第375話 魔法陣

カーペット研究というよりも、魔法陣の研究だろう。


今では魔法陣は昔の産物になっている。


つまり、今は、本当、使っていないのが魔法陣だ。


でも、今は、オズワルド王国のお城に転移してきて、それぞれの国の代表団を、どこに転移させるのか、決める必要がある。


なので第二王子はランドルフと言う名前なので、ランドルフ王子に面会を申し出たら、すぐに、王子が俺たちが待つ部屋へ入ってきた。


「それでクリス様、要件とは?」


「あっ、ランドルフ王子、出席する代表団を、どこに転移させたらいいのか、聞こうと思って」


「あっ、そうでしたね、一番、安全なところがいいでしょうから」と言って、チラッと俺の方を見て「ここでいいですか?」とランドルフ王子は言ってきた。


「まぁ、そうだけど、いいかぁ」と中半端な受け答えをして、了承した。


「そして各国の代表団の部屋は用意してある?」


「ええ、もちろん、それぞれの国の段表の方は国賓ですから、それなりの部屋を用意しております」


「クリス様も国賓ですから、ごゆっくりしてくださいね」


「それが、ちょっとゆっくりできないんだよね」


「えっ」


「!、あっ、そうそう、このお城には書庫みたいなのがある?」


「はい、それは、もう、代々の王が集めた本が、ございますが、クリス様は、いかような本をご所望で?」


「うん、魔法陣について知りたいんだ」


「魔法陣ですか?、ふむ、ちょっと待ってください」


「おい、誰か、詳しい者を呼べ」と警備している兵士に告げた。


「あっ、俺が行ってもいいかな」


「はい、それは、もう、よろしいですが、案内をさせますので、私も行きたいですが、仕事が多くて‥‥‥」


「そうだろうね、でも大丈夫だから、案内の人がいれば」


「そうですか?、では、この者に案内させますので、おい、粗相のないように」と言って、ランドルフ王子は、忙しそうに部屋から出ていった。


まだ、午前中なので、午後から瞬間転移してくるようにと、各神獣たちに告げて、待機させる。


もちろん待機させるのは、王族も。


俺は、急ぐように、案内してもらう人に、言った。


案内してもらう文官の人は、王族が住む場所から、遠くない数階下に俺とアリシアを案内してくれた。


普通は書庫は、地下にあるのが多いと思うけど、俺たちに案内されたのは、王族専用の書庫のような気がした。


ということは、ここに重要な本が置いているということだろう。


王族専用と思った、もう一つの理由は、椅子にしても、テーブルでも、豪華だからだ。


全てにおいて、豪華な作りをしている。


部屋の作りだけじゃなく、本も鎖付きの本が多い。


案内された文官から、この部屋の司書に話が通され、お偉い司書が出てきて、「当然ですね」と、なんだか偉ぶるように言われる。


「はい、ちょっと、参考になる本を探しておりまして」と俺が言うと


「どんな本を探しているんだ」と、嫌そうに答える。


「魔法陣について書いてある本は、ありますか?」


「魔法陣?、そんな古いのは、あまり置いていないですね。おいっ」と近くにいた人に言って、、その人が近寄ってきた。


「はい」


「この人たちに、魔法陣の本を見せろ」


「は、はい、わかりました」と返事も聞かないで、お偉いさんは離れていった。


「あのー、それで魔法陣の何を知りたいんです」


「とにかく、魔法陣の書いてある本を見せてください」と俺が言うと、


「では、こちらに」と言って、司書さんは歩き出した。


この書庫には、たくさんの本が並べてあり、それらを歩きながら横目で見ている。


しばらくすると、司書さんは足を止めて、「こちらになります」と言って見せてくれた。


アリシアは本から離れているけど、遠目に本を見ている。


俺は本棚に近づいて、背表紙から本の中を考察しているけど、一冊の本を手に取ってみたが、大したことは書かれていない。


パラパラと本を捲りながら、戻したり、また違う本を取って読んだりするけど、俺が欲しい本じゃない。


しかも魔法陣の本は5冊くらいしかない。


「これだけですか?」


「ええ、ここにある本が魔法陣の本になります」


「‥‥‥、俺の求めていた本とは違いますね、これじゃ無駄足でしたね」と俺が言うと、司書さんは、「あの、詳しく、どう言う本をお求めなのか、聞いてもいいですか?」


「魔法陣の陣について書いてある本です」


「陣?」


