第613話 勇者のレゾンデートル(存在意義)20
レイチェルが「ロゼッタは、あなたと会ってから、大変、強くなりました」
「そうですか?」
「はい、勇者であるあなたの元で、魔法の修業をして強くなりこの星では最強ですよ」となんだか褒め言葉が過ぎているような‥‥‥
「これも研鑽の賜物ですね」とレイチェル
「あっ、それとですね、今追っているモグラでしたか?」
「はい、そうですが」 どうして俺が勝手につけた名前を知っているんだ?
「モグラは、私の放ったものです」
「えっ」
「モグラは私の放った情報を得意としているものですから、追わなくていいですよ」
「そんなこと、神がしていいんですか?」
「とにかく、私にも情報の提供者がいるんですよ」
「‥‥‥わかりました、では、モグラの監視はやめます」
「そうしていただけると助かります、では、また‥‥‥」
と行って念話は切れた。
ちょっと不審に感じたんだけど、いいのか?
二重スパイなんてならなければいいが。
しかし、神レイチェルが放ったモグラに少しだけ関心がある。
しかし、どうしてオーリス王国に、神レイチェルが情報屋を放つ必要がある?
加盟国以外の国ならいざ知らず。
しかし、それ以上に、どうして魔物と一緒にいたんだ?
魔物を操っているわけじゃないのか、俺は、てっきり、そうだと思っていたが‥‥‥
なんだかスッキリしないが、神レイチェルが言うんだからしょうがない。
*
俺たちはオーリス王国に戻ってきたので、休養日にすることにした。
シャーロットは、城に帰っている。
他のメンバーは、久しぶりの休養日に、買い物に行っている。
俺はといえば、もちろん検索魔法を使って、探ることをしている。
なにを探っているのか、というと、魔族の動きを早めに察知できるようにだ。
休養日が終わったら、こちらから攻め込むことも考えてはいる。
時間がない時ほど、ひと時に休養があったっていいじゃないか。
今日はなにもせず、休み‥‥‥でも検索魔法はやる必要がある。
そんなの休みにならないじゃないか?
と頭の中で葛藤しながら、時間が過ぎていく。
*
俺たちは、本当に久しぶりにオーリス王国の屋敷に滞在している。
休みでもやることはあるので、魔族の世界に行って、どう動くかだ。
闇雲に動くこともいいかもしれないが、どう動けばいいのか?
急に城の中に転移して、皇帝のウルフに会いに行って「こんにちは」とでも言うのか?
ウルフを倒しても四天王だっけ? そいつらも、いる可能性だってある。
そして、側近のどれくらいの人数が、侵略戦争をしようとするのか?
魔族にも平和派がいる可能性だってあるじゃないか。
いや、いないのかな。
じゃ、魔族全国民が、戦い好き?
だって戦ってばかりいたんじゃ、家族を守れない。
子供だって、奥さんだっているだろうに、旦那が死ぬことで家族が路頭に迷うことだってあるはずだぞ。
しかし皇帝であるウルフが、そんなことを気にするはずはない。
駆り出されることも強引になる可能性だってある。
じゃないと後ろから仲間に殺されてしまうことは魔族の世界だって、同じことが起きるだろう。
*
しかし解せないのは、神レイチェルが放った密偵がオーリス王国にいることだ。
オーリス王国でなんの情報を得ようとしているのか?
どうせレイチェルに訪ねても言わないだろう、神がなにを考えているのか?
