神様のぶらり旅

トマトも柄

第1話 神様のぶらり旅

 今日は神様の休日である。

 いつもの仕事が無いので神様はゴロゴロと寝ている。

「お布団気持ちいいー!」

 神様はお布団に籠ってぬくぬくと温もっている。

「けど、休みだからっていつまでもごろごろしてられないよねー」

 温もりから抜け出すように布団を蹴り飛ばし、

「少し出かけてみるか。 今日は色々とぶらぶらしてみようか」

 神様は着替えて、外出の準備をする。

「オープンザドーア―!」

 そう言いながらドアを開けて空を飛び始めた。

 空を飛んで確認していると何かが見えたのか神様はある家に近付いていく。

 そこの家の窓から神様が不思議な力で壁抜けをして透明になる。

「ここの家から面白いのが見れる予感がするなー」

 神様は透明で壁抜けをしながら家の中を詮索する。

 すると、青猫君と赤猫ちゃんが新しい人形を作っている最中でした。

「ほほう。 これは新しい人形を作っているのかな? これは完成が楽しみだ」

 神様はそれを覗いてから満足したかのような顔をして静かにその場を去った。


「さて、今度はどこを見に行こうかな~?」

 ふらふらと空を飛んでいると神様はある二人を見つけた。

 白猫君と黒猫ちゃんがいた。

 黒猫ちゃんは白猫君にちょっかいをかけて楽しそうにしている。

「あれは楽しそうにしているの~。 いつも楽しい環境にいてそうだね~。 あれは見てる側もきっと楽しめるに違いない」

 神様は笑みをこぼしながら眺めていた。

「さて、次の場所に向かおうかな。 どんな場所行こうかな~?」

 神様は新たな場所へとふらりと出た。


 神様はふらりと山奥まで来て休憩しようとしてた。

 けど、ふと目に付いたので休憩しようとしたのを中断した。

 そこにはたぬきがいたのだ。

 神様は普通に一目で気付いた。

 あのたぬきは神の類の者だとすぐに気付いたのだ。

「おおっと! 流石に神の者だと見られるから少し離れないとな!」

 神様は少し離れた位置でたぬきを見届けていた。

 たぬきは木の上で何かを警戒しているように周りを見ている。

 そして木の上でおにぎりを食べ始めた。

「あのたぬき! お供え物のおにぎり食ってる!」

神様が木の下に像の目をやると、たぬきの像がありそのたぬきの像のお供え物を食べている事が分かった。

「なんだ。 自分のお供え物を食べていたんか。 普通の人には見えないのだから堂々と食べればいいのに」

 理由が分かり、ホッと一息ついてその場を後にした。


 しばらく浮遊して何か無いかと探していると、何やら美味しそうな匂いが漂ってくる。

 その近くまで寄っていくと何やらおじさんが食卓で準備をしているのか少し物音が聞こえてきた。

「いい匂いだ~」

 神様は匂いに釣られて徐々に近づいていく。

 その匂いの釣られた先には綺麗に焼けたおにぎりと横にはビール。

 その食事を楽しみに笑顔になっているおじさんの姿が。

 おじさんは手を合わせて感謝の行動を示し、焼きおにぎりに手を付ける。

 おじさんは無言で頬張りつき、焼きおにぎりのカリカリ音が周りに響き渡る。

 神様は透明で見られてはいないが、美味しそうに食べる姿を生唾を飲んでみている。

 そして、焼きおにぎりに一口付けた後にビールで注ぎ込む。

 喉に水分の入っていく音が鳴り、神様は手を伸ばしそうになる。

 伸ばした右手を必死で左手で止め、その姿を眺めていた。

 そして、おじさんの食事が終わるまで眺めていき、フラフラっとその場を後にした。

「美味しそうに食べてて、手を伸ばしそうになってしまった。 こっちも帰って焼きおにぎり食べよう。 美味しい飲み物も用意してな!」

 神様は食べたい衝動を抑えきれないように剛速球で帰宅し、食事の準備を始めた。

 












 



 

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