第561話 救世主への道21(レジーナ王国編)

俺たちは現場の司令官から情報らしい情報はもらえなかったが、もうすぐに戦争が始まりそうだということだが、まだ進軍はしていない。


軍隊が川に到着するまで、どれくらいかかるか?


重たい荷物を持っていれば遅くなる。あの距離からして、数週間はかかるだろう。


今は夜になっているが‥‥‥一度、宿に帰ることにした。


夜ふかしは美容の大敵というから‥‥‥というのは、嘘で城に潜入を試みる。


神獣たちは異空間を使える。


だから俺たちは、分散して神獣と人間でチームを構成する。


4チーム体制を組み、エイミーを俺と一緒に動くことにした。


作戦は「いいかい、みんな、透明になって倉庫に入るんだよ、そしてどんなものでも目の前にあれば異空間に入れること」


「うん、わかった」


「弾薬、大砲、食糧、剣その他、なんでもいいよ。戦争に使われそうなものだつたらね」


「でも見つからないように注意するんだよ」


「クリスが、前、やった作戦の通りね」


「うん、そうだよ、でも、今回は軍を動かす前にやるから状況が違うけどね」


「でも、よく、こんなこと考えたね」


「うん、あの時は、必死だったから」


「クリスでも、そんな時があるんだ」


「いや、今でもあるけど、前は、まだまだ新米だったからね」


「そ、そうなんだ」


「俺が索敵魔法で確認した倉庫は、全部で八か所だよ」


「じゃ、4チームだから、2箇所だね」


「うん、そうなるね、それじゃ、どこを受け持つか確認ね」


と言って、ここには地図はないから、大まかな地図を描いて説明していく。


一つのチームが二箇所の倉庫をおそうことになるけど‥‥‥。


そのあとが問題だけど、まずは、この作戦を成功させることだ。


まずは物資を奪うことだ。戦うものや食べるものがないと意欲も湧かない。


腹ペコじゃ、戦いにならない。


俺たちはエイダン帝国の倉庫を襲うことにしたんだけど、なんだか襲うって言うと悪い奴みたいに思ってしまう。


ここの住民が困らない程度と言うのが難しいところだけど、たぶん、倉庫に集められたものは戦争に持っていくと思うので、大丈夫だろう。


住民が使うのは別の倉庫に置いてあるとおもうので…


今は夜中だし、倉庫に侵入する奴がいるなんて、思っていないだろうし警備が手薄になっていると思うから潜入してみることにした。


俺とチームを組むのはエイミーになったけど以前も、一緒に動いたことがある。


「エイミー、いくよ」


「はい、ご主人さま」元気よく返事が返ってきた。


俺たちは飛行魔法で上空を透明になりながら倉庫を目指している。


目指す倉庫の上に到着して周りを見渡すけど、誰もいない。しかし中はわからないから索敵魔法を行為して中を探ってみたが、中にも誰もいないが、罠か?


いや、まさか、俺たちが来ることなんて、知られているはずがない・


今日、実行することは急に決めたから、察知されるはずはない。


それじゃ、倉庫に監視員もいないのは、一時的にどこかに言って誰もいないのか、油断しているのか?


