第321話 大公国の戴冠式準備(後半)

入ってみて、わかったけど、店構えを見ても、高級ランジュリーショップだということがわかる。


高級なお店は、貴族とか、王族専用になっている場合が多い。


一般庶民には手が出ないような値段になっているし、貴族と言うことを証明しなければいけない店もあるみたいだ。


貴族と言うことを証明しなければいけないのかなと思っていたけど、このランジェリーショップは、出さなくても良かったみたい。


扉を開けて女性たちが、まず先頭に入っていく。


イザベラとコリンも手を離してくれたので、やっと自由になった感じだけど、神獣たちもワーワー、キャーキャー言いながら店に入っていってる。


神獣たちは、はじめの頃は自分の魔法で洋服を作っていたのに、最近はデザイン的にも買ったほうがいいみたいなのでランジェリーショップに入って選んでいる。


でも、今日は目的が王都の散策なので、お店を回ることも構わないと思うけど食べ過ぎたら宴の料理が入らなくなる。


全員がお店の中に入ったので、俺は店の中を見渡して、テーブルと椅子が置いてあったので、そこに座った。


「ようこそ、 いらっしゃいませ」と店主の女性


「ちょっと見せてくださいね」とソフィア


「どうぞ、ご自由に」


そして店主の女性が俺のほうにやってきて、「いらっしゃいませ」と言って頭を下げた。


奥に合図して、紅茶を持って来させた。


「あの、今日は、ご婦人たちの、お供ですか」と店主


「はい、いつも姉と妹たちのお供で」


「まぁ、大変ですね」店主


「いや〜、いつものことですから」


「それにしても、お姉さんと妹さんたち、美人ばかりですね、スタイルもいいし、これは、当店のお店に向きの方ばかりですから、ご購入されたら、お一人様、もう一着ずつ、プレゼントしますよ」


「えっ、そうですか?」


「みんな、好きなの選んでいいいよ」と俺が言うと、みんなは、きゃーキャ〜言いながら好きなのを選んでいる」


まぁ、これだけ一斉に女性が入店してきて、買うんだから、すごいことになりそうだけど、店主が良さそうな人だから。


女性たちが11人もいるから、大きな店でも、すごいにぎわいになっている。


下着類から、上着、スカート、靴下まで、高級品だけど、まぁ、今回は、王の戴冠式もあるし、今日の宴の洋服もいるから。


「あっ、そうだ、今日の宴の洋服も買っていいよ、ドレスを着る人は、ドレスを購入してね」


そうしたら、また、キャ〜と言っている。


それを聞いていた店主が、「お客さま、貴族の方ですか?」


「ええ」と言うと


「どうりで年齢が若いのに、堂々としていらしゃるから」


「いえ、そんな‥‥‥」


「ちょっと聞いていいかしら」


「はい」


「もしかして、今度、国王になられるハワード様の戴冠式に出られるの?」


「はい、そうです」


「まぁ、じゃ、私が見繕いますわ」


と言って、俺から離れて、女性たちの方に行って助言している。


これは、しばらく時間がかかりそうだな。


でも、ここには神獣たちもいるから安心だけど、俺も感覚魔法でサーチは忘れない。


いくら店主が良い人だからといって、以前のようなことは避けたい。


以前、買ったドレスとかは俺の異空間収納に入っているけど、そろそろ、新しいのが良いだろうと思う。


でも、俺も女性たちとショッピングをしていると気がまぎれるから。


じゃないと、俺もいつ、奴が襲ってくるのか、気が抜けない。


もちろん抜いているつもりはないけど。


今も俺は緊張して魔法展開をしている。


しかし、俺は椅子に座りながら、女性たちや店員の動きを確認しているけど、目線は外を向けている。


外では、多くの人が歩いている。


馬車が通りを荷物を持って通ったりしているし、兵隊も歩いている。


色々な人が多く通るので、あきることはない。


時々、耳が拾う言葉を除けば。


耳が時々、拾う言葉は、Dカップだとか、Fカップだとか、スケスケとか、そんな言葉に俺の耳は反応してしまう。


いかん、いかん、集中、集中!!


待っている間、暇だったので、俺の洋服もないことに気がついて、店主に聞いて、男性用の洋服を置いている店に行って調達してきた。


俺は、ちょっと前とは体型が大きく変わっていることを忘れていた。


以前は、160センチくらいだった体格が、今では180センチを超えているんだった。


魔法の能力のせいで一気に身長が伸びてしまっていた。


俺が買って店に戻ってきても、まだ試着していた。


結局、ドレスの試着があったので、5時間、お店にいてしまった。


代金は俺が、全て払ったけど。


もう、午後3時になってしまった。


急いでお城に帰らないと。


馬車が待っていると思うから、待ち合わせ場所に行かなければ‥‥‥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る