第566話 救世主への道25(レジーナ王国編)
どうやってかわからないけど、ウルフを初めに生み出したのは天界で神レイチェルと生命の神クリスティアナだ。
それを俺はウルフだけは生み出さないでと頼んで了承したはずだ、それは俺の前の前でレイチェルに直に頼んでしたこと。
だからあの場ではウルフは生まれていない。
しかし、あんなどデカいカメを人が生み出すのは不可能だ。
どんなに小さい頃から育ててきても、どこかで一気に大きくなることは不自然だ。
そこにウルフが関与していると考えたら、全てが辻褄が合う。
別にウルフの姿を見たわけではないけど、どこかにいると思うし、俺がカメの結界を確認する時に、カメが結界を貼っていると鑑定したが、どこかにトリックがあると思う。
その理由としては、亀が結界を張っているのであれば、魔法が使えるカメということになり、体に魔法力があるはずなんだ。
それが検知されなかった。
ということはカメには魔法を使う術はない。
なのにカメは結界を張って攻撃を防いでる。
そこから出た疑問だ。
人も魔法力を体の中に持っている。
だから魔法が使える事になる。カメだって同じだ。
俺は以前、騎士に指導した時に、魔法を感じることを教えている。
それが、今回のことにつながったわけだ。
魔法を感じるのは、生きている人だったら、オーラというのがある、しかしオーラは魔法とは違う。
違うけど、似ているものだ。
体調が悪い時には、オーラの波が大きく落ちる。
魔法も体調が悪い時には、威力が落ちてしまう。
場合によっては魔法が発動できないこともある。
オーラのことをバイオリズムという。
オーラ、バイオリズムは波と言われるように波を一定に保つことは難しい。
あの神の重圧の力を発動してから体に変化がある。
俺のオーラの波が異常に上がっていることだ。
ちょっとじゃなく、異常と思えるほど向上している。
たぶん俺の体が神に近づいているんだろう。
たぶん、今の俺は亜人と言った方がいいのか、亜神と言うのかだけど、言葉なんてどうでもいい。
それよりも昨日のカメのところに全員でいくことになった。
昨日、鑑定魔法をした時に気になるものがあったからだ。
俺が空間の出口をあけて出てきたのは、昨日のカメがおいてある場所。
こんなデカいカメ、動かせるはずもない。
食べることができれば、いいかもしれないが……
俺は、まだふら付くので、一人が介助のためついてくれている。
今はイザベラが俺の腕を取って支えてくれている。
「イザベラ、ありがとう」と俺が例を言うと「そんなこと良いわよ」と顔を背ける。
俺がカメの横まで歩いていくと、「おっ、来たな」と司令官が近寄ってきた。
「どうですか?」
「死んでいることは確実なんだが、大きすぎてな、どうしようもない。食べられれば問題ないんだが」
「食べない方がいいでしょうね」
「俺も、そう思うな……お前、大丈夫か? なんだかボロボロだぞ」と司令官
「そうですね、すこし力を使い過ぎました」
「だろうな、昨日のあれ、すごかったからな」
「そうですね、自分でも驚きますよ」
司令官が俺をじっと見ている「昨日は、本当に助かった、改めて英雄にお礼をいう」
「そんな……英雄だんて…でもよかったです、王都が助かって」
「ああ、その通りだ、そういえば伝えることがあるんだった」
「なんです?」
「早めに城に来て欲しいそうだぞ」
「あっ、はい、わかりました」
「でも、その前に気になることがあるんですよ」
「なんだ?」
俺は自分にじゃなく、カメの中に意識を集中して見つける、そして、それを足元に転移させる。
手に持てる大きさだけど、乗せるのは嫌だから足元においた。
そこに現れたのは、ブラックボックスだ。
それを見た瞬間にメンバー全員が理解した。
それを知らない司令官だけが「おまえ、それ、どこから出した?」
「あのカメの中からです」
「あのカメの中?」
「はい、そうです、たぶん、これが何らかの影響をだしてカメが巨大化したのかわかりませんが、目の色が赤くなっていたと思います」