まぁ、いいや、今のうち倉庫だ。


俺たちは倉庫の扉の位置に降りて、鍵もかかっていないから、そのまま開ける。


開けた倉庫の中は月明かりに照らし出されて食糧が山積みになっている。


「さぁエイミー、異空間に入れようか?」


「はい、わかりました」


俺たちは人がいないから、二手に分かれて、異空間収納に入れられるだけ入れていく。


しばらくするとエイミーが俺のところにきて「ご主人さまの異空間収納、まだ入るんですか?」と言ってきた。


「エイミーのは、もう入らない?」


「はい、無理です」


「あっ、でも俺の異空間収納は、以前の時から多くのものが入りっぱなしになっているんだ」


「えっ、出してないんですか?」


「うん」


「いつから入れっぱなしなんですか?」


「えっと、確か2年は経っているかな?」


「そんなに‥‥‥もう、いくら食べ物でも腐らないからと言っても」


「いや、一気にだすと食糧事情が変わるだろう? だから迷惑がかかると思って」


「じゃ、今度、孤児たちの炊き出しに使ってください」


「うん、前も使ったんだけど、少ししか減らなくてね」


「そんなに大量にあるんですか」


「うん、まぁ、それなりに‥‥‥」


俺は目の前にある食糧をどんどん、異空間へ入れている。


かなりの量が入れの異空間へ吸い込まれた。


「よし、終わり、次に行くよ」


「はい、あっ、でも私の収納は、もう入りませんが」


「あ、うん、いいよ、ついてきて」


俺はエイミー1人を置いていくわけにもいかず、連れていくことにした。


次の倉庫は‥‥‥と言いながら全員の確認を索敵魔法でしてみる。


4チームともトラブルもなく倉庫を襲っている。


ここの王様って緊張感がないみたいだ。


襲われるってことを想定もしてないし、安穏としている。


王を確認しても寝室で女性たちといるみたいだし、奥さんは、どこにいるのか?


そもそも奥さんっているのか?


戦争になろうかというのに、こんな王様って最低だな。


家族の奴が誰も止めることがない。


あっ、そういえば正室って何人かいたな。正室に、側室も数人いるって言ってたな。


誰も王に逆らうことができないのか、同調しているのか?


どちらにしろ馬鹿な王様だ。


俺は次の倉庫を襲っているけど、ここも食糧庫だ。


食料は近いところに集めているんだろう。


ジャネットのところは弾薬を置いている。


パトリシアのところは、大砲を置いてある。


ロゼッタのところは、馬車、防具、剣などが置いてある。


アリシアのところから、一緒にいるアレクから念話が届いた。


念話『ご主人さま、もう入りきらないので手伝ってください』


念話『了解』と答えて、じゃ、アレクのところに行こうか?


「はい、そうですね、今のところ順調ですね」と話を聞きながらアレクたちのところに転移してきた。


転移してきたら、扉のところでアリシアが見張りをしている。


俺はアレクと交代して異空間収納に入れていく。


ここの物資は、テント、椅子、絨毯、ベットなどで構成されているので、王や司令官クラスのテントもあるみたい


こんなもの持っていくだけで大変だと思える。


まぁ、持っていくのは荷馬車になると思うけど、降ろしたりテントを立てるのは人だね。


念話で連絡を取り合ったがトラブルもなく撤収することができそうだ。


念話で『さぁ、みんな早急に撤収するよ』と伝えて全員が転移した後に、エイミーと2人で宿に戻ってきた。


宿に戻ってから、その足でレジーナ王国に行き女王を叩き起こすことにした。


もう夜中の3時だけど、迷惑かもしれないが大切なことだ。


夜中なので歩いている人も少ないが、たまたま1人の不運な侍女を見つけて、王女に緊急な用事ということで叩き起こしてもらった。


実際に叩いて起こしては、いないだろうけど‥‥


もしかして、してたりして‥‥‥



しばらく待っても女王はこない‥‥‥、俺たちは夜通し活動しているので、もう眠たそうだ。


「みんなは寝ていていいよ、でも異空間に荷物が入っている人が仮眠はいいけどね」


そこに待たされた人がやってきた。


女王だった


俺は少し夜にもかかわらず怒った。


理由? それは俺たちをまたして風呂に入っていたからだ。


「女王、あなた、ちょっと緊張感がならないんじゃないですか?」


「えっ、どうしてですか?」


「俺たちは夜通し、あなたたちの国に貢献しているのに、夜中だからと言って起こされたから、寝ぼけた顔を見られるのが嫌だからと言って風呂に入るなんて、とんでもないことだ」


