第305話 神獣と戦争15

俺はアリシアが俺の冗談に笑ってくれる笑顔を思い出しながら、楽しい気分で飛んでいる。


もちろん見えないように透明化の魔法を使っている。


奴と戦う場所は、どこにしたらいいだろう?


何もない、どこかの平地がいいけど、もしかしたら地形が変わってしまうような事になる可能性もある。


間違っても、奴と街なかで戦うことはできない。


そんなことしたら俺の方が破壊神になっちゃうよ。


誰が書いたか知らないけど、ってあったな、巨大な大怪獣が、街を壊すっているのも気分はいいけど、生きている人がいるんだから、そんなことはできない。


なんて、ことを考えながら、飛んでいる。


神獣たちの準備もあるから、速く行ってもしょうがないけど、これ以上、人の被害を防ぐ必要もあるから、ゆっくりはしていられない。


タイミングよくしないとウルフが介入してくる恐れがあるから。


俺にとっては、そちらの方が大事だ。


神獣たちとタイミングを合わせること、今は、それだけ。


神獣たちが交渉をしているときに奴が介入すれば、殺しまくる恐れがあるから。


奴が暴れまわると、神獣たちも、ただでは済まない可能性もある。


今、アレクとジャネット組が、ソロモン王国の王城に転移している。


王以外、誰もいない部屋に転移してきたところだ。


王は精神的に狂ってしまっているため、交渉の余地はない。


なのでアレクが精神支配を上書きしようとしている。


しかし、うまくいかないみたいだ、奴がかけた精神支配は強力みたい。


今は、王は眠らされている。


ジャネットも試しにしてみたけど、やはり同じ結果みたい。


「う〜ん」 どうする?


俺が様子を伺っていると、アレクから連絡は念話で入ってきた。


「ご主人さま」


「アレク、どうした?」


「 私たちが精神魔法を王様にかけようとしたんだけど、ダメみたいなんだよね。ご主人さまの精神魔法だったら、可能かもしれないからかけて欲しいんだけど」


「わかった」


アレクたちの前にいる王様に対して俺が精神支配をかけてみた。


「う〜ん、うまくいかない」


「困ったね」


「あっ、ちょっと1分くら、待ってくれる?」


「うん、わかった」


俺はアレク達に、待っていてもらい勇者のスキルを使って、さらに精神支配をレベルアップしてみる。


そうすると俺の体が輝き出して黒っぽい魔法が出てきて俺の体を包んでいくが、気持ち悪さは無い。


輝きと言うよりも黒さが消えていくと、俺の体を見ても、やはり変化は起きていないけど、黒い魔力なんて初めてだから、頭に角が生えているんじゃないかと思って頭を触ったけど大丈夫だった。


