第524話 魔族と魔物襲来4
俺たちは、この国の名前も知らないけど、一番、近くに魔物が出ていたのできたわけだけど、魔物の討伐が終わり指揮官のいるテントまで戻ってきた。
俺たちは飛行魔法を使って上空から地上に降り立つ。
テントの前まで歩いていくと、兵士や騎士たちから拍手が起きた。
「ありがとう、勇者さま」
「本当に助かりました」
「かっこよかったです」
「すごかった」
「騎士の命を救ってくれてありがとう」という声に押されて我々は歩いていく。
なんだか気恥ずかしい。
目の前には、あの指揮官が立っている。
「約束通り、敵は倒しました」と俺
「いや〜、感謝しておる」と態度を変えた指揮官。
「じゃ、俺たちは急ぎますから、約束通り、お金をいただきます。」
「うむ、わかっておる、勇者との約束を保護にしたら、国が滅んでしまうからな。しかし今はここには手持ちがない」
「それでは俺がもらうお金は孤児の施設に寄付してもらえますか?」
「‥‥‥それでいいのかね?」
「はい、俺たちには、そうしてもらえるのが、一番です」
「では、約束しよう」と言って手を出してきたので、握手した。
「あの、あなたは?」
「わしか? わしは、この国の王じゃ」
なんだ、王様だったのか
「では、王様、俺たちは、先を急ぎます。約束は実行してくださいね」と言うと
「わかっておる、勇者との約束を保護にしたら、ここにいる兵士や騎士たちからも突き上げが起きる。騎士たちは貴族だからな、そんなことをすれば大変なことになる」
「そ、そうですよね、王様、では、また会える日があれば‥‥‥」
「うむ、また、会える日があることを期待しよう」と聞きながら、俺は上空へ上がったので、全員が俺と同じことをした。
「なんとまぁ、全員が異能だな」と王
副官が「そうですね、初めは警戒しましたが、全員が清々しいですね」
「おい、至急、城に帰り、予算を捻出してくれ」
「はい、わかりました」と副官は宰相だったみたい。
2人して俺たちの飛び去った方角を眺めている。
でも、今からも大変になる、魔物の死骸は消えているのもあるが、魔族の死体を処理する必要がある。
そして王が改めて戦場に赴いたら、俺が放った魔法の威力を知って呆れていた。
*
俺は飛行しながら索敵魔法を展開してみると、かなりの場所が魔物と魔族に攻撃されている。
これだけ大規模なことは初めて。
メンバーに相談してみることにした。
「検索魔法でサーチしてみると、多数の場所が攻撃されているけど、どうしようか?」
ジャネットが「そうですね、難しい判断かと思いますが、分けるしかないでしょうね」
「うん、そうだね、広範囲に広がっているなら、分けていくしかないよ」とアリシア
しかし分けてしまうと難しい面が出てくる。
それは交渉だ。
戦場に赴いて、参戦しますと言って攻撃すれば良いかというとそうではない。
俺たちは勇者としてのメンバーの意味もあるから、その勇者が盟主になっているのが制限をされる結果となっている。
だから、俺は先ほどの国に対して金を要求とした。
本当は、そんなことよりも人命の方が大切なんだけど、俺たちに行動費用を払っているのは加盟国だけ。
何をするにも、食料を購入するのも金が発生する。
その金の出どころはと聞かれれば、加盟国になってしまう。
人命を優先するのは、当然だ。
しかし俺たちしか助けられる人はいない。
俺は考えて恩を得ることにした。
そのためには連絡する必要がある。
念話で『今、加盟国で起きた魔物、魔族が他にも攻めてきています、俺としては、人命を第一に考えて助けたいと思っていますが、加盟国でもないのに助けるのは、どうかと思いますので考えをお聞かせください。」と連絡した。
連絡すると、一つの国が、すぐに連絡してきた。
その国はオーリス王国だった。
全員に念話で通じていたので、みんなが返事を聞いている。