「そういえばカメの目が赤かったな」
「今は、何も入っていませんが、使ったあとでしょうね」
「ということは、誰かが、これを中にいれたということだな」
「そうです」
この巨大なカメにも魔石があるが、それもドス黒く汚れている。
俺は魔石を取り出すこともできないように魔石を今の位置から破壊した。
魔石を破壊したとたん、巨大なカメは、嘘のように実態が無くなっていき、霧散していく。
「おまえ、今、何した?」
「カメの魔石が黒くなっていたんで、それを破壊しました」
「… そうか……これでカメを解体しなくて済んだわけだな、あんな巨大なカメが腐ってきたら、どうしようもないからな、あとは早めに焼こうかとおもっていたところだが」
「そうですね、あんな大きさだったら、焼くしかないですね」
「じゃ、俺たちは城に向かいます」
「おい、これ、どうするんだよ」と司令官がブラックボックスを指さして言う。
俺はブラックボックスを聖属性魔法と火属性で燃やした。
「では」
「ああ、お前はなんでもありだな?」
「いえ、そうでもありませんよ」と言葉を残して……
アデルが俺の横に来て、支えると言ってきたが、背が足りないので、断った。
*
俺たちは司令官から離れたところで城に向けて転移した。
しかし「ごめん、ちょっとベットに寝かせて」
支えてくれていたイザベラが、ベットに俺を連れていってくれた。
「ふうっ」
「クリス、大丈夫、なんならジェネットに治癒魔法、かけてもらおうか?」
ジェネットが「そうですね、しましょうか?」
「いや、良いよ、強い筋肉痛みたいなものだから」
というもの俺が何回も治癒魔法を自分にかけているが、回復しないからだ。
「ごめん、誰か王女を呼びにいってくれる?」
「あっ、それじゃ、私が」とアデルが手を挙げた
「うん、頼むよ、アデル」
「はい、わかりました」と言って走って行ってくれた。
「はい、クリス、紅茶」と小さいテーブルを引き寄せ、その上にアリシアが置いてくれた。
俺はやっとの思いで起き上がる、そして紅茶を飲んで落ち着く。
そのとき俺が聖属性魔法をかけて、さらに回復を促した。
その時に廊下を走る音が聞こえる。アデルが帰って来たんだろう。
扉がノックもなしに開けられた。
アデルが中に入ってきて、そのあとに女王と姫が中に入ってきた。
俺がベットに座って紅茶を飲んでいることをみている。
「勇者殿、大丈夫でしたか?」と女王
「はい、俺は大丈夫です」
アリシアが「それが今の今でベットで横になっていたんです」と、本当のことを言ってばらした。
「すでにこちらにも情報が入っておりますが、ほんとうにありがとうございました」
「いえ」
「あなたが、ここにいなければ、我が国は歴史的な災難の巨大カメによって滅んでおりました」
「いえ、いいですよ」
「司令官から報告を聞いたときは、驚きました、あなたが、どれほどの困難に立ち向かっていったのか、すべて報告が来ております」
「そうですか」
「あなたは、この国を救ってくれた英雄様です。」
「いえ、司令官にも言われましたが、英雄だなんて……」
「いいえ、あの巨大カメですよ、あんなのが街にきていたら大変なことになっていました、どれほどの民が殺されたか? あなた様こそが英雄です」と姫
「女王様、クリスを寝かせていいですか?」とアリシアが気を使ってくれた
「ええ、もちろんですよ」と俺が寝ようとすると、一番にきたのがアメリア姫だった。
「さぁ、クリス様、ごゆっくり」と言って、手をかしてくれた。
みんなが、見ていたが、俺はあまんじて受けることにした。
もちろん甘んじて受けたのは、俺への強い視線……
~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつも読んでいただきありがとうございます。
この物語は、ファンタジーの世界の冒険者小説ですので、空想の世界の物語です。
それを理解したうえでお楽しみください
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