別に背中にも羽が生えていないみたいだから安心した。


もう一度、アレクに念話をつなげて、

「アレク、お待たせ」と言って


「 じゃ、もう一度、精神支配をやってみるから」


「はい、わかりました」とジャネットが答えた。


俺が集中していくと俺の周りを魔力が漂い出して瞬間的に最高レベルまで上がっていく。


しかし王様には、単純な魔法ではなく取り付いているような感じを受けているので、そいつも消滅させる。


そうすると精神支配が、すんなり可能になっていく。


多分これでウルフの精神支配よりも、俺の精神支配の方が上回ったと思われるので、そのコントロールをアレクとジャネットに任せる。


「アレク、ジャネット、もう俺のコントロール下になったから、二人には、操れるようにしたから」


「さすが、ご主人さま」アレク


「でも、奴の精神支配を抜けたことがわかればすぐに何かの動きがあるかもわからないから注意するんだよ」


「はい、わかりました」アレク


「じゃ、俺は、ロゼッタとパトリシアの方を確認してみるから」


「はい、わかりました」


「じゃ、頑張ってね」と言って念話を解除した


そして俺は、ロゼッタとパトリシアがいるマクシミリアン国を確認してみる。


そうすると、 どうやってかわからないけど、王様に会うことができたみたいだ。


ロゼッタとパトリシアが競うようにして王様に説明をしている。


マクシミリアン王は、精神支配が軽かったみたいで解除できていた。



王様の周りには宰相もいるし大人も数名いる。


ロゼッタとパトリシアは話の中に出てきているんだが、神獣としての力を出したようだ。


神獣としての力を出す前に、王さまに物語のような本を読んだことがないかと言うことを聞いていたみたいだ。


やはりこの国にも、神獣たちが 物語のように書いてある本があるみたいだ。


王様と言うのは勉強もしなければいけないので、普通は若い時に、そういう本を読まされている。


だから理解が早くて助かる。


どの本にも、神獣たちが世界を支配するのではなくコントロールしていると書いてあるみたいだけど。


普通は目の前にある人間が神獣だと言っても信じる事はしないけど、実体化すれば別だ。


ロゼッタとパトリシアは王に対して


「今は人の勇者様の配下です」


「勇者とな?」


「ええ、勇者様です」


「勇者は、とうの昔にいたが、今は、いなかったはずだが」


「いいえ、ある、お方が勇者の称号を得る努力をして、勇者のレベルも高い、お方です」


「勇者にもレベルがあるのか?」


「はい、勇者でも、なりたての勇者もいれば、そうではない勇者もおります」


「私たち、神獣の7人が認めた、ただ一人のお方です」


「なんと、神獣に認められたと言う事になるのか、今の勇者は」


「はい」


王「どこに、いるお方じゃ」


パトリシア「今は、それは詳しくは申せません」


パトリシア「しかし、遠くの国の出身であることは言えます。その、お方が立ち上がりました」


ロゼッタ「勇者が立ち上がって、わたしたちが出てきていると言うことが、わかりじゃろ」


ロゼッタが威圧的に

「マクシミリアン王よ、軍勢を引けい」


「もし、従わないなら、今、この場で、王族を噛み殺す」


ロゼッタが無茶苦茶なことを言っている。


あまりにもロゼッタがやりすぎた感じがあるので、俺が瞬間転移で姿を現した。


「もうロゼッタ、やりすぎ」と言って頭をコツンと叩いた。


瞬間的に現れた俺にこの場にいる全ての人が驚いている。


しかも神獣を手玉に取るような感じで頭を叩いている。


みんなの心には、この人が勇者か?という思いがあった。


「みなさん、失礼します、俺が勇者クリスです」


昔は小さくてアリシアの後をついていくような感じだっただけど、今では俺は身長180センチ以上で、体格も筋肉が潰えて胸板が大きく太くなっているので、ずいぶん、違ってきているから、こう言っても、いいと思った。


格好いい、登場だな〜と自分でも思ってしまった。


突然現れた俺に全員がびっくりしながら、すべての目線を集めている。


「この二人の神獣は、俺のメンバーです」


「もちろん力で従わせるのは、簡単ですが、俺は、それを良しとしません」


「今、この国は隣のソロモン王国と戦争になろうとしていますけど、それはある男の悪巧みで進行していることです。

俺は悪巧みをしている男をどうにかするためにきました」


「そのために皆さんに協力をしてほしいんです」


「 どんな協力をすればいいんじゃ」


「 自分の国を守ることに専念してください」


「 そうすれば俺たちはソロモン王国に集中することができます」


「この国でも街中でも、殺人事件が起きていませんか?」


俺はソロモン王国で起こっていることを、尋ねてみた。


そうすると宰相が「 最近、街中の路地や部屋で多くのものが殺されている」


「それが悪巧みをする奴と関係があるのか?」


「はい」


ざわめきが起きた。


「この国で悪巧みをする奴の名前は何と言う」


「 本名は分かりませんが、我々は奴のことをウルフと呼んでいます、 でも偽名を使う可能性もあります」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2022年、2月23日(水曜日)

プロローグ編、そして1話から20話まで書き換えました。


初めはプロローグ編はありませんでしたが、増えていき、ついに10ページにまでなりました。


プロローグ編は1〜10あり完成しましたので、ご報告いたします。

特に最後は、力を入れましたので、お楽しみいただけると思います。


さらに第1話から20話までを新しく書き換えました。


プロローグはアルベルト編になっています。


アルベルトの成長と家族のこと、そして軍隊でのツラい生活、そしてライラとの出会いと‥‥‥お楽しみください‥‥‥作者より


お読みくださりありがとうございます。


いつも評価してくれる方、本当に励みになっております。




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