第324話 大公国の戴冠式準備4

俺たちはブラッドフォード大公国の時期王様の晩餐会に出る羽目になってしまったので、しょうがなく、出席することになった。


今から俺たちは晩餐会が行われる会場まで侍女のあとをついて歩いているところ。


俺はドレスを着たアリシアの手をとっている。


アリシアは緊張しながらドレスの裾を踏まないように気をつけて歩いている。


ソフィアとイザベラとコリンもドレスの裾を踏まないように歩いているけど、コリンが躓きそうになったので、俺の反対側の手を握っている。


俺はドレスを着ていないから、そんなドレス、良く着れるなと思う。


ドレスを着ているけど、全員が俺がプレゼントしたネックレスをつけているのと、イラリングをしている。


侍女の人から聞いたけど、お城のネックレスをはめようとしたけど、断れたと、贈り物があるから、それをしたいと全員が言ったそうだ。


よかったよ、本当に送った甲斐があった。


俺は左手にアリシア、右手にコリンの手を握りながら、広い廊下を歩いている。


どこかから、音楽が聞こえてきた。


もしかして生演奏なのか??


俺たちは、兵士が両横に立っている扉の前についた。


そこで、待つように言われて、並んで待っている。


兵士の人が「クリス様、一行が到着なさいました」と大きな声で言われた。


突然、大きな声を出すもんだから、びっくりした。


そうすると、扉が中へ開いて行った。


中に、兵士じゃない人がいて開けてくれたみたい。


開けられた扉の中は、大きな長いテーブルがあり、その多くの貴族の人たちが座っていた。


えー、こんなに人がいるの?


その中には、顔見知りの二人がいた。


宰相のアイザックと奥さんのライラさんだ。


王の近くに座っている。


俺たちが案内の人についてテーブルに近づくと、ハワード時期国王が立ち上がって、他の貴族の人も立ち上がって、なぜだか拍手をしてくれた。


俺たちには????? なんだけど。


ハワード時期国王が大きな声で「こちらの方が、このブラッドフォード大公国を救ってくれた大恩人のクリス様である」


「そして女性たちも活躍してくれて、本当に感謝している」


「多くの貴族が揃った席で、私は宣言したい、クリス様を、この国の公爵として迎えると、そしてクリスと一緒におられる女性たちには、それぞれ伯爵の叙爵をする」


「クリスとクリス様、一行の方々には、私は大変、世話になっている、クリス様、是非にお受けいただきたい」


えーなに、その話、俺、聞いていないよ〜


そこにいる貴族の全員から、大きな拍手が起きた。


周りにいる文官の人や、料理を運ぶ人、侍女の人も大きな拍手をしてくれている。


もう山荘の別荘、もらったから、いらないよ。とは言えなかった。


こんな大勢の前でハワードに恥をかかせるわけにはいかないからだ。


もしかして、それを言うための席か?


くそー、ハワードにしてやられた


ハワードを見てみると、すごい笑顔になっている。


「クリス様には、国に携わってほしいと以前からお願いしておいた」


「皆のものも知って通り、俺の父親や兄弟は、大変なことをしでかしてくれた、場合によっては国が滅ぶ事態もあったが、ここにクリス様が、活躍してくれたおかげで、本当に、私の戴冠式を迎えることができるようになった、私も、新米の国王になるのだが、ここにいる皆のもので協力して、私に力を貸してほしい」


そうすると大拍手が起きた。


もちろん、俺たちも拍手したけど、俺たちを利用したな? ハワード


国を纏めるためには、貴族の協力が必要になる、でも、貴族を従わせることが できなければ国王として国政をやっていく事は難しいことになってしまう、そのため何かのきっかけが必要なんだろう。


「クリス様は国の英雄である、その英雄に報いるためにも、いい国にしていかなければならない。

私はクリス様が立ち上げた複数の国との友好を大切にしていきたい。

クリス様の目の前で、ブラッドフォード大公国は、有効関係に着手すると宣言する。

盟主クリス様、こらからもよろしくお願いします」とハワードは言って座った。


俺たちも案内された椅子に座った。


けど、脱力感しかない。


グターっとしていたら、目の前に座っているアイザックと奥さんのライラと目があってしまった。


奥さんからクスクス笑われた。


「主人を宰相にした罰ですよ」ライラ


アイザック「そうだよね、本当に今の地位について国政を担当することになるなんて、今でも驚きだよ。

うちの家系は代々、騎士出身だから、自分もトップになって、これ以上はないって思っていたけど、まさか、自分が宰相になるなんて」


「 アイザックさんには、騎士のトップで終わるような器ではなかったと言う事ですね」


「アイザックでいいよ」


「ではアイザック、 あなたほど有能な騎士と国政を両立できる人はいないと思いますよ」


「今は、そう思っています」 アイザックが頭をかいて顔を赤くして照れながら行っている。


ライラが「 私も最近の主人を見ていると、本当にそう思うんですよ。

以前の主人は、本当に愚痴ばかり言っていましたから」


「いやー、すまん、すまん」


それを聞いていたハワードは、「ダメですよ、神でも、引き抜きは。

もう 私にはアイザック抜きに国政をすることができませんから」


「 でもよかったですねアイザック」


「はい、妻のライラも今の私を喜んでくれています、これもクリス様の出会いがあったからです」


「あっ私もクリスでいいですよ」


「それはいけません、 年齢だけから言えば私のがもちろん上でしょうけど、あなたがブラッドフォード大公国に影響与えた事は、私なんかの足元にも及びません。

そしてクリス様は、盟主になられる方であり、何よりも勇者様ですから」


俺はアイザックから勇者という言葉を聞いて落ち込んだ。せっかく忘れていたのに。


俺が落ち込んだのを見てアイザックは慌てたけど、ライラが、「クリス様は、本当に純粋なのですね」


「えっ、俺がですか?」


「はい、そちらの女性を伴いながら部屋に入ってきた時に、思いましたけど、本当に貴族として板についていないというか」


「貴族として板についていない?」


「はい、悪い意味ではないですよ、俗世間にまみれていない純粋なお方だと

だから、うちの主人もクリス様の話をよくしていますよ。

子供たちにも、クリス様の話をして言い聞かせています」


「貴方様は、この国に本当に、すごいと言うしな表すことができないほどのことをされました。

誰でもできることではありません。

もし王族が腐っていくようなことが起きれば、この国に未来はなかったでしょう。

今、ここにいる貴族の方だって、貴族としていることはできなかったと思います」


全員が静かになってライラの話を聞いている。


「国を統治する王族が、人の一生を奪ってしまうなんてことは、あってはなりません。

人を守るのが国王としての義務ですから、それところか、反対のことをしていたわけですから、もしかしたらクーデターが起きていた可能性もあります。


国民の襲撃や謀反なんかは必然的でしたでしょうね。

私も、結婚する前は、王族でしたから、言えることです」


だからライラは、こんな発言ができるのか!


「まったく王族として恥ずかしい限りです、そうですねハワード」


「はい、ライラ、本当に恥ずかしいことをしてくれました。もしライラさえ良ければ、私を手伝ってくれませんか?」


「まぁ、今は大変な時でしょうから、私も微力ながら力になれれば‥‥‥陛下」


「ライラ、よろしくお願いします」


「はい、主人のお手伝いをしましょう」


そして、楽団の音楽を聴きながら、俺たちは食事することになった。


食事が終わった後は、大勢の貴族が俺に挨拶に来て、本当に大変だった。


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