俺は、魔族の国に行って、上層部を倒すことを考えている。
必要なものは食料なので、食べるものを買いに街にメンバーは行っている。
あとは服と武器は、普段から使っているものを使うだろうし、予備も必要だ。
最近は、容量は大きくないが、全員が異空間収納を取得してきている。
それぞれで大きさは違うが、もう俺の異空間収納に入れておく必要は無くなっている。
これまでは数年にかけて、俺の異空間収納に入れてきたが、もうお役目ごめんになりそうだ。
全員が基礎魔法から始めて、やっと異空間収納ができるようになってきているので、俺としても嬉しい限りだ。
神獣たちも、能力を拡大してきているが、人種のメンバーも勇者化してきているといえるかもしれない。
俺の理想は、”勇者と十三人の悪魔”じゃなくて、”十四人の勇者”が理想だと思う。
もう昔の俺のレベルまで到達してきている。
今まで使えなかった魔法が使えるようになっていることがあり、本人が一番、驚いていることも起きている。
俺は、それを導いてきただけ‥‥‥あとは、ここのメンバーの努力だ。
全員が、修行を怠りなく、時間があれば、練習していたおかげかな。
これで、どこでなにがあっても派遣できるかもしれない。
しかし女性に、そんなことをさせたくないのは事実だ。
でも、そんな甘いことを言ってられないかもしれない。
気晴らしに街に出てみることにした、久しぶりに1人で。
俺の屋敷は貴族街にあるので、店が立ち並ぶところまで行くのに、結構、歩くことになる。
まぁ、歩くのも、たまにはいいことだ。
今の俺の服は、軽装で、普段、屋敷の中にいる服で街をうろつくことにした。
もう、俺の屋敷に群がる人たちは、かなり減ってきているが、勇者物語の本の新刊が出て時は別だ。
その時には、まだ結構な人だかりができると屋敷を管理するセバスチャンが言っていた。
階段を降りて、馬鹿でかい玄関に出ると、セバスチャンに会ってしまった。
「ご主人さま、どちらに行かれるのですか?」
「うん、街に久しぶりに出てみようかと」
「それでは馬車を用意します」
「いや、歩いていくからいいよ」と軽く言ったが、
「いいえ、いけません、ご主人さまは、貴族です。それも公爵位の貴族ですから、きっちりとしきたりに沿っていただきます」
「え〜、今日は歩いて行こうかと思っていたのに」
「無理でございます。ご主人さまは特に、有名でございますから、人だかりができてしまいます」
「えっ、もう人だかりは収まったんじゃないの」
「いいえ、とんでもございません、ますます人気が出ております、最近は門のところに人がいないのは警備のものが規制しているからです」
「そ、そうなんだ」
「はい、ですから、お一人で出歩くことは極力、避けていただきたい」
「うん、わかったよ、じゃ、今日はやめるよ」
「それが、ようございます」
と言って俺は、降りてきた階段を登り始めた。
「あ〜ぁ」 自由にできない。
俺は部屋の中に入ってベットに寝転んだ。
有名になるって、大変なんだな。
と思っていたら、転移して行こうと思いつく。
早速、どこに行こうか、考える。
やはり人がいない路地がいいと思うが、そのためには視認することも必要になるが、検索魔法で確認できるが、ひとまずは上空に転移してみることにした。
転移‥‥‥
転移して上空で対空しながら、場所を見定める。
セバスチャンには悪いが、俺だって街に出たい。
俺は人がいない路地を見つけて、、そこに上空から転移してきた。
出かける前に、フードがある上着を着てきた。
フードをまぶかにかぶって目立つことがない魔法を使って、路地から出てきた。
透明化の魔法まで使ってしまうと、面白くないから、目立つことがない魔法を使っている。
自分が、ここまでして歩かなければならないなんて、本当に大変だ。
俺は俯き加減にして人にぶつからないようにして歩いているけど、目的がない。
女性でもいれば、甘いものということもあるが‥‥‥
そこで気晴らしに、以前は行っていた冒険者ギルドに行ってみることにした。
冒険者ギルドではカードを差し出す必要があるが、黙っておいてもらえると考えて、依頼を受けることにした。
以前だったら、1年ちょっとは冒険者になってから通っていたことがある。
あの時は、ソフィアとイザベラとコリンの四人で依頼を受けていたなと思い返してみると懐かしい。
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