第411話 限界突破2

俺は魔法無効化に取り組んでいる。


相手が放つ魔法を無力化、または、無効化する魔法だ。


俺が以前、練習して取得した魔法を吸収するやり方のバージョンアップが、この魔法だ。


魔法を展開する時には、2つあるんだけど、一つは自分の魔力を使ったやり方、そして、もう一つは他から魔力を集めるやり方。


多くの魔法師は、自分の魔力しか使っていない。


俺たちくらいだと思うけど、他から魔力を集めるなんてことができるのは。


俺は、どうしてか、わからないけど、、それを以前から知っていたから魔法の基礎と考えている。


たぶん、前世の俺は自分の魔法力だけど、魔法を使っていた。


だから魔力欠乏症になってしまった。


と言うことはだよ、他から集めることができれば、自分の魔力を温存することができるじゃない。


でも、それは、すごく難しいことらしい。


今度、どこかの魔法学校とか、冒険者学校があれば、教えるのもいいと思う、冒険者が冒険をしても死ぬようなことが起きないように。


どこか雇ってくれないかな?


そうすると、もうこんなことに関わらなくていいかも、あっ、でも勇者物語が出ているから、ダメか、今回みたいに、国に引っ張られてしまうこともあるかぁ


だって最後に残った姫が探しに来るくらいだからな〜



気持ちを切り替えて練習しようっと。


まずは、いきなり自分に向けて魔法を放つのではなくて、魔法妨害ができるか、確認、魔法妨害の中でも魔力無効化、無力化ができるか、どうかを空中に普通のファイヤーボールを浮かべて、それに対して、無効化の魔法を使う。


要は魔力を吸い取ること。


だって、どんな魔法も魔力で作られているわけだから。


吸血鬼みたいに血を吸い取るんじゃなくて、魔力を吸い取ること、でもウルフの魔力は、悪すぎて、きたなすぎて、吸い取る気にならないから、それも考える必要がある。


あんな魔力を吸い取ってしまえば、俺が汚れてしまうから、嫌だよ。


魔力が異質な人が多くいる場所に短時間でも、いると風邪をひいたり、だるくなったり、気を吸われてしまう。


長くいると感化されてしまい逆に何も感じなくなって、具合が悪いのに「私、ゲンキ〜』だと思う場合もある。


具合が悪い時には、全て感じることはなく、脳神経の問題から感じることもない場合もあり得ること。


どこかが悪くても、脳が元気だから危険信号として痛みを感じさせる。


それが普通だから。


悪すぎると、どんなに体が悪くても、痛みさえ感じない。


話が、それたけど、今は目の前に浮いているファイヤーボールを魔法無力化で消去することの練習。


ファイヤーボールを消しては、また、作り、それを無力化していく。


相手の魔法を無効化、無力化するためには、魔力を吸い取ること、または魔力を霧散させることが一番だから、ウルフのように汚い魔力は霧散させることだな。



いい魔力は吸い取って、吸収したくない魔力は霧散させる、そうだ、これで行こう。


でも一般的な魔法師や冒険者が使う魔力は微々たるものだ。


吸い取っても意味はないかな?


じゃ、霧散させる対抗魔法だな。


霧散させるには、どうやるか、そこが問題だな。


相手が魔法を放つ前に、俺が霧散魔法を放出することが、一番だと思う。


魔法を霧散させるには、どうしようか?


相手は自分が持っている魔力で魔法を行使しているわけだから‥‥‥う〜ん、そうだな〜


そうだ空気砲みたいに、ぶつければいいのか!


でも空気じゃダメだから、何をぶつけるかだな。


あっ、そうだ、ウルフには俺の聖属性魔法をぶつけるのが一番、影響があるんじゃないかな。


でも、練習しようにも、ウルフのような悪い魔力を持った奴がいないから効果の程はわからないや。


でも、一応、練習はしておこう。


以前、限界突破した聖属性魔法を作って、俺のファイヤーボールにぶつけてみる、


でも、何も起きない、俺にはウルフのような悪い魔力はないと言うことなのか?


