第8話 入隊章
後日、私はその使えない新人に、とある品物を渡した。
ディークがいる事を認めたくなくて、ずっと隠していた入隊章を。
すぐやめると思っていたし、やめさせるつもりだったから、渡す必要はないと思っていたのだ。
けれど、ディークには私達にはないものがある。
だから、私は頭を下げた。
「今まで下に見ていてすみません」と。
そしたら、ディークは笑って許した。
私達だったら、「ふざけるな」と怒っているだろうことなのに。
ディークは知れば知るほど不思議なやつだった。
姫の弱さを見ても「お姫様だって、一人の人間なんだし」と幻滅していないようだった。
だから、私達はこれからもディークを見ていこうと思う。
強い私達には、何か足りない物があるのだと知ったから。
特務隊に入隊した奴が使えない新人だった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます