第418話 魔法の鏡2

俺が初めて空間と言うものを知った、あの魔法陣が書いてある小屋に置いてある鏡を見つけた。


鏡を見てみると、そこには誰もいないけど、階段と魔法陣が書いてある床を映し出している、と言うことは、最近、誰かが使ったのか、魔力が残っている状態だということを考えて、寒気がした。


知らない間に、何者かの手によって、人の生活が見られていると言うことだから。


こんな空間、やばいな、それを利用しようとする奴も、どうかと思うけど、


でも、誰かが、作った部屋かも知れないし、自然にできたのか、理由はわからない。


鏡が世に出た時から、作られていたのか?


なるほど、、俺が時々、夢を見ることがあって、空間と言うことを言っていた奴は、この空間のことを言っていたのか。


なんだか、今までのことが納得がいった。


俺は勘違いしていたようだ。


さぁ、一度、戻れるか、試してみなければ‥‥‥


「みんな、一度、戻るね、鏡の前を開けて‥‥‥」と言うと念話で、すぐに「はい、大丈夫です」と言う声がした。


俺は魔力が充填されていることを確認して、鏡の膜を通って、現実世界に戻ってきた。


俺が戻ると軽い感じで「おかえり〜」とアレクが言ってきた、見ると、まだ、何か食べている。


その横に同じものを食べているアイリスがいる。


モグモグ‥‥‥モグモグ


二人はこちらを見ながら、モグモグっと食べている。


口だけ動かしているからネズミみたい‥‥‥


まぁ、暇だったからいいけどね、でも緊張感が薄れる。


俺たちは、壁から鏡を外して床に置いた。


それで安全か、どうかわからないけど。


話をまとめるために、、アレクとアイリスを鏡の近くに、残して、様子を見ておいてもらう。


二人には、話を念話で聞こえるようにする。


「クリス、どうだった?」とイザベラが急かす


「まぁ、落ち着いて‥‥‥」と手で制する


「魔法の鏡からは、鏡があるところなら、どこでも魔力を鏡に注ぐと見える‥‥‥」と入れが言うと


「何、それ、変態じゃん」とアリシア

「もう、鏡なんて見れませんね」とシャーロット

「じゃ、やっぱり、もし向こうが見ていて裸や着替えなんかも見えていたと言うことですよね」


「うん、そうなるね、もちろん、見えていたのは、着替えや裸どころではなく、行動も見えていたかも知れない。

俺は鏡の中で、鏡しか覗くことしかしていないし」


「その鏡には、何が写っていたの」とソフィア


「そうだね、とても全部の鏡を見たわけじゃないけど、人が誰もいない家具しか写っていない部屋とか、お店らしきところもあったよ」


「もう、お店も鏡があるところにはいけませんね」とセラフィーナ


「‥‥‥でも、今まで俺がいくら探知しても研究しても、見つけることができなかった理由がやっとわかったよ」


「そうだね、まさか魔法の鏡だなんて」とアリシア


「うん、私も、そこまで思わなかった」とソフィア


コリンは、ノートを持って、何か、一生懸命、書き留めている。


相変わらずだけど、また、本にするのかな? 


