第408話 ボールドウィン王国の亡霊4

俺たちの活躍が認められて、この国に屋敷をもらうことになった。


もらう屋敷の候補は4箇所あるとのことで、選べるらしい。


ひとつ目の屋敷候補は、貴族街にある屋敷、2番目は、お城の近くにある屋敷、2番目は一番、お城に近い、3番目の屋敷は、王都の端に位置する屋敷、4番目は王都の外にあって、広大な敷地があって山肌に立っている屋敷で、温泉街に立ってると言うことを聞いたので、俺たちは、もちろん4番目の屋敷を選ぶことにした。


温泉街って言っても、少し離れているから、人は、屋敷の近くまではこないそうだから、余計にいいじゃないか。


以前は貴族が保養地として建てたそうだけど、しばらくは使われていないけど管理人がいるから、掃除もしていると言うことだ。


俺たちは早速、屋敷に行くことにしたけど、案内としてエレノアがついてきた。


お城から地図をもらってきたから、案内はいらないけど、どうしても着いていくと言うからしょうがない。


俺たちは透明になりながら、お城から飛び立って飛行魔法で飛んでいる。今度は、俺とエレノアが手を繋いで飛んでいるのは、エレノアのたっての希望だから。


王都から離れて、街を見ながらゆっくり飛んでいくけど、もう麻薬の反応は出てこない。


しかし、今回は俺にもいい経験ができたと思っている。


その理由は、限界突破ができると言うことに尽きるだろう。


聖属性魔法を使うことで限界突破ができるなんて、思いもしなかったからだ。


しかも、全然、疲弊しなかったから余計に、今までとは違う感覚を覚えてしまったから。


その感覚を今でも覚えているから、あとで空間を作って試してみたいと思っている。


王都の街並みが見えなくなり、俺たちは南下してきている。


見に行く屋敷は、国の南側にあるとのこと。


何もない道を下に見ながら、さらに南下していく。


今回はスピードを上げる必要がないので、観光気分でゆっくり飛んでいるけど、前に街が見えてきた。


「クリス様、あの街に屋敷があります」とエレノア


「へ〜」と俺


街の上空に着いたので、街並みを見渡している


エレノアが「え〜とですね、あっ、あの屋敷ですね」


見てみると温泉街からは結構、離れているし、一軒だけ広大な敷地を持つ大きな屋敷が建っている。


俺たちは透明化魔法を解除しながら上空から屋敷の庭に着地する。


城の管理になっているそうなので、現地には手入れをする人がいるだけみたい。


俺たちは庭に足をつけて、歩き始める。屋敷の外見は、綺麗だ、たぶん、数年しか経過していないような作りをしている。


エレノアが、鍵で屋敷の扉を開けて、中に入るので、あとをついていく。


大きな屋敷だけあって、中も大きな作りになっている。


キッチンも広いし、ダイニングテーブルも、さすが貴族が使っていた屋敷だけあって大きい。


2階に上がると部屋がいくつかあってベランダがある。


ベランダからの景色は温泉街を見渡すことができる。


景色がいいのは、ここの方が少し高い丘にあるせいみたい。


いくつか部屋を見て回ったけど、どの部屋も個室みたいでベットが一台、置いてある。


なんだか、ホテルみたいなところだな。


そして一階に降りて行き、温泉があるお風呂場に行ってみる、どんなところか楽しみだ。


脱衣場の扉を開けると、露天風呂が目の前にあり、上を見上げると、2階のベランダが見える。


そうか、ベランダの下が露天風呂なんだ。


ベランダが屋根みたいになっているけど、半分くらい露店の方が先にあるから、雨でも入れるし、天気がいい日は、、露天の先にいくと青空が見れるみたいだ。


温泉街から少し離れているので、夜空もすごくきれいなじゃないかと思える。


昼間に入る温泉もいいけど、夜の星や月を見ながら入る温泉は最高だよね。


「 クリス様、お父様が今日は一緒に泊まっていっていいっておっしゃってくれたので、私も今日、ここに泊まっていいですか?」とエレノアが爆弾宣言をした。


もしかして、そのつもりでついてきたのか?


