【Chapter5】彩花種


世の中には、心を痛める恋に苦しみ辛い思いをしている人たちがたくさんいる。



年齢、国籍、立場、性別、距離…。



その誰しもが、いつか訪れる幸せを願いながら自分の心の軋みと折り合いをつけながら生きている。


あの人と会わなければ、こんなに辛い想いをしなくてすんだかも。


そんな気持ちを抱えて枕を濡らす夜もあるだろう。




だが、どうか恋を諦めないで欲しい。




今世、この地球で身を焦がすほどの恋に出逢える人ばかりではない。


だからこそ、奇跡的な恋に巡り合えたことを大切にしてもらいたいのだ。



人が地球に転生する時、幸せになるために地上に降り立つという説もある。



この地球上で、どんな色のどんな花を開かせるかは自分が蒔いた種によって違う。


ならば私は、苦しみや悲しみの花ではなく、運命の人に出逢えた幸せを、そして共に過ごした時間がくれた彩豊かな想い出を大輪の花として地球に咲かせたいと思うのだ。

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