ドント・クライ・わたし

いつか

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どうか報われてください。あの日咄嗟についた嘘も、守りのためだと認めていい。嘘も守りも受容も自分のためだけにあっていい。すこし破けたカーテンをつるして生活していたってここは外からは見えないのだから恥ずかしいことなんてないよね。ご飯の炊けた音で目を覚ましたあとは誰かと一緒に朝食を摂ろう。愛する人とならなんだっていい、し、それ以外要らなくて、生きていられるのでしょう。向かいの家から犬の吠えるのが聞こえるだけでそれ以外何も知らなくていい。白くなくたっていい。ふわふわじゃなくたっていい。どこにいたって誰といたって孤独だと思ってしまうのならば私といてみてもいいよ。どのみち私のことは裏切ってもいいから、ここへ小旅行を。不自然なハグも水の流れる川の奥に聞こえるサイレンも全部地球のもの。みんなが欲しがるものを持っている人はうらやましいけれど、そんな人はみんなが欲しがらないものまで背負ってるのだとしたらすべて当然に見える。風鈴を近所迷惑だというひとはいないのだと信じている。やたらと謝罪させたがるひとがいたとして、それに従っても過失に至った事実は戻せないから、事態の修復はしよう。復讐と聞き誤らないように気をつけてね。。好きな人が私以外の子を恋人と呼ぶところを想像したら熱がでた。自分の想像力が働きすぎるから週末くらいは休んでほしいと思う。気づけたこと、自分に対して理性を持たれていることも幸福なのだということ、意外と私は強いということ、でも日課のように苦しくなることは当たり前だということ。それでも夕方の交差点で光る道路みたいに、輝いて、強くて、広い心の持ち主になりたい。なりたいなりたいと繰り返して望んできたことばかりあるけれどお花屋さんんもケーキ屋さんにもなれなくてあの人の恋人でもない。煙草の煙にはもっとなれない。 思想にも、声にも。

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