「でも、鏡対策は必要だと思うね」


「あっ、そうだ、このお城にも鏡があると思うから、王様に言って、どうにかしないとね」


「うん、そうだね、みんなは鏡を監視してくれる?、俺が王様にあってくるから」と言って瞬間転移した。


現れたのは、エイミーとアデルと王様とエイミーがいる部屋だ。


俺は、王とエレノアに報告する。


「王様、研究施設で起きたことを説明します」


「研究施設にいた、人は、人間の皮を被った、俺たちが追っているウルフと言う名前の奴です」


「人間の皮?」


「はい、最近、奴は、生きている人の体の中に、どうやってか、わかりませんが、入り、その人にとって変わることをして、悪いことをいます」


「もしかして、勇者物語に出てくる人物なのかね?」


「はい、そうの通りです」


「現実にいたのかぁ?」


「はい、夢でもないし、現実です」


「今までは、奴が、どうやって、この世界から姿をくらましているのか、わかりませんでした。

しかし、メンバー全員で、奴を追い込むことができて、奴はあるところに入るところをアリシアが目撃しました」


「それは、どこかね?」


「それは鏡の中です」


「えぇ、鏡の中?」王

「鏡の中に入ることができるんですか?」エレノア


「残念ながら、可能みたいです」


「奴が逃げ込んだ、鏡に魔力を注いでみると、硬い鏡が水の膜のようになって、通ることができるみたいです。

奴が通った後は、魔力を抜くことで、通れなくなるみたいです」


「聞いていても信じられんな」


「はい、私もそうです。今までウルフが世間に出てきてから、奴がどこに隠れるのか、数ヶ月の間、わかりませんでした。

まさか、奴が鏡から移動したり、潜伏することができるなんて、思いもしませんでしたからね」


「うむ、そうであろうな」


「それで、王様、急ぎ、お城になる全部の鏡に警備をつけることと、できたら、床に置いてください」


「何、お城の全部の鏡にか?」


「はい、そうです。急ぎ、、それを命じてください」


「‥‥わかった、おいっ、誰かいるか?」


「はっ、御用でしょうか?」


「急いで城中の鏡に警備をつけて、鏡を外して下に向けておいておけ」


「えっ、鏡に警備を助けるんですか?」


「そうだ、壁から外して、下に向けて置くように通達しろ」


「はい、わかりました」と敬礼して立ち去った。


それを見送った後、王様に「実は鏡の世界がありまして‥‥‥」


「鏡の世界、これは、また突拍子もない」


「はい、本当に俺も、そう思うけど、実際に俺は鏡の世界にいくことができました」


「おお、それは、本当か?」

「それで、鏡の世界は、どんなところだったんですか?」とエレノア


二人して目の色が違う、興味があるのかな、でも、鏡の世界には、何もないのに、本当のことを知ったら、がっかりするだろうな!


それとも、覗き見することに興味があるのか?


「先に言っておきたいんですが、鏡の世界には、何もありません。まさに鏡だけです」


「鏡だけ?」


「はい、鏡だけです」


「多分、ウルフは、研究施設長の体をいつか、わかりませんが、乗っ取って、井戸水に麻薬を入れて汚染していたと思われます。

そして鏡の中から、魔物を出したんだろうと思われます」


「何、貴殿の話は本当に突拍子もなくついていくのが大変だが‥‥‥」


「それを成し得るのが、奴です」


「俺の加盟国にはオズワルド王国がありますが、そこでも奴は鏡を使い悪さをしていたんですが、俺は、まさか鏡だと気づきませんでした」


そしてオズワルド王国やオーリス王国、ライオネル公国に魔物が大量発生しましたが、その時には、箱型のものを使っていました」


「箱型?」


「はい、箱型のものから魔物が大量に出てきたんです」


「魔物が大量?」


「出てきた魔物は、普通の魔物と違い、強さが半端ないくらい強くて、倒すのに苦労しました。

魔物の数は、3万体以上でした」


「な、なんだって3万体?」


「はい、そうです。それをほとんど、俺たちメンバーで討伐に成功しましたけど、最後に時間をおいてオズワルドに魔物が現れたんです」


「うん、それから‥‥‥」


「オズワルドに現れた魔物が、国が関係して魔物を出現させていました。でも、それに深く関わっていたのが、その国の研究員だったんです」


王様とエレノアは真剣に聞いている。


エイミーとアデルは知っているから、暇そうに異空間から、そこに入っているお菓子を出して食べている。


「バリっ」とシーンとしている部屋に、かじる音が響く。


全員がその音に驚く。


「あっ、ごめんなさい」と顔を赤くしているアデル。


エイミーは音が出ないように、紅茶につけて食べている。


エレノア姫がアデルのところまで歩いて行き、お菓子を1つもらって、「バリっ」てかじって大きな音を立てていた。


「‥‥‥」

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