第325話 大公国の戴冠式準備5

やっと国王主催の晩餐会が終わったけど、多くは俺を利用したような感じで貴族の挨拶に本当に疲れてしまった。


俺たちはやっと解放されて部屋に戻ってきたんだけど、全員が着替えることもなくテーブルに顔をつけて伏せている。


「あ〜疲れた〜」


「もう、イヤだ〜」と俺が不平不満を言っている。


でも女性たちは復活して、 晩餐会のことをしゃべっている。


あの料理が美味しかったとか、ドレスが良かったとか、化粧が、どうのこうの。


そして全員でドレスを着替えに行った。


戻ってきたら、全員がドレスを手に持っていた。


「えっ、そのドレス、どうするの?」


「もらっていいんだって」


「へー、そうなの?」


「うん、だから私たちのドレスを入れて欲しいんだけど」


「あー、はいはい」と言って俺の異空間に入れたけど、俺の異空間は時間が止まっているので、入れた時のままなんだよね、皺も入ることもないから。


そして神獣たちも、俺に入れて欲しそうな顔をしているので、預かっておきました。


神獣たちは、自分でも異空間は使えるのに。


「じゃ、必要になった時は、言ってね」と言った。


「でも、わたしたちまでドレス着れるなんて、初めて」とパトリシア


ジャネット「はい、私たちは、普段は自分の魔力で作った洋服を着ていますから、ご主人さまに出会ってからですよ、私なんかも、下着を買うのは初めてですよ」


「そうなの?」


ジャネット「はい、今では下着も数枚以上、持っていますよ」


エイミー「今度、着て見せてあげるね、ご主人さま」


アイリス「エイミー、それって、まずいんじゃない」


「えっ、そうかな?」


「エイミー、見せるのは、好きな人だけにしてね」


「あっ、じゃ、ご主人さま、今度、見せてあげる、私、ご主人さま好きだもん」


「あっ、そう、ありがとう」と言って頭をナデナデ


それを見ていた、大人組4人も、エイミーの横に座って頭を下げてきたので、4人の頭のナデナデしてあげた。


あっそうか、元来、アレクはトラでネコ科だし、パトリシアはクマだし、ジャネットは鳥科だけど、ロゼッタはドラゴンだから何科かわからないけど、猫と思えば頭をナデナデした方がいいのか?


でも、女性だしな、大人の女性に頭、ナデナデというのも、変だと思うけど、猫だと思えば‥‥‥


幼年組もきたので、結局は全員の頭をナデナデした。


幼年組も大人組も嬉しそうにしているけど、大人組が嬉しそうって、どうなのかな? でも猫だったら大人も関係ないか。


もう、本当に晩餐会は、懲り懲りだ。


だから貴族なんかいらないのに。


全員のドレスを異空間に収納している。


以前だったら、絶対、俺に洋服を預けることがなかったけど、今は、ほとんど、俺が預かっているけど、その中には下着も入っている、もちろんバックに入っているよ。


メンバーの下着は、情報収集のために、一緒に ショッピングしたものが多いと思う。


特に以前は、 良い宿を探すためにも買い物をして情報収集をしていたから、ずいぶん洋服が増えたんだと思う。


まぁ、全員が今は貴族だから、 洋服が来ている1着しかないと言う事はまずいよね。


ブラッドフォード大公国では、全員が貴族になったけど、領地もないしから管理する必要もないし、面倒なものはないけど、国からお金がもらえるんだよね。


でも、その話をしたら、全員が、俺に預けておくというんだよね、


「お金はクリスから毎月、もらっているし、買い物はクリスがいれば払ってくれるから」だって。


神獣たちにも聞いてみたんだけど、いるものは俺としか、買い物をしないから、いらないと言っていた。


まぁ、確かに買い物は街に出るから、買い食いしたり、洋服も、ほとんど、俺のお金から出ているから、嘘ではないけど。


買い物した洋服は、全て俺のタンスに入っているから、俺のタンスは持ち運べるからね。


俺のタンスは、もちろん異空間収納だけど。


だから、旅行用のバックの大きなものと小さいものを持って、それぞれの国に行くことになっているけど、ワンピースやシワの入りそうな洋服は、ハンガーにかけたまま、俺の異空間収納に入れている。


だから、用意ができた人から、俺にバックを預けにくると言うわけ。


俺の異空間収納は、中にはいくつもの空間があるので、アリシアの空間という感じでわけている。


まぁ、これも俺と婚約してからが、普通になってしまったわけでして、俺は荷物は持っていないけど、荷物持ちなわけですよ。


なんてことを説明していると、部屋のドアをノックする音がして部屋にいる事情が応対してくれる。


「クリス様、ハワード王子様がお会いしたいそうです」


「はい、わかりました」と言ってハワード王子を部屋の中に入れた。


「神、クリス様、今日は本当にありがとうございました」


「うん、なんとか、まとまりそうだね」


「やはり、気がついておいででしたか」


「なんたとなくだけど、わかるよ」


「さすがです」


「国をまとめるためには、求心力となるものが必要だよね」


「はい、その通りです」


「それを、俺にしたんでしょ」


「おお、それはクリス様しかいないと思っていました、この機会に国の貴族をまとめることに成功しました」


「貴族だって、一つ縄じゃないものね」


「はい」


「いろいろな考えもあると思うけど、今は、一つにまとまることは成果だと思うよ」


「やはり、全てお見通しですね、急に晩餐会を持ち出したのも、それがあったからでしょう、ハワード」


「はい、大変、申し訳ありませんでした、神であるあなたの僕の私には、それしかできませんでした、許してください」


「まぁ、急に王になれって言ったのは、俺だしね、許すよ」


「おお、ありがたき、お言葉、痛み入ります」


「俺も国の国政はできないから、どうやって、この国に助力しようかと考えていたから、ちょうど、いい機会だったね、ハワード」


「はい、本当にありがとうございます」


「では、私は、これにて、皆様、本当にありがとうございます」とハワード王子は頭を下げて部屋から出ていった。


どこからため息が聞こえた。


アリシア「クリスは知っていたんだ」


「うん、なんとなくね」


「俺の前世の記憶から、たぶん、そうじゃないかと思ってね」


「へー」イザベラ


「国をまとめるのも大変だからね、そのためには、目標があると、進みやすいんだ」


「この国が崩壊しなかったのは、たまたまだけど、いい方向にいったと思うんだよ、普通だったら、全部の貴族がハワードについてくれるなんかないよ」


「国の崩壊と、事件を解決した俺を全面に立てることで、ハワード王子は、纏めやすくしたんだろう。

でも、その分、疲れたよー」


ソフィア「お連れ様、クリス、私たちは、座っているだけでよかったし」


イザベラ「そうそう、料理も美味しかったし」


コリン「私なんか、緊張で、お皿から料理、こぼしちゃった」


ソフィア「あっ、私も、それに気がついていて、焦りましたよ」


コリン「でも、給仕の人が、サッと来て処理してくれたの」


ソフィア「本当に、あの時は助かったね」


コリン「うん」


へー、そんなことがあったんだ。




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