「‥‥‥」


「まぁまぁ、クリス、気持ちを抑えて」


そこに姫ま開いていた扉から入ってきた。


「あの、クリス様、申し訳ありませんが外から聞いておりました。

お母様が大変、失礼しました。

普段なら許されることも、戦争に突入しようとしていることを考えれば、大変、失礼なことをいたしました。」


女王も「申し訳ありません、なにぶん、戦争なんて初めてのことで、失礼したしました」


姫が「お許しください、クリス様」


アリシアが「こちらも申しわけありませんでした。こんなクリス、初めて見るものですから。

でも一刻を争う時もありますが、今がその時だと思っております。

たった1時間ですが、その時間に人が殺されることもあるんです。

我々は戦争に参加するためにきたわけではなく、戦争を止めるために来ています。

それも遥か遠くから‥‥‥


「本当に申し訳ありません」アリシア様


女王が「皆さんが、どういうことで来ていただいているのかも考えもせずに‥‥‥」


俺が「もういいです、こちらもすいませんでした」とぶっきらぼうに答える。


「いいえ、クリス公爵様のおしゃる通りです」と女王


「ほらほら、クリス‥‥‥」と言って先をアリシアが急かす。


そのことを見ていたアメリア姫が顔を曇らせた。


「えっと、広い部屋を用意してください、できたら倉庫なんかいいです」と俺


「えっ、倉庫ですか? 今、倉庫は、どこもいっぱいで」


「あっ、そうですね、じゃ、ここでいいですか?」


「あの、何を?」


「あっ、言い忘れていましたが、エイダン帝国の倉庫にあったものを奪ってきました。全部」


「えつ、全部の倉庫を?」


「はい、そうです、武器、弾薬、大砲、剣、食料、燃料などです」


「あっ、それとちょっと待ってください、5分だけ、自分が言うのも変ですが5分だけ待ってください」


俺は返事を待たないで転移した。


5分後に戻ってきた。


「すいませんね、忘れ物して」


「クリス、何を忘れたの?」


「それは後でね」


俺は女王に向き直り「エイダン帝国の倉庫にあったもの、すべてみんなの異空間収納に入っています」


「ほ、ほんとうですか?」


「はい、一部を出してご覧に入れましょう。

え〜と、誰のがいいかな?」

そうだな、大砲を出しますか?」


「ここでですか?」


「あっ、大きいしカーペットが汚れますか?」


「いいえ、そんなことは気にしないのですが、大きさが‥‥‥」


「では、剣とか、でも証拠になるかな?」


「証拠?」


「はい、エイダンから奪ってきたと言う証拠です」


「そんな、あなたを信用していますので、どうぞ、お気になさらずに」


「そうですか?」


「武器とか弾薬、剣、あっそうだ」


「え〜っと誰か鎧を入れている人」


「あっ、それ、私」とアレクが手をあげた、


「じゃ、鎧だけ出してもてくれる、それに帝国の紋章か何か、ないかな?」


「え〜とね、う、ん、紋章と、紋章と、あっ、あった」

と言って出してくれた数体の鎧。


「ガチャガチャッ」と出した鎧の音がする。


「どうですか、我々はわかりませんが、この紋章で知っているのはありますか?」


と言って鎧の紋章を見てもらう。


王女と姫が鎧を確認する。


「この紋章は、エイダン帝国の伯爵が着るもの、これも同じように伯爵が着るものですわ。お母様」


「そうね、どれも、エイダン帝国のものだわ」


「では、お認めになりますね」


「はい、あなたさまのことを信用しておりますから」


「では、どこかに出す場所を用意してもらえるとありがたいんですが」


「そ、それでいくらほど、支払えば‥‥‥」


「えっ、くれるんですか?」


「えっ」


「もう、クリスったら」


「いや、冗談ですよ、すべてあげますよ、あっ、食料もなかりありますから、これもタダであげます」


「そんなにしてもらってもいいんですか?

あとで、欲しいって言わないでしょうね?」


「あれ、俺を信用しているんじゃないですか?」


「それはしていますが、それとこれは別というか?」


「そんなこと言いませんよ、言いたいけど、あははっ」


俺が笑うと、誘われて全員が笑い出す。



~~~~~~~~~~~~~~~~~


いつも読んでいただきありがとうございます。


この物語は、ファンタジーの世界の冒険者小説ですので、空想の世界の物語です。


それを理解したうえでお楽しみください


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