あの時、アリシアを襲おうとしたのに、なんて‥‥‥悪い狼さんだぞっ‥それじゃウルフかぁ‥‥


ファイヤーボールを何回も作って、浮遊させて聖属性魔法を放って霧散させることをしてみるけど、やればやるほど、ファイヤーボールも霧散してきたぞ。


と言うことは、俺にも悪い魔力があるということなのか?


じゃ、アイススピアを作って、浮かして、それに対して聖属性魔法を放ってみた。


やはりアイススピアも霧散してしまう、


それだけ限界突破した聖属性魔法が強力と言うこともあると思う。


今は朝から空間にいるけど、限界突破のイメージで、俺、全体の突破ができるか、やってみた。


全ての能力においての限界突破だ。


今までは武器しての一つ、一つの限界突破をしてきたけど、と言うことは、一つづつじゃなく、全部の限界突破だ!


何をイメージすればいいかと言う、思いついたんだ。


そう神だ。


神のイメージで限界突破をやってやる。


この星でも最高は神であるわけだから、その上を行かなければ限界突破だなんて言えない。


そして、俺がイメージする神は、どうしてかわからないけどクリスティアナにした。


クリスティアナは生命の神であるから、3神の中でも悪い神じゃないと思うから。


3神とは、創造神ナサニエル、宇宙神アラスター、そして生命の神クリスティアナ


俺はこの中でウルフと組んでいるのは、創造神ナサニエルだと思っているけど、違うかもしれない。


でも、この3人の神の中にいることは確かだと思う。


今度は神を相手にすることになるのかぁ


その神が、どうして人間の世界にちょっかいを出しているのか?


目的がわからない。


俺の見当違いであればいいんだけど。


でも、今は、何よりも自分のことを考える必要があるから、問題は俺自身の限界突破だ。


俺は聖属性魔法を使った時と同じようにすることを考えるが、あの時は、王都全体の麻薬反応を検知することと、それを浄化することを考えていた。


同時に検知と浄化の魔法を使ったわけだけど、その時と同じように、俺自身の限界突破を促す。


もちろん、一回でできるなんて簡単なものであれば、とうの昔にできている。


できないからこそ、努力しているわけだから、もし仮に別な奴が勇者になっていたらと、いつも考えてしまう。


そいつだったら、もっと上手くやれたんじゃないかと。


でも、今は俺に託された勇者なんだから、限界突破をしてみせる。


俺は魔力を体の中から湧き出すようにしていく、内側から魔力を波のように放出していく。


どんどん、どんどん、魔力を放出して濃くしていく、もっとだ、もっと‥‥‥


もっと必要だ‥‥‥ハァハァ‥‥‥ちょっと休憩


これは、以前やって聖属性魔法よりもキツイな。


まぁ、それも当然だよな、一部の魔法じゃなくて、俺の全身の限界突破ななんだから。


もう一度だ‥‥‥


魔力を内側から燃えるようなイメージを持ち、上げていく。


実際に燃えているわけではないし、火のイメージをしているだけだから、または氷の魔法を使うときに、、硬く、硬くしていくイメージ、また、風の魔法を使う時の風を吹かせるようなことではなく、風の威力の速度も上がるイメージで風が刃のなるようなイメージを作る。


もちろん、それだけではないけど、要は俺の魔力を増大させるイメージで限界突破する。


人の体の中には、生命力があるけど、その生命力と魔力は、同じようなものだ。


魔力を使いすぎれば死に至ることもあるだけだから、生命力=魔力の関係が成り立つ。


生命力というよりも『生きていくエネルギー』が、魔力だと考えている。


魔法を使いすぎると、魔法を使うどころか、たってもいられないくなるからだ。


魔力切れを起こした奴は前世で多くいたけど、魔法師が魔法を使えなくなることだってあるんだから。


俺も、その一人だったから。


生きていくエネルギーは簡単には充填できない。


回復するまでの時間が必要だけど、回復しないで死んでいく冒険者もいる。


魔物から傷を負わされて死んでしまう奴もいれば、魔法を使いすぎて魔力切れを起こして死んでいく冒険者なんか、ザラにいる。


自分の魔力が、どれくらいあるのか、わからないせいだ。


魔力量は、人それぞれ違うから、判断ができない。


すごい魔法が放つことができても、魔力量が少ない冒険者もいる。

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