第412話 限界突破3

考えばかり先行してしまって、練習が止まっていたので、もう一度、やってみよう。


俺の内側から、魔力を引き出していく、その引き出された魔力が魔法になり、攻撃できるわけだから。


基本は体内にある魔力、つまり魔法の力、そして量。


俺の体内にどれほどの魔力があるのか、いまだに底をつくようなことはない。


もっとだ、もっと、絞り出せ‥‥‥


俺の魔力は、こんなもんじゃないだろう。


もっとだ、もっと、体の中から湧き出させろ。


魔力よ、出てこい。


出てきて、俺の糧となれ


「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜ァ、ハァ」と声に出してしまったが‥‥‥


「で、できた」


俺は、その場に寝っ転がってしまった‥‥‥


はぁ、はぁ、胸が上下して大きく波打つ。


さすがにキツイ


そこにジャネットから念話が届いた。


「ご主人さま、大丈夫ですか?」


「あっ、うん、大丈夫だよ」


「もう少ししたら、帰るから、心配しないでと伝えてくれる?」


「はい、わかりました」と言って念話を切った。


このままじゃ、帰ることができない。というのは、上がった魔力を抑え込まないとまずい。


そして髪の毛が逆立ったまま手で直しても、元に戻ってしまう。


そして髪の毛の色が違う、俺の髪の色は黒だから、今はシャーロットの髪のように金色に変化してしまっている。


これじゃ、誰だかわからない。


魔力が上がったのはいいことだけど、俺の体を見下ろしても光輝いている。


というか、眩しくてしょうがない。


自分の体を見ることさえ、眩しすぎる。


魔力をコントロールするため、自分の体の中に押さえ込むことをやる。


自分の魔力なのに限界突破したら、これほどだったとは思いもしなかった。


こんな、ダダ漏れ状態の魔力では困ってしまう。


目に見えるということは、漏れている証拠だから。


俺は眩しさもあり目を閉じた方が集中できることもあり、立ったまま目を閉じた。


そして魔力が澱みなく自分の体を流れるイメージをする。


不自然じゃなく自然に魔力が俺を包むようにして押さえ込む。


徐々に抑え込んできた。


もう少しだ‥‥‥


あと、もう少し、よしっ、できた。


はぁ、疲れる。


でも、なんだか体が充実した感じがする。


俺の体の中で魔力の炎が燃え上がっているような感じがする。


「はぁ、これで朝の練習、終わり、さあ、空間から出ようっと」と言って空間から出てきたが、部屋の中に入ってくる日差しが朝の日差しではなく、夕方の日差しだった。


あれっ


まさか‥‥‥


俺の部屋には時計が置いていないでの、アリシアを探してみた。


でも部屋をノックしてもいない、一階に降りても、アリシアどころか誰もいない。


リビングにもいない。あれっ?


