第533話 レリックを求めてワームホール

俺は過去のレリックのことが気になり、時代をさかのぼることにした。


ワームホールに転移して、いつまで時代を遡ることができるのか?


俺はワームホールの中を遡っていく。


どこまでも続く時間の流れ‥‥ワームホールに空いた幾つもの窓のような部分がある。


これが、どうしてできているのか、わからないけど、以前はウルフの仕業だと決めつけていたが、ウルフの仕業だけじゃないのか?


もっと別に時間を遡っているやつがいるのか?


または、これが普通なのか?


どこまでも、どこまでもワームホールは続いていく。


今は、いつの時代なのか、ワームホールからはわからない。


俺は先が見えないワームホールを漂いながら、先へ進んでいく。


何だか、どんどん、孤独になって寂しくなってくる。


暗いワームホールを魔法の灯りで照らしながら、空中を浮かび前へと進んでいく。


多くの時代の景色が浮かんでいる。


先に行けば、いくほど、風船のように浮かぶ景色が多くなっていく。


しかし、ある時から前へ進んでも、何も出てこない暗いだけの場所に出てきた。


ただ暗いワームホールは、何を締めるのか?


さらに進んでいくしかないから‥‥‥進んでみるが‥‥そこに明るいものが先に見えてきた。


明るいものに近づいていくと、そこには1人の女性がいた。


その女性は、何かをしている。


俺は、その女性を一度だけ、見たことがある。


そう、その女性は、神クリスティアナだ。


しかし神クリスティアナ本人じゃなく、過去の神クリスティアナだ。


神だから容姿が変わることはないが、前にあった時と同じだから。


過去の神クリスティアナでも、そこには、その時の神クリスティアナがいる。しかし、この時代の神クリスティアナは、多分、俺のことを知らない。


あって、いいものか、迷ってしまった。


しかし俺はワームホールの最終地点で何かをしている神クリスティアナが気になった。


俺が神クリスティアナの前にワームホールから出てきたが、神クリスティアナは、もちろんすぐに気がついたが、何も言わなかった。


周りを見渡してみる。そして「こんにちは、神クリスティアナ」


そうすると神クリスティアナは、意外にも「あなたが、ここにくることはわかっていました」と


俺が、ここにくることがわかっていた?


えっ、俺はさっき、ワームホールで過去を辿ることを決めたのに?


俺は言葉に出すことはなく頭の中で考えたのに、神クリスティアナが「はい、わかっていました」と言う。


「どうして?」


「それは、あなたが運命の子だからです」


「でも、俺があったのは未来のあなたのはず」


「そうですね、今の私とは、初対面でした」


「神クリスティアナ、ここで何をしているのですか?」


「私の神としての仕事は造られた星に命を与えること‥‥‥」


私の神としての仕事?


「そう、神としての仕事は、と言う意味」


「あなたに関わるのは、私個人の問題だから」


「個人的なこと?」


「そう、あなたが運命の子っていう意味合いが大きいのよ。どうして神の子でもないし、神の愛させし子とかもあるんだけど、運命の子なのか、そこに大きな問題があるのよ」


「どうして運命の子なの?」と聞いてみた。


「あなたは、世界を救う救世主でしょ」


「そうかもしれないけど‥‥今は、わからない。何を救えるの?」


「何を救えるのかは、自分で判断しなければなりません」


「そう、教えてくれないんだね」


「その時がきたら、わかりますよ」


「全て自分で判断しろと?」


「そう言うことになります。神からの教えは一切ないと?」


「はい」


「そうですか」


「じゃ、俺が勇者なのは、どうしてですか?」


「あなたは前世のアルベルトとしての記憶と能力を貰い受けましたが、それが原因ではありません。あなたは、そう思っているみたいですけど」


「えっ、違うんですか?」


「はい、あなた自身が素質があるからです」


「えっ、なんの素質ですか?」


「それは時期が来ればわかるでしょう」


「また教えてくれないんですね」


「あなたは‥‥‥」何か言おうとしたけど、言うのをやめた。


「さぁ、もう帰さない、運命の子よ」


「‥‥‥じゃ、俺は行きます」


「そうそう、これは教えてあげられますよ」俺は歩きを止める。


「えっ」


「あなたが求めているのは、も少しあとに時代になります」


「そうですか、俺が何を求めて、この時代にいるのかも知っているんですね」


「‥‥‥はい」


「わかりました、では」と言って俺はワームホールに入った。



私、神クリスティアナとしては、運命の子に言えることはない‥‥‥


運命の子であるクリスが切り開いてこそ救世主としての未来が開ける。


運命の子クリス、試練に耐えなさい、そうすれば、世界が救済されて私もクリスに助けられる‥‥‥


今が試練として試されている時です。



俺は時代を少し戻ってワームホールの出口を開いた。


俺が出たところは、地面ではなく上空だった。


上空から下を見てみると、山は噴火して、すごいことになっている。


検索魔法でサーチしてみたが動物はいない。


動物が生まれる前の時代らしい。


もちろん人もいない。


生命の神クリスティアナが、造られた星に生命の根源を与えて、少し経った時代だ。


今、星は、星としての形成しているところだ。


だから火山だけじゃなく、地形もすごいことになっている。


星創世記かぁ


星が、星として造られていく過程だな。


こんな形のものが、ゆくゆくは人が住めるようになっていくのか。


やたらとマグマが出て、グツグツいっている。


星も生きていると言うことなんだな。


星が生きているから、生きている星から生命が生まれる、ということかな。


おっと、見ている場合じゃなかった。


俺はレリックを探しにきたんだった。


星が作られようとしている今が、レリックの形成されつつある時だと思うから、それを探しにきたんだった。


検索魔法を展開して、レリックのありかを確認する。


そうするとレリックの反応があった。


数は、23個だった、俺が持っているのが16個だから、やはりウルフたちは7個のレリックを持っているわけだ。


それを俺が今の時点で、レリックの全てを横取りするわけだ。


俺が、全てのレリックをマークして、一斉に瞬間転移させる。


1秒くらいで、俺の手元に23個のレリックが転移されてきた。


今、転移してきたレリックを結界魔法で覆って、異空間収納に入れた。


「よし、これで帰ろうかな?」


俺はワームホールを通って、現在の世界に戻ってきた。


戻ってきたのは、オーリス王国の屋敷。


戻ると、俺の部屋には、コーヒーが置いてあった。


俺が部屋を出る時には、コーヒーは飲む干していた。


「??」 誰か来たのかな?


もう、夜中だから、誰かを確かめることはできないけど、アリシアあたりだと思える。


置いてあるカップを触ると、もう冷たくなっている。



明日になれば、全員が気がつくと思うけど、指輪がなくなっていることに‥‥‥


だから今日中に作っておく必要がある。


過去で指輪の原石のレリックを取ったと言うことは、俺がレリックを取った時点ではなかったと言うことになるから、16個ものレリックを手に取ることはない。


ウルフたちが集めたレリックも、今は消えているはずだ。


星の形成段階でできた遺物がレリックとして形成させる。


その形成段階で早いうちにレリックとなる物質をとっているから、もう全てのレリックが俺の手元にある。


全部のレリックを取り出して指輪に加工していく。


残しておく必要もないので、全てを一つのものにして、それから13個の指輪を作っていく。


デザインは、初めに作ったものと同じもの。


それを作成して異空間に収納して、俺は寝ることにした。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お読みくださりありがとうございます。


ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。


本当に多くの方の支援には心より感謝しております。

そして、何よりも小説を書くための励みになっています。


誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。


また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。


この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。

あくまでもファンタジー小説です。

前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る