【Chapter4】花の蜜


ツインレイがその関係を復活させるまでには、往々にして時間を要する。


互いが魂の成長と自立を即され、叶わねば再会は来世に持ち越されることもある。


私は今世で再び彼の腕の中に戻ることができるだろうか。



ともすると萎みそうになる花を、私は今、孤独に屈しないよう一人で懸命に開こうとしている。



そう、彼が花の蜜を求めて飛んできた時に私を見つけやすいように。



花芯に濃厚で熟成された蜜を蓄えて『互いが目覚めの時を迎える』その時を待つのだ。


そして、彼が私の元に再び飛んできたなら、私が屍となるその日まで身体の奥底から湧き上がる蜜を吸い尽くして欲しい。



彼との繋がりほど満たされることは他にない。 


だからこそ命が尽きるその瞬間まで彼の腕の中にいたい、そして私の心と身体と魂、全てに唇と舌を這わせて欲しいと願ってしまうのだ。

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