お風呂場に行ったら、、声が聞こえてきた。


なんだ、お風呂ぁ


でも、遅れて入っていくわけにはいかな意から、食堂で座って待つことにした。


俺はお腹が減ったので、温泉街で買い物した、すぐに食べられるものを探して食べることにしたけど、選んだものは甘いお饅頭だ。


自分でコーヒーを淹れながらお饅頭を食べることにする。


お饅頭を2つ食べ終わって、もう一つ、食べようとしたら、アイリスとエイミーとアデルとアレクとエレノアもお風呂から上がってきた。


「あ〜っ、ご主人さま、お饅頭食べている〜」と言われたので、


「君たちも食べる?」と言うとすぐに「食べる〜」と言って椅子に座った。


「エレノアも食べる?」と俺が言うと「いいんですか?」と言ってお饅頭を1個、受け取って「ありがとうございます」と言って食べ始めている。


「もうすぐ夕食だから、お饅頭、一個だけね」


「えっ、もう食べましたよ」とエレノア


「えっ、本当?」


「はい、食べてからお風呂に入ったんですよ」


「なんだ、そうだったのかぁ」


と言うことは、またも、夕食がないと言うことに決定したな。


と思っていたら、他の女性たちがお風呂から上がってきた。


「あっ、クリス、出てきたんだ」


「うん」


「じゃ、夕食の用意するね」とアリシアが言ってくれた〜よかった〜


「俺が食べている間、ケーキでも出そうか?」


「えっ、いいんですか?」

「あっ、食べる〜」

「ケーキ、いいな」

「やった〜」という声がしている。


俺が異空間収納からケーキをワンホール出すと、目の色が違う人が何人かいる。


「じゃ、これを切ってくれる?、もう夕方だからワンホールね」


アリシアが包丁を持ってきて、パトリシアに手渡した。


「えっ、私、ケーキなんて切ったことないですよ」


「じゃ、変わろうか?」と言ったのはソフィア


ソフィアが包丁で切り分けていく。切るのがうまいな。


でも、全員で15人だからケーキが薄くなってしまった。今日はエレノアもいるから。


ケーキを取り分けていくと、皿に立てるけど、倒れそうだ。


さすがに向こうは見えないけど、いつ倒れるか、わからない薄さだ。


「寝る前だからね」


「わーやった」とアデル

「本当に少しね」とイザベラ

「でも、食べれるだけマシ」とコリン


みんな美味しそうに食べている。

でも、物足りないかんじ。


「あっ、クリス、空間で、何を練習していたの?」


「あっ、うん、今はまだ、練習中だから、また後でね」と言葉を濁した。


本当は、言ってもいいんだけど、まだ、自分のものにしていないからね。


なんだか、空間にいるときは時間の間隔を無くしてしまう。


アリシアが夕食を用意してテーブルに並べてくれた。


今日は、野菜料理がメインだったみたい。


熱々になった野菜料理を食べていると、アリシアが目の前に座ってケーキを食べ出した。


みんなは寝る前なのでお水を飲んでいる。


エレノアは、ずいぶん、メンバーと仲が良くなったみたいだ。


皆んなとたわいもない話をしているけど、主に話すのは年齢が近い神獣たちの幼年組だけど、本当は、人とは違う年齢があるため、全員が人族のソフィアよりも年上だけど。


俺も食事が終わったので、お風呂に入って寝ることにした。


アリシアに片付けを頼んで、俺はお風呂に行く。


脱衣場で洋服を脱いで露天風呂に入っていくと、水が少ない。


たぶん、お風呂で遊んだんだろう。


俺は少ないけど、洋服を脱いだから、しょうがなく肩まで浸かるため、沈み込んだ。


温泉街が近いため、何かの音楽の音が少し聞こえる。


でも、屋敷は少し温泉街から離れているので、明るさがないため、星空がよく見える。


ハァ〜気持ちいい、でも、この屋敷をもらうときに、冗談でもエレノアを押し付けられなくてよかった。


あっ、そうだ、エレノアを返しにいくときに、お城に俺たち専用の部屋をもらうことができないか聞いておく必要がある。


いつでも緊急事態になれば、瞬間転移できるように。


でも、俺の加盟国が危険な場合は、加盟国を優先する必要がある。


ボールドウィン王国は加盟国ではないからな‥‥‥、どうしようか?


まぁ、その話は、また、後で考えようか。


今は温泉を楽しもう!


俺は昨日は温泉には入っていないから、ここも他とは泉質が違うみたいだ。


あまり硫黄の匂いはしない。


山荘の屋敷もいいけど、あそこは虫が多いんだよね。山だから。


ここは、温泉街の方が明るいから、虫は向こうに集まるだろう。


ここには今の時間は虫は見えない。


やっと温泉の水が満たされてきた。


「ガラッ」と言う音がして、誰かの素足の足音がした。


目を下に向けると、タオルを巻いたアリシアとイザベラとソフィアとコリンが入ってきたみたい。


あれっ、さっき温泉に入ったんじゃないの?と思ったけど、口には出さない。


「クリス、いい?」と言うアリシアの声がして「どうぞ」と答えた。


温泉の湯が程よい状態になっていたけど、4人も入ってきたから、お湯が溢れかえる。


4人は、俺の近くまで立って歩いてきた。


右にアリシアとソフィア、左にイザベラとコリンが座る。


「それでクリス、空間では、何をしていたのよ」とイザベラ


「そうね、聞きたいわ」とソフィア


「空間ではね、以前、王都の上空で聖属性魔法で麻薬を浄化したでしょう」


「それの続きをしたんだよ」


今は、まだ、詳しくは言えない。


「そう」


俺は話を変えるために「ここの星空もいいね」


「うん、そうだね」とアリシア


「本当に綺麗だけど、、家が増えていくね」とコリン


「うん、そうなんだよな〜」


「でも、エレノアを押し付けられよりも屋敷の方がいいよ」と小さい声で言った。


このお風呂の上が、ベランダを挟んでエレノアの部屋だから。


今、エレノアを検索魔法でサーチすると、もうベットの中みたい。


「上で寝ている人がいるから、普通の声でもうるさいかもしれないから、また、今後ね」と言って、俺は上がることにした。


取り残される4人‥‥‥

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