『オーリス王国だが、勇者クリスどのに依頼する、他国も助けてほしい。加盟国に関わらず、人命は大切だ。助けられる命なら、ぜひ、行動を起こしてほしい』と言ってきた。
シャーロットが「おとうさま‥‥‥」と呟く。
『こちらライオネル公国の国王だが、こちらもオーリス国王に賛成する。世界の平和があることが国を繁栄させるものとなります。ぜひ、私からも頼みたい』
セラフィーナ「もちろんです」
『こちらダイラス連邦の首長だが、クリス殿、君には行動の制限はしていない、君は君が思う通りに動けばいい、あとは国が補助する、また会おう勇者どの』
同様に他の加盟国からも返事が返ってきた。
「‥‥‥」
それぞれの国が、俺の行動を指示してくれた。
「じゃ、みんなトラブルになることがないようにしないといけないから、別行動よりも俺は、全員行動の方が良いと思う。
その理由は、貴族は面子が異常に高いことだよ。
もちろんみんなが伯爵になっている事は貴族カードで証明できると思うけど、2人で行動したって舐められれば助けることができないから1つずつやっていこうと思う」
ジャネット「そうですね、私も、改めて考えてみると、そう思います」
「貴族って奴は、本当に鼻が高いんだから」とイザベラ
「1万の魔物と魔族に対して女性2人で行っても難しいですね」とエイミー
「うん、そこなんだよ。やはり勇者の俺が率いていると言うのが安心感を与えると思うんだ」
「そうですよね、じゃ、なんで勇者が、ここにいないんだってことになりますよね」
「勇者は、どうした?って言われるね」とソフィア
「そうそう」とコリン
「私たちは勇者クリス、あってのものだね」とアリシア
「はぁ、なんだか疲れますね」とアイリス
「ほんとう、馬鹿らしい」とアレク。
「人が死んでいくことが起きているのにメンツが一番ですか?。ほんとう嫌になります」とアデル。
「じゃ、俺が交渉してから戦いに参加することだね、それまでは上空待機だね、もちろん基礎魔法を展開したままでだよ、味方でも攻撃してくることもあるからね」
俺が過去のアルベルトの時代の嫌な記憶を思い出してしまった。
アルベルトは最後、味方にやられて死んでしまったからだ。
俺たちは、他の人命も大切だが、メンバーの命の方が大事だ。
次の現場まで飛行魔法を使って飛んでいき、指揮官がいる場所を探してみるとテントがある。
俺たちが上空から近づいていくと指を刺して騒いでいる。
そういえば俺たちが飛行魔法を使って飛んでいても、他の奴が飛んでいるところを見たことがない。よほど珍しいのかな。
俺たちが近づくと弓を構えた兵士が多数。
上空から「俺はオーリス王国に所属する勇者クリスだ。指揮官に会いたい」と大声でいった。
俺の声を聞いたのか、テントから綺麗な女性が出てきた。
「ほんとうに勇者クリス殿なのか?」と返された。
俺だけが上空から、地上に降りた。
地上に降りたら、兵士や騎士から剣を向けられた。
俺は異空間から貴族の証明するカードを差し出すと、近くにいた騎士が受け取り女性指揮官に手渡した。
カードを受け取った女性は、他の兵士に「おい、本を持ってこい」と言って、言われた兵士はテントの中に入り、すぐに本を持ってきた。
本の中に書いてある俺のイラストと比べているみたい。
「そっくりだな。いや、失礼した。本物だとは思えなくて‥‥‥」と女性は手を差し出した。
「私は、この国の姫で名はアイリーンと言います。どうぞ、よろしくお願いいたします」と言って膝をついた。
姫が膝をつくと、そこにいる全員が膝をついた。
「皆さん、立ってください、俺たちは救援に来ました。ここで時間を作ってしまえば人命が失われます」
そこに上空で待機していたメンバーが降りてきた。
アイリーンは、みんなの顔を本のイラストを比べている。
「みんな、そっくりだな」
それは、いいから、急ぐんだよ、と思ってしまった。
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