「はい、そうです、魔法陣の陣の書き方ですかね?」


「書き方?」


「う〜ん、うまく説明できないですけど、魔法陣でも色々な魔法陣があると思うんですよ」


「色々な魔法陣ですか?」


「そうです」


「それなら金書庫で見たような気がしますげ、我々も、簡単には入ることができない書庫なので‥‥‥」


「えっ、あるんですか?」


「はい、確かですよ、あると思いますけど」


「じゃ、入れてください」


「それが王の指示書がないとダメなんですよ、申し訳ありませんが」


「じゃ、もらってきてください」


「えっ、ダメですよ、しかし、あなたは、貴族様ですか?」


「あっ、申し訳ありませんでした、私は、こう言うものです」と言って、貴族の印があるカードを出した。


アリシアが「クリス、それよりも、もう一つの方の方がいいじゃない?」


「もう一つ?」


「うん、もう一つの方」


「あっ、これかぁ」と言って、俺は、異空間収納から、盟主としてのカードを差し出した。


盟主としてのカードには、加盟国で活躍するための、お墨付きの国の刻印が入ってある。


それを司書さんに渡すと、「ヒッ」と言う声を出して増える出した。


「ちょっと、大丈夫ですか?」彼の体をゆすると、再起動した。


顔を赤くして「クリス様って、あの〜、この国を魔物から救って下さった英雄様ですか」


「まー、英雄かどうか、わかりませんが、魔物は討伐しましたけど」


「やっぱり」


「ちょっと、あちらの椅子に座って待っていてくれますか? すぐに用意しますから」と言って司書さんは走って出て行った。


俺たちは、椅子に座って、待つことにしたけど、椅子に座って数分も待つことなく、紅茶が出されて。


多分、あの司書さんが、指示したんだろう、出がけに声がしたから。


多分、こんなところで紅茶を飲む人は、そう多くないと思うから、高級な紅茶みたいだ。


いいい匂いがする、飲みやすい。


数分で、すごい勢いで戻ってきた司書さんは、ハァハァ言いながら、俺たちのところまで来て、「ランドルフ王子から、了承が取れました、でも怒られてしまい遅れました」


「ランドルフ王子は、先ほどの文官に、あなた様が要求するものは、全てお見せしろと指示していたそうですが、行き違いがありまして、申し訳ありません

まだ、次期国王が決定していないせいで、城の中のまとまりが悪くて」


あっ、なるほどな、そう言うことか?


まぁ、それも当然だよな。



「いいえ、大丈夫ですから、金書庫に急ぎましょう」


「はい、こちらへ、どうぞ」


と言って俺たちは椅子から立ち上がって、司書さんの跡をついていく。


俺たちが牢屋のような扉の前で、司書さんが鍵を開けていると、先ほどの偉そうな司書が、走ってきた。


「おい、貴様、ここは立ち入り禁止だぞ」


「はい、司書長、こちらの方を金書庫に案内するようにランドルフ王子から、言付かりました」


「なんだと」と言って俺の方を睨む。


なんだ、この人はタチが悪いな。


そして後ろにいるアリシアの方を見て、目を大きく開いて、いやらしい目で目で見ている。


俺は、怒ったように司書長に対して「おい、貴様、俺は、公爵だぞ‥‥ 今、貴様は俺の婚約者を、舐め回すように見たな、この場で切り捨てても、文句は言えんぞ」と切り出し手を刀に置いた。


「ヒィ〜、ご勘弁を」と座り込んで腰が抜けて立てなくなったから這って逃げている。


俺たちが、貴族しか入ることができないエリアに入ろうとしたこと、そして金書庫に案内されようとしたことがようやく理解できたみたいだ。


もう司書長の後ろ姿がおかしかったけど、今、笑うと、ここにいる司書さんが怒られるので、やめて置いた。


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また意味不明な文章があることもあるかと思いますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。


この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。

あくまでもファンタジー小説です。

前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語を書いています。

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