人だけの会話が
書類から目を離すことなく終わる。
「かしこまりました。……無理はなさらないでくださいね。アーシャ様。」
側に控えるのは国王付きの執事クロム。
現在の主人であるアーシャから無言でサイン済みの書類を積まれながらもびくともせずに仕分けもする、その光景は
後に執務室に訪れる者すべてを驚かせるに
容易いのであった。
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