第273話 神獣たち

俺は部屋に全員を集めて、神獣たちから少し、話を聞くことができた。


そして話を終えて、今、俺の部屋には一人でいるんだが、話の整理をしないと、頭が追いつかない。


俺は、集中して考えているため、自分の言葉として発していることさえわからずに言っていた。


誰がいるわけでもなく、聞いているわけでもないのに声だけが部屋に響いている。


何だか、訳わからなくなってきた。


あまりにも意外なことを聞いたため。


「そもそも、神獣ってなんだ?」


「字からすると、神の獣」


「神?」


「俺は、あまりにも神獣たちのことわかっていないのか?」


「そもそも、神って信仰の中でしか聞かない」


「俺も神を信仰しているわけじゃない」


と言うのも住んでいたところが田舎なので、いなかったからだけど。


時々、そう言う人が訪ねてきていたのは、知っているけど、村の人は忙しい時期だったので、取り合わなかったようだけど。


でも、その神とは違うのかな?


「ん?、神獣は必要とされた時に、召喚する人がいれば召喚に応じて出てくる?。では、召喚する人がいない場合は?」


その時代、時代の召喚主は、どんな人だったんだろう??


普通の魔法師が召喚しても、悪事を働くか、奴隷として使ったのか、そんなわけないよね、奴隷として使うためにも、そこまで苦労して召喚しても、召喚した奴が一撃でやられてしまうだろう。



アレクは、ずっと現生にいるわけじゃないって言っていた。


話をまとめてみると神獣と言うのは普段から存在するものではない。


必要としない時は、いくら魔法使いが召喚術を使おうとも召喚されて現れる事は無い。


ん?、どういうことだ?


じゃ、今が神獣たちを必要とされていると言うことなのか?


神獣たちは時を見張っているとか、言っていたけど。


あーっ、もう頭が混乱する


神獣たちが必要とされるのは、どういう時なんだ?


神獣たちが出現して、必要となる時??、 時代?


と言う事は神獣を召喚しようとしても、現れない時期もあると言うことだ。


なのに俺の周りには今、神獣たちがいるという事は?


何かが起きようとしているから神獣たちが俺の魔法に、答えるように呼び出されたと言うことか?


そもそも、神獣たちを必要とすると言う事は、なんだ?


「なにが起きようとしているんだ?」


単純に俺が召喚魔術を使えて、それに応えた神獣たちが召喚されたと言う簡単な理由じゃないみたいだ。


しかも神獣たちが、俺の周りに集まっていると言う事は、俺の周りに何かが起きようとしているのか?


そう思ったら、アリシアの顔や両親の顔や、メンバーの顔が浮かんできた。


そして前世での苦い記憶も、一緒に!


前世での本当につらい記憶を頭の奥の方に押しやっても、いつも出てくるツライ記憶。


前世での両親が、俺を化け物と言ったツラい記憶、今でも、数秒前に言われたことのような‥‥‥


「そう、ならないようにしてきたつもりだったけど‥‥‥ まだ、足りないのか?」


「何が、俺を必要とするのか?」


まだ、俺に何かを求めようとするのか、何者かが!


「俺は英雄でもなければ、勇者でもない、初めから多くのことができたけど、自分では、特別だなんて思ったことはない。」


好きなアリシアと田舎の村で結婚して暮らせればな、とだけ思っていたのに、俺を必要とするものがいるのか?


「何が必要なんだ?」


こんな泣き言を‥‥‥


目から涙が溢れてくる。


その時に、部屋をノックする音がした。


俺は返事をしなかった。


そうするとドアがゆっくり開いて、誰かが部屋に入ってきた。


俺が座っているベットの横に腰掛けて、体を寄せてきた。


「やっぱり、クリス、苦しんでいたんだね」入ってきたのはアリシアだった。


「クリスってば、いつも、いつも無理しすぎだよ」


「何でも、一人で背負い込まないで、話してみてよ」


「そりゃ、クリスには秘密もいっぱいあるみたいだけど、話せることで良いからさぁ」


「うん‥‥ごめん‥‥」俺はアリシアに抱きついて泣き喚いた。


それほど俺の心は病んでいた。


こんなに頑張ってきたのに‥‥‥


フロア全体にまで俺の鳴き声が響いていた。


ドアの前には、心配してソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロット、アレク、ロゼッタ、パトリシア‥‥など全員が揃っていた。


俺は泣き疲れたのと、気持ちが緩んでしまって、そのまま、寝てしまった。


朝、目が覚めたら、アリシアの胸の前に顔があった。


アリシアは一晩中、俺のそばにいてくれたみたい。


俺が目を開けて動いたので、アリシアも目を覚ました。


何だか、恥ずかしい


「ア、アリシア、おはよう」


「うん、クリス、もう大丈夫みたいだね」


「‥‥‥うん、ありがとう、アリシア」


アリシアは、目の前にあった俺のオデコにチュウをしてくれた。


その時に、ドアが勢いよく開いて、アレクとアデルが突入してきた。


「バンッ」


二人は「ご主人様〜」と言って、ベットのアリシアと俺の間に潜り込んできた。


ベットに入ってきた二人は、俺をくすぐり出す。


「やめて〜」という俺


アリシアはベットから追い出されてしまった。


「もうっ」


しばらく、くすぐられていたが、急に静かになり、二人を見たら、寝ていた。


俺が心配で眠れなかったみたいだから、そのままにして俺はベットから出たけどね。






今現在、俺の周りにいる神獣たちはアレクとロゼッタとパトリシアとアデルとエイミーとアイリスとジャネットだ。


7人の神獣たちと 何かが戦うようなことが起きる可能性があるのか、そんなことをしたら国が滅んでしまう。


神獣たちが大きくなって遊んだだけでも国がなくなってしまう。


神獣たちが、普通の大きさと型に戻ったら、それは世の中大変だろうから。


大きさだけを言うとロゼッタが20メートルの大きさだけど、もっと巨大になれるのかもわからない。


なんだか、わからないことだらけだけど、多分、俺が以前から懸念を持っていることに関係しているような感じがするんだよね。


恐ろしいことが起きなきゃいいけど。



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