「王様が良いって言うなら、いいよ」と俺は言うと全員の視線が気になったけど、しょうがないよね。


「あっ、でも温泉は、俺たちタオルを巻いてはいるけど、あとで入る?」


「いいえ、一緒がいいです、私、知っていますから、皆さんが、一緒にお風呂に入ることは勇者物語に書いてありましたから」と言い出す。


俺はコリンを見て、そんなことまで書いてあるのか? と目で問いかけたけど、コリンは目を逸らした。


なんだか普段の生活の暴露本じゃないかと思った。


勇者物語と言うタイトルじゃなく、勇者の暴露本と言うタイトルがつくんじゃないか?


「でも、クリス様は決していやらしい目で女性たちを見ない、つて書いてありましたよ」


「えっ、そうなの?」


「はい」


「いやいや、俺だって男だから、そんなことないよ。

ちらっと見えたら、ドキッってするから」


「じゃ、悩殺しないとですね」


王様、あなたの娘は、大変なことを言っていますよ‥‥‥


俺は上空からこの街を見たときに検索魔法で麻薬をサーチしてみたけど、反応はなかった。



この温泉街までは麻薬の混入は無いと考えているけど、王都だけ狙われたと言うことが目的だったのかもわからない。


なんだか最近はわからないことが増えてしまっているため考えることが嫌になるくらい多い。


俺たちは、部屋を決めて、俺は屋敷の主人の部屋を占拠させてもらった。


俺の部屋は、いつもメンバーの集まる場所にもなるので、大きさも必要だから、全員の荷物も俺の異空間に収納させているし。


そういえばエレノアも荷物を持っていないけど、どうするんだろう?


「エレノア、 今日ここに泊まるって言った割には荷物を持ってないみたいだけど、いいの?」


「あっ、それはですね、いつもここにきた時に洋服を置いているんですよ」


「えっ、ここって君たちの屋敷?」


「はい、だからクリス様の反対の部屋が私の部屋です」


「どうりで、あの部屋だけ鍵がかかっているんだね」


「はい、その通りです」


「あっ、でも、しばらく使っていなかったって言っていたよね」


「はい、しばらくというのは2ヶ月くらいですね」


「そう、なんだ」


「お父様が、温泉に行くのはいいけど、遠いっていうんですよ」


「そうだね、馬車だと、ちょっと遠いかな」


「私、クリス様たちが入っていることもあって温泉、大好きなんですよ」


「そうだね、俺たちも前は冒険者してたから、宿を見めるときに温泉はないけど、お風呂があるところを希望したこともあるからね」


「そうなんですね」


アレク「うん、お風呂がある宿は、料金が高いんだよ」


「そうなんですか?」


「でも、2階のリビングを挟んで勇者様と一緒に寝られるなんて、夢のようです」


「うん、そうだね、リビングを挟んで‥‥‥」


「クリス様、あとで街まで買い物に行きませんか?」


「そうだね、今は、まだ午前中だし、買い出しにも行こうか?」


ということで全員で徒歩15分歩いて街に出てきた。


結構、賑わっている。


「じゃ、今回は買い食いしたり、料理を買って食べようか?」


「やった〜」とアデル

「よかったのじゃ、またご主人さまを悩殺する下着を買うのじゃ」とロゼッタ


「また、買うのロゼッタ」とジャネット

「いくらあってもいいのじゃ」とロゼッタ


というけど、そんな迫られたことは一度もない。


第一、温泉街に、そんな下着、売っているのか?


まぁ、たぶん、ないだろうな。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2023年2月19日

今まではプロローグ7で終わっていたのを、プロローグ10までに増やして変更しております。


特にライラとアルベルトのシーンは大幅に変更を行いました。


変更がないシーンもありますが、特に力を入れたのはプロローグ9、10です。


ライラとアルベルトのことを書いてあります。できたらお楽しみください。


最後にブックマーク、ハートマーク、星マーク いつも励みになっております。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る